イー・ウーマン（ewoman）

こんにちは。国連広報センターの根本かおるです。今年初めての「働く人の円卓会議」は、昨年同様、明日3月8日の「国際女性の日」にちなんだものになります。

この記念日、1908年3月8日にアメリカのニューヨークで女性労働者が女性参政権を求めてデモをしたのを発端として、社会主義運動から女性の政治的自由と平等のために闘う記念日とするよう提唱され始め、1975年に国連総会決議によって制定されました。女性たちが、平和と安全、開発における役割の拡大、組織やコミュニティーにおける地位向上などによって、どこまでその可能性を広げてきたかを確認すると同時に、今後のさらなる前進に向けて話し合う機会として設けた記念日です。

今年の国際女性の日のテーマは“Equality for women is progress for all”（女性の平等は、あらゆる人々の進歩につながる）です。ニューヨークの国連本部では、潘基文（パン・ギムン）国連事務総長やヒラリー・クリントン前米国務長官らが出席して、記念式典が今日予定されています。

日本でも、国連広報センター主催で今日夕方6時半から、東京・渋谷区の東京ウィメンズプラザで、記念イベントが開かれます。
国連の旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所（ICTY）制作のドキュメンタリーを鑑賞した上で、元ICTY判事、女性の権利向上を日本外交で推進する政策担当者、日本国内の女性問題を幅広く取材してきたジャーナリスト、そして難民女性の権利の保護に関する政策取りまとめにあたってきた国連担当者という幅広い分野からのパネリストをお迎えし、広い意味での女性に対する暴力をなくすために何ができるかを考えます。なかなか聞くことのできないトークセッションです。お席に余裕がありますので、当日参加も歓迎です！

国連では2011年には、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを担当する新たな国連機関としてUN Women（本部・ニューヨーク）が発足。その間、ジェンダーの格差は世界的に縮まり、女性が組織や企業の幹部を務める割合も徐々に拡大しています。しかしながら、人々の意識がなかなか変わらないのも現実です。 

女性は何を「すべき」なのか。女性は何を「すべきでない」のか。 UN Womenの広告シリーズは、グーグルの検索結果のオートコンプリートを使うことで、女性に対する差別の根深さを明らかにしています。（これは、googleで「woman should」または「woman should not」と検索した時に、どんな言葉が過去の世界中の入力履歴をもとに自動的に予測されて表示されるかを示しています。）
 


「女性は〜できない。」
女性は：クルマの運転ができない、司祭にはなれない、信用できない、教会で話すことはできない
「女性は〜すべきでない。」
女性は：権利を持つべきでない、投票すべきでない、働くべきでない、闘うべきでない
「女性は〜すべきである。」
女性は：家にいるべきである、奴隷であるべきである、女性は台所にいるべきである、教会で話すべきでない
「女性は〜する必要がある。」
女性は：いるべき場所にいる必要がある、いるべき場所を知る必要がある、管理される必要がある、厳しくしつけられる必要がある。
 
同様の趣旨のUN Women制作の動画もあります。
このような根深い差別意識があるからこそ、国際女性の日という記念日がまだまだ必要とされているのでしょう。安倍総理が「ウーマノミクス」を提唱して女性の活躍を応援しているためか、今年は昨年に比べると国際女性の日関連行事が増えているように感じますが、意識には変化はあるでしょうか？
 
そこで、昨年皆さんにお尋ねした「国際女性の日、知っていましたか？」を、今年も皆さんに問い掛けて、昨年と今年との意識の変化を見てみたいと思います。まずは皆さんの投票をお待ちしています！　3月14日までどうぞよろしくお願いいたします。


★根本議長の過去の円卓会議より
・国際女性デー、知っていましたか？
・国連で働いてみたいと、思ったことありますか？
・「難民」について、意識したことありますか？

• 2014.03.07
• 根本かおる 国連広報センター所長