イー・ウーマン（ewoman）

意識の差（Nyaon.・兵庫県・41）

阪神大震災の被災者です。厳しい意見ですが、サリン事件ですぐに関東の人に震災を忘れ去られた経験から、4年も意識してもらえているという感覚です。私には3/11は普段通り日です。今年1/16に東京出張した際に、阪神大震災という言葉はどこにもなく、被災者には20年という時の経過は、積み重なっていく重みの時間だけども、世間には過去の出来事、風化していくものなんだ。被災地とそうではない所の意識の差なのだと。風化していくことは悪いことではないと受け入れました。

人生いろいろですが（costas・東京都・48）

いまも被災を引きずる方は当然風化した筈もなく、被災はしたが早く忘れて前を向きたい方、手を差し伸べ続ける方、残り99％の「とっくに他人事」の日本人。さまざまだと思いますが、残り99％の自戒も込めYesに。4年経ち未だに仮設暮らしの方、殺処分命令に背き経済価値ゼロの被曝牛を飼い続ける福島の牧場主。一方で、ウィリアム王子の福島訪問時、浴衣に裃という時代劇のコントのような姿で和食の膳を囲むこの国のトップのニュース映像が、残り99％を象徴するように感じました。　

今も続いている（ぴょこん・神奈川県・43）

私は当時、勤務先の病院で地震を経験しました。何時間も一人、徒歩で帰宅しました。現在は教員をしていますが、同じ部屋の先生は今も被災地支援をしています。精神医療に関する取り組みがもともと遅れている地域は、震災後のアルコール問題やPTSDが深刻なようです。そして、メディアで取り上げられているような「復興」がまだまだ遠い地域もあるということを教えてもらっています。

風化してない…のか...（kko・海外・その他・49）

米国在住です。世界で災害が起こると、日本の震災のことを話題に出したり出されたりしているので、風化しているようには感じません。日本の災害の話題はやはり地震のことが多く、私の方から積極的に話しているということもあります。ただ、震災のあとは、オンラインで被災地のものを買うようにしていたのですが、去年は買いませんでした。忘れていたとしか言えません。これが風化なのでしょうか。

教訓を消化することが重要（HARUMA・福岡県・52）

メディアは「被災地のいま」という取り上げ方をするが、ふだんの生活においてはまだまだ風化してはいないのではないかと考える。被災地の復興がどうなっているかなどに対しての意識は若干低くなっているとは思うが、震災がもたらした事、たとえば原発や津波に対しては今もまだ多くの人が関心を持っていると思う。原発の再稼働や津波に対する防波堤の強化など通常の生活に直結することに関し、東日本大震災から学んだ事を行政や自分自身がきちんと消化しているかどうかが重要ではないかと考える。

思いはあるものの。（こまこま・岩手県・39）

風化していてほしくない、という思いですが、外部から見ればどうなのか知りたいところです。私自身、岩手県に住んでいますが、プライベートで被災された沿岸地域に足を運ぶ機会は減ったままです。もっと、足を運び、地域の経済が潤うように、とも思うのですが、興味本位で見物に行くような罪悪感を若干もってしまうところがあります。

風化しているとは思いたくないが（nhatsue・千葉県・50）

あの日私は千葉にいましたが、液状化現象等で尋常でない風景は今でも忘れることができません。その後、首都圏や南海トラフ地震の恐れあり、の報道が続く一方でどうしても納得できないことがあります。2020年の東京オリンピック招致です。世界中で近いうちにもっとも地震の恐れがありそうな東京でなぜオリンピックをするのでしょうか。日本でいまやるべきことは東日本大震災からの完全な復興、原発問題のことなど別のことだと思うのです。

日本、世界、地球の未来のため（lucas・海外・その他・47）

私の住むフランスでは、今年も震災関係の催しがあちらこちらで開催されています。私も自分の出来る範囲でなんらかの具体的行動をしています。風化させてはいけません。日本だけでなく、世界の、地球の未来のために。

風化って何でしょうか（hbeijing・千葉県・50）

マスコミで取り上げられる頻度が減ることが尺度なのでしょうか。当事者でない人々の関心が薄れていくのは仕方ないこと。ここでいう当事者が被災された方々とその方々の生活再建に強い影響力を持つ国や地域の行政や政治とすれば、後者の意識の劣化こそ問題だと思う。復興の大義は何か、教訓を他地域でいかに活かすか、原発をどうするのか等々。これらが日常業務の一つとして扱われているような状況を憂います。それを風化という言葉で一般化すると本質が見えなくなるのでは。

3.11は母の誕生日（almyy・海外・その他・62）

あの時私は大地震があったのを全く知らず、日本時間の午後3時少し前に米国西海岸から東京の母へ「お誕生日おめでとう」の電話をしました。母がすぐ出て「今のすごい地震だったよね、そっちも揺れたでしょ。まだゆ～らゆ～ら揺れてる。」私はその時「まさかアメリカまで一緒に揺れるわけないでしょ」と言いながら、母がいよいよボケたかと一瞬思いました…。あれから4年、日本は原発再稼動やオリンピックやらで政治が震災の記憶を風化させようとしているようで、心底から怒りを感じます。

ことしの1月17日は阪神淡路大震災から20年目でしたが、記者として阪神淡路を取材したこともある私も20年目であることは忘れていました。阪神淡路の被災者というNyaonさんが20年目の前日に東京出張した際に、阪神淡路の言葉がどこにもなかったというのは、まさに阪神淡路の風化を物語るものでしょう。
 
実は、東日本大震災から1年足らずの時期に、仙台から上京した折に、昔の記者仲間との懇談会に参加したのですが、そのときに震災が全く話題にならなかったのに驚くと同時に、その人たちとは縁を切りました。本当に人生いろいろですね。
 
被災地では、この週末あたりから、個人の家では法要があったり、地域では追悼行事が行われたり、震災の記憶が呼び起こされる時期になりました。昨日（3月8日）は、宮城県名取市の旧閖上小学校で、灯籠とキャンドルに灯をともす追悼行事があり、4000個の灯りをながめてきました。閖上は家から近いのですが、知り合いがいるわけではなく、こまこまさんが語っているような「罪悪感」もあって、躊躇していたのですが、4年目ということで、出かけました。
 
海外在住の方々からのコメントが多かったのですが、世界の人から見れば、日本といえば、まだまだ原発事故も含めた大震災が思い浮かぶと思います。被災地を訪ねたことのない人には、ぜひ、被災地の今を見ていただきたいと思います。津波被害のひどかったところは、いまだに空き地になっているところが多いのですが、想像力を働かせば、震災前の住宅地や街並みが見えてきます。海外に出かけたときに、「震災は大丈夫だったのか」と尋ねられて、「被災地を見たこともない」というのも、大震災と同時代の日本人として、切ないような気がします。
 
ところで、今回の震災は、いろいろな教訓を残したと思いますが、みなさんは、どんな教訓を得ましたか。「のど元過ぎればで、大震災といえども風化する」というのもありそうですが、ちょっとさみしいので、ほかの教訓をさがしてみてください。



★高成田議長の過去の円卓会議より
・東北の復興支援、続けていますか？
・最近の世界経済、気にしていますか？
・原発の汚染水問題、理解していますか？

• 2015.03.09
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員