イー・ウーマン（ewoman）

日本での情報が少ない（DiamondBar・東京都・49）

マレーシアの企業と取引があり、先方を訪問することがあるのでハラールについても意識するようにしています。イスラム教徒としてしていいことととやってはいけない戒律だと理解していますが、一番気にするのは食べ物です。とはいいながら現地では彼ら自身にレストランや食べるものを選んでもらっています。日本に彼らが来るような場合にはお店の情報が足りず、きちんと対応できるかには不安があります。

私の知っている範囲では（ナカサワ・東京都・48）

イスラム教で「許された物」がハラール、特に食事関係で豚、アルコールに接触したものは避ける必要があると理解しています。「○○初ハラール認証取得」などのニュースは昨年までよく見ていましたが。首都圏在住でも実際の商品を店頭で見たことがありません。通信販売や特定のマーケットで販売されているのでしょうか？

大体知っているように思います（Tosuku・東京都・58）

まず食事に関しては、お酒は飲まない、豚肉は食べない、その他の肉もイスラム教の教えに従って屠殺、準備したものしか食べてはいけない、と理解しています。加工食品や化粧品なども豚肉由来の物の使用は厳禁とされていると思います。うちの近所にもハラルのケバブ屋さんができていて、たまに利用しています。

聞いたことはあるけれど……（2kishir0・東京都・29）

近くにハラール認証を受けたレストランがあり、一度行ったことがあります。とてもヘルシーで普通に美味しかったです。正直ハラールについては詳しくありません。イスラム教徒は戒律が厳しく、食べられる食材と食べられない食材があり、ハラールはそれをクリアしている……そんなイメージです。この会議でハラールについて正確な知識を身につけたいと思います。

ふわっとした理解（がっこ・東京都・35）

単に豚やアルコールを含まないだけでなく、お祈りをして調理されているもの、というのが現時点での自分の理解です。中東の方と日本で食事した際、ハラールかと本人が店員さんに確認していました。見た目ではわからないので信頼ベースなのかなと思いました。

考え、だったのですか？！（ayaPa・神奈川県・42）

恥ずかしながら、ハラールは食習慣だと思っていました。具体的には、宗教的に口にしてはいけない食べ物がある、とか、ラマダンという食べ物を口にしてはいけない時期がある、とかを指す言葉と思っていました。今回のタイトルからハラールは「考え」なのだと知り、興味を持ちました。今週の議論で理解を深めます。

「考え方」までは理解していない（まうやん・東京都・46）

ハラール食品やハラールレストランという言葉や現実的なお店、メニューは知っています。現時点では、宗教上食べられないもの、口にできないものがあり、それらを除いたメニューや食品のことが「ハラール」であり、さらに何処かの組織の認定のものであるとそれを表記できる、という程度の知識しかありません。ハラールの考え、由縁などは全く理解していないのでこれを機に勉強したいと思います。

正しく理解していないと思う（本の虫・大阪府・46）

ハラ―ルの内容として自分が聞いたことがるのは一日5回聖地に向かって礼拝をする、アルコールを摂取してはいけない、食物で食べてはだめなものがある、調理方法に決まりがある、断食の1カ月間は昼間に飲食してはいけない、利息は禁止、です。合っているか不明なためNoにしました。

漠然とした印象（おがわ・東京都・55）

「ハラール」については、「食べられる食材、処理方法がイスラム教の教えに基づいて決められており、イスラム教徒にとっては厳守すべきもの」、という印象を持っています。よく耳にするのは、肉にするための動物の屠畜工程が厳しく決められている、ということです。でも、「イスラム教徒の行動に関わる非常に重要な言葉」と議長がおっしゃっていることから、食に関することだけではないということで、一週間勉強したいと思います。

真の国際理解のある社会（マッくん・57）

私はハラールについてもっと理解を深めたいと思います。日本社会は他者や他者の習慣などに対して寛容でないことが多いように思います。宗教に対しては特にそうです。アメリカ映画を見ると、宗教を持っていない人は信頼できないという考えすらあるようです（「コンタクト」という映画を観てそう感じました）。学校現場でも国際理解が授業されている中、真の国際理解のある社会を築くためにも、ハラールについて「知らない」で終わらせず、私自身も勉強して行きたいと思います。

予想以上にNOが多いと感じました。しかし、寄せられたご意見の内容をみると、ある程度知っているがあまり自信がないという方々がNOにしているようですので、こういう結果になったのかもしれません。
 
ハラールという考えの身近な問題としての受け止め方は、（ナカサワ）さんや（Tosuku）さんが示されたようなものになるかと思います。豚の忌避、アルコール類を避けるなどです。しかし（DiamondBar）さんが述べているような、イスラム教徒としてやっていいことと、やってはいけないことについての戒律というのが、だいぶ本質に近づいたものになります。
 
「ハラール」の理解には、実は「ハラーム」の理解が欠かせません。ハラールが「許されていること」、ハラームが「禁じられていること」というふうに説明されたりします。反意語のようにも感じられますが、少し複雑な関係になります。
 
まずはイスラム教徒の行為規範の大原則を押さえましょう。イスラム教では、すべての人間の行為は次の5つに分けられています。
①義務とされる行為（義務）
②義務ではないが、望ましい行為（推奨）
③どちらでもよい行為（許可）
④禁止されないが望ましくない行為（忌避）
⑤禁止される行為（禁止）
 
⑤の「禁止」が「ハラーム」です。具体的には殺人、窃盗、偶像崇拝、飲酒、豚肉、賭博、棄教などです。
 
これに対しハラールはイスラム法（シャリーア）にとって合法的なものを指しますので、イスラム教徒の間でもややブレがあります。一番ゆるやかなのは、⑤の「禁止」以外の行為はハラールだという考えです。少し厳しく、「禁止」だけでなく④の「忌避」もハラールではないとする考えもあります。
複雑と感じられたかもしれません。でもイスラム教徒でない人がそれほど神経質にな
る必要もありません。まずはこうした基本を踏まえて、ハラールをめぐる具体的疑問などを出していただくと、イスラム教徒の行為規範の理解につながるかと思います。
 
「ハラール」という考え、理解していますか？　YES／NOの投票とともに、ハラールに関する具体的な疑問や、実際にあったハラールをめぐるエピソードなどもあれば投稿してください。多くの投稿をお待ちしています。





★井上議長の過去の円卓会議より
・イスラム教徒と話したこと、ありますか？
・イスラム教に悪いイメージを持っていますか？
・外国人観光客増加。多様な宗教の習慣、理解していますか？

• 2018.04.09
• 井上順孝 國學院大學名誉教授