イー・ウーマン（ewoman）

生活の安定と経済成長（ニューヨーク・東京都・38）

被災者の方たちが多少なりでも将来に希望がつなげられるように、生活の安定に資する政策、そして、落ち込んでしまった経済を立て直す力強い政策、この2つを望みます。 自分自身でも、がれき撤去や寄付でこの日本の再生に力を注いでいきたいと思います。

医・教・職（真打ち・栃木県・42）

医療・教育・就職の三本柱を最優先にと望む。医療体制の崩壊を再建、健康不安から少しでも解放されるようにと願っている。学校の倒壊や原発で転校を余儀なくされるなど、相当なストレスを抱えているであろう生徒の心理的なケアを含む 学校生活の整備、何よりも急激な環境変化に起因する非行などを未然に防げるよう、見落とさず対応をして欲しい。再就職先の確保など、少しでも展望が見出せるよう、多くの企業協力のもと、復興の大きな一歩として考えて欲しい。

山積の課題（ポーチュラカ・福島県・43）

住む場所を奪われた人がたくさんいます。高台に移転したくても遺跡跡だったり、公的な仲介でなんとかならないでしょうか。仕事を奪われた人に、暫定的でも職を。仮設住宅で孤立した人にはコミュニティを。放射能汚染地域の除染も急いでほしいです。

期限付きの国営事業で復興を（誠二・大阪府・42）

東日本を襲った震災は、悪く言えば日本国が破綻の危機といっても過言ではないと思います。税収がないのだから、公務員の給料出せない状態ですよ！官民一体となって、国策事業として、防災都市はあとのことで、働く場所、住まいを整えない限り、過疎が促進してしまう。これは、短期決戦です。時間はありません。

現実を見て！（留加・宮城県・47）

8月15日、気仙沼・南三陸・石巻に行ってきました。震災から5か月が経っているというのに、言葉では言い表せないような状態でした。そんな中、自分が総理になりたい方々がいろいろインタビューに答えていますが、復興への対応はどこへやら。次の総理に望むことはまず被災地に出向いて、まもなく震災から半年を迎える被災地の今を見て欲しいです。そのうえで、今一番必要なことが何かを判断して欲しいと思います。

新首相への注文、いろいろ出てきました。「生活の安定と経済成長」（ニューヨークさん）、「医療・教育・就職」（真打ちさん）、「住宅、雇用、コミュニティー」（ポーチュラカさん）、「短期の国営事業」（誠二さん）……。被災地の復興なくして日本の再生なし、という決意で、臨んでほしいと思います。
 
当面は、3次補正予算とそれに伴う財源問題が焦点でしょうが、デフレ経済を脱却できるような大胆な政策を打ち出してほしいと思います。1ドル＝76円のやせ我慢をする必要はありません。ということは、財務省の言いなりにならないで、ということなのですが、これが一番難しい注文かもしれません。
 
先日、ずっと避難所で暮らしていた中学生の女の子が、段ボールの敷居もなかった避難所では、泣くこともできなかった、と言ったので、思わず涙がこぼれました。ある中学校の先生と話をしていたら、遅れて開かれた卒業式で、先生たちは涙を流すことができたが、子どもたちは緊張が続いているため、涙も流せなかった、と言っていました。今回の大震災は、大きな衝撃を子どもたちのなかに残したのだと思います。
 
復興が進んでいないとは言いませんが、国民が期待したほどには進んでいないのは明らかです。次の首相には、「被災地の現実を見て」（留加さん）、なかでも被災地の子どもたちに、安心感と希望を与えてほしいと期待します。

• 2011.08.29
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員