イー・ウーマン（ewoman）

レズビアンの家族（JKstyle・17）

私はカナダのビクトリアで2ヶ月間、レズビアンカップルの家庭にホームステイして、2人のママ、それから3人の子どもたちと家族になった。そこでは何もかもが初体験だった。人生で初めてカミングアウトを受けたし、初めてLGBTカップルの子どもと一緒に通学した。何より、私は全州で同性婚が認められているカナダのLGBTに対する柔軟な対応と、国民の多様を受け入れる心に感銘を受けた。法律や制度の制定こそ大事だが、私たち自身が彼らの個性を尊重していかなければ理解は進まないと思う。

否定者を否定できない（まうやん・東京都・46）

支援する、なんて大それたことではありませんが、たまたまネット上で知った方が夫の元同僚で、LGBT活動をされている漫画家さんでした。ご本人はオープンな[G]の方ですが、パートナーは会社にはクローズという立場だそうです。そんな彼ら夫婦を応援すべく、本を購入したりイベントに参加したりしています。このお二人を観ていると本当に仲睦まじいのですが、否定する人の気持ちがわからずにいる自分もいます。

身近に接してみると（Penguin・海外・その他・39）

少し前までLGBT率が高い業種で働き、仕事で何人もLGBTの方がいたので、「LGBTだから」という考え方は消えました。先入観を引きずっていないか、自分が差別的になっていないかをよく考慮するようになりました。また、分からないことは調べるか聞ことを心がけ、ゲイの男性が結婚した場合、呼び方はどちらもHusbandなのか、性別のないSpouseかと、ゲイのお友達に聞きました。Spouseは無味乾燥、Husbandと言ってもらえたらうれしいとのこと。率直に聞くことで疑問は解決しました。

LGBTに限らず（irukakun55・福岡県・36）

多様な人物の集まりで社会が成り立っていることを小学生から教育する。LGBTそのものを教えることも必要だが、必ず「それに括れない人も存在する」ことをセットで伝える必要があると思う。私は、いじめを含む全ての人権問題は多様性や個々の存在価値を認めていないことによるものと考え、自分の子どもたちにもよく話している。そしてなにより、皆がほぼ同じ価値観、レールを歩いてきた今の年配の方々にも多様性の教育が必要！他の権利と同じように定着には長い年月がかかると思う。

子どもたちの選択（いーちゃん・青森県・56）

詳細は言えないのですが、欧米人社会の小学2年生の児童が男児から女児になることを選択した例を知っています。思春期前から既に自分の性について気づき選択できるのは、やはり個人それぞれが違って当たり前という社会だからなのでしょう。周りの児童も普通に接しているようです。早い時からの教育が日本でも必要なのかもしれないと思います。

みんなで意識する（おがわ・東京都・55）

まずは、自分がLGBT、SOGI（後者の表現は本円卓会議で初めて知りました）について理解を深め、正しい知識を持ちたいと思います。そして、周りの人との会話の中や日々の生活の中で課題に気づき、周りの人も巻き込んでどうすればよいのか考えることからはじめたいと思います。差別や偏見に対して常に敏感になっているつもりですが、無意識に男性・女性のくくりでしか考えていないことが多々あるような気がしています。

7％の生々しさを思う（ドゥーイグレック・東京都・57）

電通の調査結果を見た時、最初は「ああ7％か、マイノリティだな」と簡単に思いました。でも、すぐ子どものクラスに換算して、43人の7％は3人、学年で20人強いるのだと思ったら、それはマイノリティなんて簡単にいえることではありませんでした。顔や性格、人によったら親御さんも知る生々しいリアリティです。この身近な集団に3人も悩み苦しんでいるかもしれない子どもがいると思ったら、家庭の中で普段の話の一つとしていつも考えていくようにしています。

機関の連携（真打ち・栃木県・48）

支援は、輪になって手を繋ぐイメージが反映された 包括的な構図が理想と考える。団体同士の連携が密で、途切れのない体制に整備したい。来月公開の映画『ナチュラルウーマン』の主演女優はトランスジェンダーであり、都立高校で行なわれた特別授業で「違いがあるのは豊かで素敵なこと」だと述べていた。学校でLGBTを学ぶ事は、生徒が社会に出た時 ダイバーシティを肌感覚で捉える上でも重要だと思う。私は、迅速で丁寧な周知活動を展開する予定だ。

正しい知識プラスαで（こなもん・兵庫県・37）

これまであまりLGBTの課題というものについて考えたことがなかったのですが、子ども達（息子2人）には「男だから○○」「女だから○○」という意識は持たせないように気を付けています。LGBTだけではないですが、マイノリティの課題って、マジョリティの「普通はこう」という意識が強すぎて、そうじゃない人を理解しようとしないことから起きている気がするからです。正しい知識と違いを単純に違いとして受け容れる幅を子どもには持ってほしいです。

