イー・ウーマン（ewoman）

紛争をなくすことに直結（Michael・新潟県・47）

正直、今後15年で達成可能とは思いませんが希望を含めYESです。先日、たまたまミレニアム宣言とSDGsを紹介する催しに行き、初めてこの取組みを知る機会を得ました。特に紛争地域などで子どもたちが玩具の感覚で銃を手にする現実から学校に通い、給食を食べ、予防接種を受ける……環境を整えること「貧困をなくす＝紛争をなくす」と実感しました。出来ることは寄付くらいですが、まずは関心を持ち、日本が恵まれていることも含め、知ることが入口と思います。

無くせると信じている（レッズ・埼玉県・34）

ミレニアム開発目標に携わったジェフリー・サックスさんのインタビュー番組を観たことがあります。貧困を無くす、という強い決意にその時私は心を打たれました。今でもはっきり覚えています。2009年のことです。ミレニアム開発目標がある程度達成出来た以上、2030アジェンダも達成出来ると信じています。一人一人が信じて、力を合わせれば、物事は良い方向に進むはずです。

我慢することができれば…（こいし・広島県・37）

否定的な意見から始めましたが、諦めてはいません。 貧困をなくすには、戦争をやめることが不可欠と考えますが、世界がその方向に動いてないような気がするのです。また、抽象的な言い方ですが、問題も利益も世界でシェアする必要があると考えています。現在多くを得ている立場であれば少し我慢しなくてはいけないことがでてきます。日本にその覚悟があるのか……そしてその日本にも貧困は存在します。なくす方向に動き出したい気持ちではいますが、2030年には到底間に合わないと思います。

まずは（しろえちゃん・宮城県・44）

何を持って貧困とするのか。1日に使える金額だけ見ていってよいのか、お金を出せば豊かになるのか、線引きが難しいと思う。そもそも、貧困と豊かさの天秤がどこになるのか？　自殺や鬱の増加、無差別殺人、いじめ……心の豊かさは日本人には乏しいかと。貧困について自分も含め考えていかなければならないと思いました。

Yesと言いたい！（laila・東京都・45）

日本も、世界も、貧困が引き起こす社会問題で溢れています。難民問題も、格差社会も、根源を辿れば貧困であり、貧困が無くなることで解決可能なことは沢山あると私は考えています。ただし、貧困が撲滅したことを検証するには少なくとも1世代分はかかるように私は思えたので、「2030年まで」という接頭語が付いたとき、あと15年は短すぎる感がします。

YESと答えたいが（SallyChan・東京都・45）

失業率だ、経済失速だ、といっても日本は世界から見れば大変豊かな国と言えます（国の借金は置いておいて）。自然も豊か、経済も世界の上位、なのに貧困で生活保護を受けたり、それすら受けずに餓死したりする人もいますし、世界をみればカーストが根付いている国はもはや貧困は必要悪という状態といえます。豊かさを成り立たせるための貧困はだんじて許してはいけないと思いますが、いつまでになくせるという問いかけには明確にYESとは答えられません。

世界の前に（yummin・長野県・43）

「世界の貧困」のタイトルを見て思ったのは「地域で経済的に困っている人の支援もないのに？世界ですか？」でした。なんとか生活していたけれど、病気になり十分な医療や介護支援をうけることができず、死を待っている人がいます。生活保護の対象にはならず、対象になるためには、自立した生活を諦めて（自家用車を売却するなど）認定される、と。それはしたくないので「お金がないから、死ぬしかないね」と話す言葉が辛い。

あと15年しか無い（こはく・東京都・42）

シリアの内戦・難民問題は収束する気配がなく、それだけでも貧困ゼロには向かっていません。それに貧困の定義にも寄ると思います。「日本は、仕事をすることが貧困率を下げることにならない唯一の国」とケネディ駐日米国大使も指摘していますが、そんな日本も含めるとしたら、世界の貧困が無くなるとは思えません。

自分に何ができるのか、苦悶（zun・愛知県・53）

あと15年。貧困がなくなっていて欲しいと願っていますが、現実は暗い未来しか見えません。足下のこの国ですら日々貧困格差が広がってきています。世界中のいたるところで平和から遠ざかっていく現況で、ますます貧困にあえぐ人々、国、地域が拡大していくのではないでしょうか。私自身何ができるのか、常に心にひっかかっています。

