働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3434 開催期間 2017年04月07日- 04月14日
YES:自衛隊の南スーダンからの撤退を支持すると答える方々が圧倒的に多くなるだろうと予想はしていましたが、その通りになりました。でもYES/NOに至るまでのジレンマ、一筋縄で行かない理由は、双方に共通しておりますね。「安定」の認識について2、3コメントをいただきました。僕が知るPKOを含む国連関係者、そして海外メディアの認識は、南スーダン全体ではなく、一番安全なはずの(だから国連は本部を置くのですが)首都ジュバにおいても状況は「安定」からは程遠い。 ここで注意しなければならないのは、例えば、皆様が何かの縁で今ジュバを訪れたとしても、南スーダンの人々は「ふつう」に生活し、市場なんかもそれなりの賑わいもあり「安定」しているという印象を持つかもしれません。昨年、稲田防衛大臣が現地訪問された時も、そんな印象を語っておられました。 でも、それは「軍事的に強制された安定」なのです。私たち日本の日常生活の中には、おまわりさん、つまり警察力が、ごく自然に存在しておりますね。でも、もし、おまわりさんの代わりに武装した自衛隊がふつうに路上にいたら? これが稲田防衛大臣が感じたジュバの「安定」なのです。 こういう状況は、一発の銃声で「戦場」、つまり軍事組織どうしの「戦闘」(「衝突」でもいいです)が起こる場所に豹変いたします。これが、今この瞬間に自衛隊がいる状況なのです。自衛隊の南スーダンの任務は今年5月終了しますが、そのあとの日本の国連の平和維持活動(PKO)への貢献はどうあるべきなのでしょうか?PKOは、日本を含む全ての国連加盟国の責任です(義務という言い方もできますが、果さなくても罰則はありません)。 一般論として、現代のPKOは、昔のような中立な立場でその政府と反政府ゲリラの「停戦」を見守るというよりも、事態が悪化した時一番の犠牲者になるその国の国民を守る(住民の保護)を筆頭任務にする傾向があります。南スーダンのすぐ下にあるルワンダという国で1994年に起こった大虐殺を、PKOがいたのに止められず撤退してしまった(結果、100日間で100万人が犠牲になりました)教訓の上に今のPKOがあるのです。 2013年に当時の民主党政権が自衛隊を送る決定をした時の南スーダンは、今よりずっと「安定」しており、だからこそ派遣されたのですが、大統領派と副大統領派の衝突が激しくなり出すと「住民の保護」に筆頭任務が切り替わり、住民がPKOに保護を求めてきた時に、住民に降りかかる脅威を武力で排除する権限が与えられました。 つまり、最初は「安定」していても、住民が犠牲になりだしたら、もはやPKOは撤退しないのです。 ですから、将来、また「戦闘」の心配がないPKOに自衛隊が派遣されることになるのでしょうが、「住民の保護」の現実を真正面に想定する必要があります。 さて、皆さん、もし、南スーダンのあと、自衛隊が他のPKOに参加するとしたら? そして、自衛隊自らに降りかかるものではなく、その国の住民に脅威が降りかかる場面に遭遇したら(”駆けつけ警護”ではなく、脅威に追われた住民が”駆けつけてくる”場面です)? その「脅威」とは、つまり住民と同じその国の国民であり、銃を手放せば住民と見分けはつかない場合も多々あります。その脅威を排除するために(殺傷することです)、自衛隊が武器を使用することを許しますか?★伊勢崎議長の過去の円卓会議より・集団的自衛権の行使、必要ですか?・日本国憲法第9条の「改正」に賛成ですか?★伊勢崎議長と佐々木かをりの「ウィンウィン対談」も、ぜひお読みください!・紛争解決のために、日本ができること〜平和外交は、まず相手を理解する事から始まります
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.