誰もが納得することは難しい（さっちんさっちん・東京都・49）

私の会社でもLGBTに関して、一昨年初めて社内研修が行われました。発端は入社するメンバーの中にLGBTの方がいて、女性トイレを使いたいという要望があり、まずは理解からということでした。参加メンバーからは、頭では理解しても、見た目が男性なのに女性トイレを使うということには抵抗があるという意見が出ていました。マイノリティを理解することは大切だが、それを全面的に受けいられるかという別の課題が起きるのだなと実感しました。

意識がまだ低い（DiamondBar・東京都・49）

働き方改革やダイバーシティへの関心は高まり、様々な対応が始まっているが、ダイバーシティは男女格差や国際化の問題ととらえ、LGBTなどを含んだものとして対応していないところが多いと思う。先端を行く大手企業はともかく、私の周りではLGBTの対応について話題にすらなったことがない。会社も自社の問題としてとらえていないところが多いのではないか。何をどうやって対応したらいいのか、多くの人に関心を持ってもらうにはどうしたらいいのかが喫緊の課題だと思う。

LGBTの今後の課題と、解決するために自分にできる多様なアイディアを挙げていただきました。
 
Jkstyleさんは、カナダに住むレズビアンカップルの家庭でのホームステイ経験から、多様な個性を受け入れるインクルーシブなカナダの国民性を目の当たりにし、日本でも一人一人がLGBTをはじめとする多様な個性を尊重しようとすることの重要性を指摘されています。
 
多様な個性を尊重するためには、どのようなアクションを起こしていけると良いのでしょうか。
まずは、「自分がLGBT、SOGIについて理解を深め正しい知識を持つこと」（小川さん）が必要で、そのためには「欧米のように、児童に早い時期から教育が必要」（いーちゃんさん）、「子どもにも年配の方々にも、教育が必要」（irukakun55さん）と、教育環境を整えることの重要性が挙げられました。
 
真打ちさんは「学校でLGBTを学ぶ事は、生徒が社会に出た時 ダイバーシティを肌感覚で捉える上でも重要」と指摘しています。
LGBTにはダイバーシティに関する全ての要素が詰まっているといわれています。ジェンダー、性同一性「障害」、文化の違い、人権、差別、エンターテインメント……など。私も、LGBTというテーマが、多くの人のダイバーシティへの意識を高めるための入りやすい入り口となって、みんなが楽しく生きられるダイバーシティ社会に変わっていくキッカケになるのではないかという可能性に期待を感じます。
 
DiamondBarさんは「ダイバーシティというと男女格差や国際問題ばかりが挙げられ、LGBTについて意識が向かない」という周囲の現状を指摘しつつ、「何をどうやって対応したらいいのか、多くの人に関心を持ってもらうにはどうしたらいいのか」と、考えを巡らせることから始められています。
 
もっと身近なところでは、自分から話題に出してみて、みんなで意識を高めたり考えたりするというアクションで、「周りの人との会話の中や日々の生活の中で課題に気づき、周りの人も巻き込んでどうすればよいのか考えることからはじめる」（おがわさん）、「家庭の中で普段の話の一つとしていつも考えていくようにする」（ドゥーイグレックさん）のように、周囲や家庭など身近なところで話題に挙げてみることから変わることもあるでしょう。
 
その話題としては例えば、「『男だから』『女だから』などマジョリティの『普通はこう』という意識」（こなもんさん）に疑問を投げかけ、フラットに違いを受け入れられるように一緒に考えていくということも素敵なアクションだと思いました。
 
また「LGBT活動をされている漫画家さんを応援すべく、本を購入したりイベントに参加したりしている」というまうやんさんのように、アライであることを分かりやすい行動で示すことも価値のあるアクションだと思います。
日本では、応援する気持ちを持っていても、なんとなく言葉や行動で表せずにいる人が多いとも言われています。ただ、アライであることも表明しなければ伝わりません。目に見える形でLGBTフレンドリーな行動をとる人が、その場の空気を変えるということもあるでしょう。
 
真打ちさんが来月公開の映画『ナチュラルウーマン』について触れ、「主演女優はトランスジェンダーで、都立高校で行なわれた特別授業で『違いがあるのは豊かで素敵なことだ』とコメントしていた」（真打ちさん）とご紹介してくださいました。話題になっている映画を観てみるということも、理解を深めるために取り組みやすいアクションだと思います。
 
「先入観を引きずっていないか、自分が差別的になっていないかをよく考慮する」というPenguinさんは、「分からないことは調べるか聞くことを心がける。実際に、率直に聞くことで疑問は解決した」という事例を挙げてくださいました。分からないことは聞く、ということも当たり前のようで忘れがちな、大切な視点だと思います。単なる好奇心ということではなく、きちんと尊重していて、リスペクトの姿勢が伝わるコミュニケーションであれば、理解を深めあうことにつながるのだと思います。
 
さて、最終日に向けて、あらためて問いかけたいと思います。
LGBTの今後の課題に対して、あなた自身はどんなことが出来ますか？　実践していること、小さくても一歩踏み出すアイディア、こうしたいという意思表明など、どんな事でも結構です。
たくさんの投稿をお待ちしています！





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• 2018.01.31
• 阿佐見綾香 株式会社電通　電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)　チーフ・リサーチャー