イー・ウーマン（ewoman）

阿吽の呼吸と言葉の壁（banana5・神奈川県・36）

"阿吽の呼吸"文化であることと、やはり言葉の壁が根底にあると思います。前者は主張や議論の場での姿勢そのものになり、そのルールや当たり前が異なる場では、知識とスキルがないとうまく柔軟に対応できない。後者はコミュニケーションの道具の欠如となる。異国、グローバルな場のルールや当たり前を認識し学ぶことがまず重要。学校教育、ビジネス、それぞれの場で認識アップと学びが実践されるよう、国や企業でできることがあると私は思います。

現状に満足しているのでは？（Jerryb・東京都・46）

米国で暮らして思ったのは、とにかく話さないとわかり合えないということでした。そういう文化で育つと、無口な日本人は不思議な存在です。日本にいて、愚痴は言ったとしても現状でそこそこ満足する限り、あまり話さなくて普通に暮らせるので、まずは発信の動機付けがないのでは。何かを変えよう、何かを伝えようとするときにはそれなりの方法がありますよね。今この時期の五輪で私たちは変わるのでしょうか。議長のお話でそんなことを考えました。

「こだわり」と「物分り」（marco302・海外・その他・42）

日本人独特の「こだわり」がそうさせているように思います。たとえば、1.「日本の品質は世界一だ！」、2.「日本人以外は会社の幹部にはなれない」、3.「日本人は世界一マナーがいい」など。このこだわりが悪い方向に進み、世界に何を言っても日本のことは理解できないだろうという、自己満足的な「物分り」のよさで発言が減ったのではないでしょうか。見習うべきかは別ですが、中国、韓国との違いはここにあると思います。

言葉と立地の問題は大きい（mieuxxx・神奈川県・45）

1つは日本語という、自国でしか使えない＆多国語と共通性が薄い言葉を使っている事、もう1つは島国で他の国と遮断されている事、この2つが大きい気がします。自国だけでやっていけないとなると外に出ていくモチベーションがあると思いますが、発信を積極的にしなくても何とかやっていけるマーケットの大きさがあると、発信力が薄れる事になるのではないかと思います。

良い習慣の悪影響（真打ち・栃木県・44）

空気を読む習慣は、一方では意見を控えがちになる傾向につながると思う。意見を述べる必要がないと判断したのならまだしも、空気を読む→様子を見る→発言の機会を逃してしまった、という経験はないだろうか。何事もタイミングが大事だ。空気を読みつつ適宜主張の出来る人は"信用"ができ、仕事や余暇も共にしたいと思う。

理由は多岐に渡る（ゆきなな・海外・その他・32）

海外発信があまり得意でない理由は、1つではないと考えています。鎖国をしていた歴史から見ても、言葉や考え方を含めた国民性であると思います。また、海外に拠点を移し、子どもをインターナショナルスクールに入れて育てていますが、幼い頃から発信することを自然と身に付けられる教育プログラムであると感じており、教育も1つの要因であると思っています。

新たな切り口で高度成長から卒業（mamisan・東京都・43）

仏在住時にはむしろ、市民の日本の評価と興味の高さに驚きました。仏料理への懐石の影響、アニメの浸透等の文化的な事からモラルや治安、技術力まで多岐に渡り、日本人である事で常に丁重に受入れられました。経済は低下しても、日本には世界を魅了する宝が沢山あると思います。だから「文化が際立つのは経済衰退の証」等の評論が残念です。発信下手は、未だに高度成長時代に多くの人が留まっているからかもしれません。出来る事沢山あります。多様な切り口で日本のプレゼンスをあげていきたい。

教育の違いが大きいのでは？（kko・海外・その他・48）

米国では、子どもの頃から授業でディベートをするそうです。ある事柄について、2つの立場に分かれて議論するのですが、自分の考えとは違う立場を与えられても、時間内に考え、攻撃的にならずに自分の側の立場で相手を説得する方法を学んでいるので、相手の気持ちを害することなく、自分の側の主張をするのがうまくなるのではないでしょうか。結果、自分の考えを躊躇なくどこでも発信できるようになるのだと思います。生活していても、違う意見をさらっと伝えるのがうまいと感じます。

教育や文化の影響と努力不足（mayupyon・東京都・42）

なぜ発信力が弱いのか。私が思うには、1）もともとシャイな国民性に加えて「発言力」を鍛える教育が（語学も含めて）行われていない、2）多様な考え方や意見を受け入れる文化が成熟していない。3）そして国レベルでの発信力がない理由は、これら2つに加えて政府の努力が足りないのではないでしょうか。「言わずもがな・・」は海外には通用しないのだから、言葉を尽くして説明しなければならないと思います。

海外発信力の弱さの理由は多岐にわたると僕も思います。miewxxxさんは「言葉と立地」を挙げられましたが、そこにもう一つ「市場」あるいは「人口」も加えていいのではないでしょうか。
 
なぜ日本の携帯が「ガラパゴス化」したか。それはメーカーが日本の市場だけを考えて商売になっていたということです。1億3000万という人口は決して小さくありません。たとえばヨーロッパではロシアを除くとこれだけの人口を抱える国はありません。フィンランドのように人口が520万人しかいないと、そもそもフィンランド語だけで何とかなるとは考えないのです。公用語はスウェーデン語とフィンランド語だし、国民の8割は英語を話します。日本はその意味で「ガラパゴス的発展」をしやすい環境にあったと思います。
 
日本の人口が増えているときは、場合によって、それでも大丈夫ですが、人口が減るようになってやはり日本だけで完結するのでは成り立たないということが明確になってきました。それが日本企業が海外に出て行く理由です。そうすると、日本にとって最も重要なことは、この極東の小さな島国をいかに世界の人から注目してもらうか、すなわち「プレゼンスを上げる」ということになります。
 
あまり好きな比喩ではありませんが、日本というブランドを高めることで、多くの人が日本という国を知り、好きになってもらうことがとても重要だと考えます。2020年のオリンピックがそのきっかけになればいい、というより、そうしなければならないのだと思います。
皆さん、1週間、どうもありがとうございました。


◆藤田議長の過去の円卓会議より
・参院選、あなたの期待通りですか？
・アベノミクス、まだ期待できますか？
・GDP3位転落はショックですか？

• 2013.09.27
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