現実と理想（TomoTomo・東京都・55）

貧困が生まれる環境をなくすことが不可能という現実があります。日本ですら、職場がなく食にも困り、路上生活をよぎなくされている方がいます。貧困、飢餓は自然災害よりも人的災害で起こっているほうが多いのではないでしょうか？制度の問題や戦争そのもので貧困に落とされる方もいます。核だけでなく武器製造の禁止をしない限り、平和は保たれない。武器、弾薬等で儲ける企業団体、政治家がいる限り、貧困がなくなることはないと思います。

NOが圧倒的多数という投票結果ですが、投稿を見ますとNOの多くは「理想はYESだが現実的な解決方法が見つからない」という方向での意見ですね。「世界の貧困の前に地域や国内の貧困」という投稿もあります。YESのMichaelさんは、「紛争をなくすことが貧困をなくすことに直結する」と希望を込めて力強く述べてくれました。
 
実は、国内の格差や貧困の問題も、平和という課題も、「持続可能な開発目標」が立ち向かおうとしている課題なんですよ。
 
現実には達成が難しいと見えることでも、具体的に目標と期限を設けて実践を積み重ねるバックキャスティングをして努力を集中投下すれば、信じられないほどの起爆力につながることがあります。「そんなの無理」と思考停止しないことが大切ではないでしょうか。
 
持続可能な開発目標には17もゴールがあり、「テンコ盛り」状態です。詳しくは先日発行されたばかりの広報誌『Dateline UN』  をご覧いただきたいのですが、ざっとこんな感じです。
ゴール1：貧困をなくす
ゴール２: 飢餓をなくす
ゴール３: 健康と福祉
ゴール４：質の高い教育
ゴール５: ジェンダー平等
ゴール６：きれいな水と衛生
ゴール７: 誰もが使えるクリーンエネルギー
ゴール８：ディーセント・ワークと経済成長
ゴール９: 産業、技術革新、社会基盤
ゴール１０：格差の是正
ゴール１１: 持続可能なまちづくり
ゴール１２：持続可能な消費と生産
ゴール１３：気候変動へのアクション
ゴール１４: 海洋資源
ゴール１５：陸上の資源
ゴール１６: 平和、正義、有効な制度  (Michaelさんが指摘してくださったポイントですね！)
ゴール１７：目標達成に向けたパートナーシップ
 
リストが長くなったのには、貧困と格差、気候変動などの根本原因に立ち向かうためには包括的な戦略が必要だということに加え、持続可能な開発目標を取りまとめたプロセスが影響しています。そのキーワードは「マルチステークホルダー」です。
 
様々なセクターの参加者が主体性を持ってSDGsをまとめるプロセスに関わってきました。トップダウンで決定されたミレニアム開発目標（MDGs）はその密室性が批判され、その反省もあり、SDGsは2年以上かけて加盟国、市民社会、研究者、ビジネス界、そして個人一人ひとりというマルチステークホルダーを巻き込んで議論が重ねられてきました。SDGsがテンコ盛りになってしまったのは、このようなプロセスの影響でもあるでしょう。でも、この多くのアクターが参加するインクルーシブな策定プロセスのおかげで、SDGsを上から押し付けられた目標ではなく、当事者意識を持って感じてもらえるでしょう。
 
SDGsのもう一つのキーワードとして普遍性（universality）があります。つまり先進国の支援を受けて途上国だけが達成の義務を負うのではなく、途上国も先進国もともに遍く達成の責任を負うのです。子どもの貧困率が6人に1人という日本で、貧困の撲滅と格差の是正は自分たちの問題ですし、１７のゴールには、持続可能な消費と生産、ジェンダー平等、気候変動など、日本で暮らす私たちにも直接関係する課題が沢山あります。だからこそ、皆さんにSDGsを「自分事」としてとらえていただきたいのです。
 
そこで、お聞きします。上記の17のゴールの中で、皆さんにとって自分に関わることとして最も気になる、あるいは大切にしたい「ゴール」は何でしょうか？　その理由とともに教えてください。



★根本議長の過去の円卓会議より
・国際女性の日、知っていましたか？
・グローバルな課題、関わっていますか？
・「難民」について、意識したことありますか？

• 2015.10.19
• 根本かおる 国連広報センター所長