イー・ウーマン（ewoman）

みなさま、こんにちは。医師の田村大輔です。

3月26日は、東京で新たに診断された新型コロナウイルス感染者数が47名と最高になりました。この中で、最も懸念されるのは、「感染経路が分からない感染者が半分を占めている」、ということです。
つまり感染を受けた方が、どこから感染をもらったのか分からないということです。こうなると、他人に感染させてしまう方が誰なのか分かりません。その方が、どのように行動しているのか分からないので、私たちが知らない所で感染が広まってしまっています。そうなると、感染者数は一気に増加していきます。

「1人の感染者が、何人程度に感染させるか」を基本再生産数（R0）といい、1を下回れば、3週間前の北海道のように感染は収束していきます。中国武漢では、5〜6とも言われていましたが、最終的には、中国の全体での流行期のR0は、2〜3程度と考えられています。

仮に、現在の東京でのR0が3だとすると、新たな感染者は、27日に150人、28日は450人、29日には1300人です。R0が6とすると、300人、1800人、10000人と急増します。こうなると、もう社会機能は麻痺して、病院は患者で溢れ、患者は体育館での治療を余儀なくされ、お亡くなりになった方の葬儀が間に合わず・・・。東京などの大都市では、Lockdownとならざるを得ません。2か月前の武漢、3週間前のイタリア、現在のニューヨークです。

東京が、日本がこのような状況にならないように、今週末からの行動は特に注意しなければなりません。

新型コロナウイルス感染症は、若年者だと軽症、高齢者の場合では重症化・重篤化する傾向があると言われています。中国での年代別の致命率は、60歳代が14％、一方で、10歳代が0.2％と報告されています。ほとんどの方は感染後、咽頭痛や軽い咳嗽、鼻炎などの風邪症状がだらだらと2〜3週間持続しますが、後遺症なく回復していきます。
しかし、一方で、当初は風邪症状のみが数日から1週間程度経過した後、急激に呼吸不全を来たし、人工呼吸器さらにはECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)「対外式膜型人工肺」を装着しても回復しない症例もいます。

新型コロナウイルス感染により日本が大きな危機に直面しています。ですから、今回の円卓会議では、このウイルスと自分の健康について議論したいと思います。

新型コロナウイルス感染による自分の健康について、心配していますか？　心配している場合、どのような心配がありますか？また、心配していない人は、心配ないように何か特別なことをされていますか？

今回私が担当する働く人の円卓会議では、自分の職場の新型コロナウイルス感染症の状況によりコメント公開が遅れる可能性があります。ご了承いただければと思います。
また、コロナウィルスの経済的な影響については、今週、佐々木かをりさんが議長となって同時に進行していますので「コロナ感染拡大。生活への経済的打撃、大きいですか？」にもご参加いただき、両面から考えていただけたらと思います。
では、１週間、よろしくお願いいたします。



★今週同時進行の働く人の円卓会議
「コロナ感染拡大。生活への経済的打撃、大きいですか？」

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★田村議長の過去の円卓会議より
・中国の新型肺炎。気になりますか？（2020年1月実施）
・地域の感染症情報、気にしていますか？
・インフルエンザ、今年かかりましたか？

• 2020.03.27
• 田村大輔 自治医科大学 小児科学 准教授、医薬品医療機器総合機構 新薬審査外部専門委員