イー・ウーマン（ewoman）

手付かずに見えても（真打ち・栃木県・42）

私の住む地域は屋根や塀の倒壊がまだまだ目立つ。業者の手が追いつかない事と、相次ぐ余震で、あえて今、元には戻さないでおくという選択もあるようだ。我家も倒壊した物は撤去はしても元に戻す事はしなかった。こうした事から、元通りになることばかりが復興ではなく、様相が変化し新たな形となっても、平穏な暮らしに近付いていく為の日々の歩みこそが、復興なのだと思う。

復興は進んでる。でも成果見えず（Jumpingknee・東京都・40）

被災しているわけでもない自分がYESというと、被災地の方に怒られてしまうかもしれませんが、復興は進んでいると思います。ただ、目に見える成果はあるかというと、NOでしょう。でもそれは原発以外にも想定外の事態が沢山あるでしょうし、この5ヶ月という期間はまだ大きな成果を出すには短すぎるのだと思います。そうした状況に焦らず着実に対応していくのが大事なのではないかと思い、支援活動にさらに力を入れています。

進んでいるだろうけれど……（ガーデナー・東京都・50）

自治体、民間企業、ボランティアなど多くの方が復興に向け努力を続けており、震災復興が進んでいない訳がありません。ただ、被災地以外にもたらされる情報は急速に減ってきており、国全体で復興していこうという長期的な体制ができないまま、関心が薄れて行っている気がして不安です。

進んでいる？（dokinchn・東京都・48）

進んでいるか、全く進んでいないかと聞かれれば進んでいるのでしょう。だから一応Yesに投票しました。ただ、こちらの予想していた（希望していた）値には全然達していないといえるのではないでしょうか。すごくのろのろした歩みですが一歩一歩進んでいると思いますが、もっと行政がきちんと対策と計画を提示していかないといけない。地方自治体も国家レベルでの支援、復興計画がたっていないから動けないところがありますね。代表選なんかしてないでもっとやるべきことやってほしいと思います。

スピードアップ望む（ポーチュラカ・福島県・43）

福島は原発事故の影響で５ヶ月以上たった後も様々な影響が出ています。牛肉や桃に代表される特産物が壊滅状態です。学校や公共の場の除染も進んでいませんし、失業者のサポートも滞っています。原発周辺を政府が買い上げることになりましたが、範囲が広がるのは必須です。故郷を奪われた人のメンタルなケアを含め、対策を急いでほしいと思います。

情報の一括化をしてほしい。（unicu・埼玉県・30）

復興はあまり進んでいないように思います。メディアでも取り上げが少なくなり、現地の様子を知る機会も少なくなってきました。政府の対応のスピードも遅く、論点がずれていることが多く見受けられます。個人的にはどうにかしたい気持ちはあるのですが、多くの情報から有益な情報を選択するのに時間がかかって、行動に移るのにタイムラグが生じていることがとてももどかしいです。情報を一括にまとめ発信すれば、復興支援ももう少しスピードがあがるのではないかとおもいます。

現実。（kazuoi・31）

震災発生1か月後から月1回ではありますが、現地のボランティアに行ってます。車で行っているのですが、高速道路など主要道路は回復しているものの、そのほかの道路は未だ手つかずのところもあったり、がれき・農地なども放置されたままのところもあります。風景が毎月そんなに変わってない印象です。報道を見てもすべて後手後手。やるせない気持ちです。

ちょっとあせりが（tibiko・大阪府・41）

震災に関して、義援金や物資の提供、セキュリティファンドの出資など、できることはしているつもりですが、震災に関する情報をみていると、うまくお金と労力が回っていないと感じます。もっとなにかをしないといけないのでは、でも何ができるだろうという焦りがあります。

 被災地を訪ねるたびに、がれきが片付いて何もない空き地がふえ、町では商店や飲食店が営業を再開するようになりました。「復興が進んでいないわけがない」（ガーデナーさん）という見方に私も同意します。ただ、「目に見える成果はあるかというと、No」（Jumpingkneeさん）というのも事実で、「こちらの予想していた（希望していた）値には全然達していない」（dokinchnさん）ということになると思います。一方、裏道や市街地を離れると、がれきのままというところも多く、「風景が毎月そんなに変わってない印象」（kazuoiさん）の観察も確かだと思います。
 
私の見方では、最大の難関は、被災した土地をどこまで公有化するか、ということだと思います。ここが固まらないので、被災地の復興計画が決まらず、被災した住宅や会社や工場を移転するのか、そこに再建するのか、悩んでいるところが多いと思います。
 
また、「うまくお金と労力が回っていない」（tibikoさん）という指摘もありま
したが、雇用では、がれき処理などの仕事と地元の失業者、企業の再建では、資金の受け手と出し手、などのミスマッチが目立ちます。
 
行政を批判してばかりでも仕方がないのですが、危機に際しては、いつもの手続きを無視したり、それぞれの権限を侵犯したりすることもある、という覚悟というか決意が行政にないことも、復興の速度を遅らせている原因でしょう。
 
原発問題では、まだ手つかずの問題も多いように思います。事故の大きさを考えれば、仕方ない面もあるのでしょうが、被災者も国民も、いらいらしていると思います。
 
全体として見れば、当面の緊急措置的な対応は一段落して、これからは、中期的な課題に取り組む必要があると思います。その柱のひとつは、家族や友人を失った喪失感、仮住まいや失業の恒常化に伴う焦燥感や絶望感などに対する精神的なケアで、原発地域では、「故郷を奪われた人のメンタルなケア」（ポーチュラカさん）も必須です。
 
みなさんにお聞きしたいのは、被災した地域の公有化、どこまで考えるべきか、ということです。手厚ければ、地元にはありがたいのですが、それだけ国費が膨らみます。公有化しないと、その地域の復興計画が描けない、という問題も出ています。

• 2011.08.24
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員