イー・ウーマン（ewoman）

子ども同士で学びあう（banana5・神奈川県・36）

インターナショナルスクールには様々な国籍、宗教の生徒がいるので、いわゆる日本人生徒が大半の日本の小学校とコラボ学習する機会を作るのはどうでしょうか？ いきなり宗教というテーマに絞るのではなく、まずは多様性、違いを体感する機会を子どもたちに提供することが大事だと思います。文化や宗教などの社会的なベースとなることに加え、一人ひとり＝個人の意見や考え、興味も紹介し合うことで、概論だけを学ぶような画一的な学習にならないことがポイントになると考えます。

ごく自然に（ゆきなな・海外・その他・32）

子どもが在籍している学校は、多国籍で、クラスメイトの国籍は16か国です。宗教も様々で、ランチをオーダーする際も、宗教や習慣により毎日4種類のコースの中から選択できるようになっています。私も子どもも特に身構えず、友人の1人として相手を尊重する気持ちで違いを受け入れています。その際、私も相手に違いを受け入れられ、尊重されていると感じるからです。

双方向の尊重のかたち（mamisan・東京都・43）

例えば学校給食。学校が給食の内容で対応出来ればよいですが、対応する宗教の数が多い場合など壁も多いです。むしろ、各自の戒律に従った弁当の持ち込みを柔軟に認める事。こちらの方がより現実的に多様性に対応できると思います。学校の給食は、「個人の信条がそれに相容れない場合家から持ってきて下さい。それは認めます」としてはどうか。少々乱暴な論理ですが、双方向の尊重が成り立つ例に思えます。原発事故後、弁当持ち込みの希望を認めない学校が多くあった時に、この事を考えました。

知る、理解する（遥海空・東京都・39）

この夏、初めてマレーシアに行きました。イスラム、仏教、ヒンドゥー、キリスト教が混在する国ですが、お互いに認め合い共存しているのを肌で感じました。日本にいて頭で理解しているのと、実際に目でみたり、直接話をするのでは全く印象が違い、世界が広がった感じがしました。ビジネスとなると話は違うのかもしれませんが、私自身は、相手がどういう宗教で何を大切にして、何がタブーなのかを知り、理解することが最初の一歩だと再認識しました。

宗教色の薄まり（Zonnetje・海外・その他・38）

ムスリムがクリスマス休みを取るのはあまりに一般化していますし、食物に関する制限は、アレルギーのある方たちとほぼ同様の扱い（ほぼ無視されてしまっていますが、ある特定の食物に手を出さなくとも奇妙な目で見られることはないと思います。）かと思います。ラマダン明けの祝日を現在住んでいるキリスト教系国で祝日にするべきだという議論は、国ごとにラマダン明けの日が異なることがあり実現しませんでしたが、そんなに違和感を感じることもありませんでした。

基本を忠実に、多様性もいれる（にしひがし・茨城県・42）

日本で行うパーティーであれば、ホストは日本なのだから基本を全て日本的なやり方で行い、日本食や文化を紹介しながら、多文化の食、多文化のパーティーの在り方も日本式にアレンジして組み入れることで、宗教、文化の多様性の尊重を表現できるのではないでしょうか。そうすることで、皆と仲間として歩み寄る姿勢が示せ、話題作りにも貢献できると思います。

それぞれが選択できるように（銀木犀・53）

なるほど、集団で向き合うとなると「選択肢を作り、それぞれが自由に選択できるようにする」ということになるのではないでしょうか？　学校はカフェテリアで昼食を取るようにし、クラス以外の人と隣り合わせになって、自然と相手の宗教との関わり方も私達より上手な世代が生まれてくるような気がします。

ニュートラルの姿勢で聴く（kko・海外・その他・48）

最初は気にしていましたが、親しくなり、「これは、自分の国(地域)では絶対に食べられないから、食べるのが楽しみ」「たまに教会に行く日に別のことをしてると開放感を感じる」「妻が熱心だけど、実は自分は違う」などの本音を聞いて、意識しないで接して欲しいと思っている人も少なからずいると感じました。こちらがニュートラルでいるといろいろ教えてくれます。信仰の厚い人は他宗教への理解も深く、日本の宗教について聞かれることも多いので、日本の宗教への知識と興味が増えました。

悪気のない否定をしない（おひさまようこ・東京都・34）

宗教が身近でない身として今回大事だと思ったのは、宗教の積極的肯定ではなく、否定をしないことです。女性に対する戒律が厳しいことなどは、「宗教上の理由で」に対して、私たちはもちろん、本人も納得できないことがあるかもしれません。でもそれに対して「そんな宗教なんて」という扱いをしても、良いことは何も生まれないように思いました。

宗教だけに限らず、互いの文化の違いを理解するという流れの中で宗教も含めて考えるというスタンスがあります。＜banana5＞さんや＜ゆきなな＞さん、あるいは＜にしひがし＞さんのお考えもそれに近いと感じました。
 
ことさら宗教と構えない接し方が、場合によってとても有効だろうと思います。また宗教を配慮して、ある事柄に対する複数の選択肢を用意するというのも1つの方法ですね。食事などはすでにそういう方法をとっている日本の大学もあります。
 
7年後は東京オリンピックということで「おもてなし」という言葉が急に脚光を浴びました。もちろん大事なことでしょうが、同時にこうした機会には「思いやり」ということも必要に思います。思いやりには他者を理解しようとする心が大切となります。
 
宗教文化の理解はなかなか難しいところがあります。しかし異なる発想法の人たちと実際に面と向かいあう機会がこれから増えていくのは確実ですから、その難しさを乗り越える努力を少しずつしていく必要があります。そうした際には、今回か皆さんが述べてくださったような具体的な意見を、議論のたたき台にするのがいいかと思っています。
 
貴重なご意見を数多くいただいたことを深く感謝いたします。
なお、前回のコメントで＜winterfresh＞さんのご意見に関し、＜winterfresh＞さんがイスラム教について短絡的な判断をしているかのような表現になっていたことをお詫びします。日本人が陥りがちなことへの一般的な戒めについて述べるつもりでしたが、やはりご意見そのものへの批判のように受け取られてしまう文章になっていたと反省しています。＜winterfresh＞さんが不快な思いをされたということで、申し訳なく思っております。
 
一週間ありがとうございました。


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★井上議長の過去の円卓会議より
・式年遷宮の年、伊勢神宮に参拝したいですか？
・寺や神社、あなたの生活にとって必要なものですか？

• 2013.10.11
• 井上順孝 國學院大學名誉教授