働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3334 開催期間 2015年03月13日- 03月20日
約2/3の方がYesという結果です。Noの方も、周囲には影響を受けた人がおり、画像のインパクトは非常に大きいと考えてよいでしょう。 具体的な様子としては、「映像が頭から離れない」「夢に出てくる」「恐怖と不安で眠れない」など、多くの方に当てはまるようなことから、「仕事の集中力低下、周囲の何もかも悲観的に見えたり、伝えられる速報について行けず、生活に支障が出た」とかなり強い反応、「フラッシュバック」「トラウマ」などの専門的な用語での説明もありました。さらに「数日続いた」「1年くらいは」「30年近くたっても」など、その期間もさまざまです。 実際に体験したことではなく、画像を見ただけでトラウマとなりうるのか?という議論は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の後、盛んに行われてきました。そしてアメリカ精神医学会は、画像を見ただけではPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断しない、すなわち画像の視聴のみでは心的外傷の出来事基準とはならない、という見解を示しています。確かに実体験した人と、画像を見て精神的な不調を来たした人を、一律の基準で判断し治療するのは無理があるということは理解できます。 診断学的な話になりますが、少なくとも3日以上続き1ヶ月以内に改善していくものを急性ストレス障害、1か月(通常は3~6ヶ月)以上持続するものをPTSDとすること、またトラウマとはPTSDの誘因となる心的外傷体験ともとらえることができますし、フラッシュバック(時間がたっていても、突然かつ鮮明にその体験を想起すること)はその最も典型的な症状の1つ、ということになります。 一方で、私の経験ですが、東日本大震災の後、津波の映像を見て精神的な不調を来たした子ども(すなわち津波そのものは体験していない)を何人も診察しています。中には、緊急地震速報の警報音を聞いただけで津波の映像が浮かび、震えが止まらなくなりしばらく体調不良を来たす子どももいました。 重要なことは、同じ映像を見聞きしても、人によりその影響がまったく異なるということです。学校で多くの子どもたちに同時に遺体の映像を見せた教師の行為は、「一部(あるいは少なからず)の子どもにどのような影響が出るのか」という想像力に欠けていたと批判されても仕方がないと思います。 そこで次回は、どのような人(子どもだけでなく大人も含めて)に、どのような状況において、特に視聴に注意(場合によっては見せないこと)が必要なのかを検討してみます。 あなたは、残酷な映像で、精神が不安定になったことはありますか?YESの方も、NOの方も、ふだんの視聴において注意していること、それは自分自身が対象なのか、お子さんなどのご家族か、そしてそう思ったきっかけになる体験談などをお寄せください。★古荘議長の過去の円卓会議より・自信をなくしている子どもを元気づける方法、ありますか?・少子化が及ぼす子どもへの影響、考えたことありますか?・テレビ番組「明日、ママがいない」。子どもに見せますか?
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