イー・ウーマン（ewoman）

いろいろなアプローチのひとつ（n.dan　・広島県・45）

リアルな友人とお金で雇った友人とでは、楽しみは違うと考えます。ネットが普及し、いろんなアプローチがあると感じる中で、レンタルフレンドもどんな感じか試してみたいと考えました。今回この円卓会議で知ったばかりですし、実際に試すかはわかりません。

友達兼便利屋さんとして利用（きまこ・埼玉県・49）

公務員、母親、妻、娘などなど、日々色々な役割をこなしているので、自分主導で時間を使いこなすことができると、とても快適で幸せを感じます。生活を複雑にしたくないので、精神面ではリアルな友人とのおつきあいで十分。ただし、行列に並ぶ、先行予約をするなど、面倒なことを遠慮なく頼みたいときには、レンタルフレンドと共に楽しむのもありだと思います。

選択肢のひとつとして（りさき・埼玉県・54）

レジャーランド、映画、習いごと等、それぞれ人は価値を感じるものにお金を払うと思います。家族や友人には話せない事を抱えてしまったとき、リアルな現実からは得られない突破口がほしいとき等、「レンタルフレンド」という存在に価値を見出したとき使わせて頂くという、選択肢もあってよいかと思います。実際自分が使うかは分かりませんが、社会的に寛容さがあっても良いかと思います。

一つのエンターテインメント（blueberry53・大阪府・62）

レンタルフレンドは、ビジネスと割り切ればあり得るのかもしれませんが、逆にビジネスである以上、契約に基づく関係でしかないように思います。そう考えると契約の中に「楽しさ」が入っているエンターテインメントを見せられているだけのように思います。私は、友達関係は、本来は、相互関係であると思いますし、それ故に本音で付き合える関係でなければ楽しみもないように思います。仕事として否定はしませんが、便利屋さんの一つの仕事と感じてしまいます。

思い出の共有ができないのでは（abbyi・神奈川県・41）

レンタルフレンドと何かのイベントに参加したとして、その場を楽しむことは共有できると思いますが、時間が経ったあと、｢あのとき楽しかったね｣などと、思い出を共有することはできないと思います。個人的には、思い出の共有ができないのであれば、1人で過ごすのと変わりは無いように思えます。

無形無償に付く値段（真打ち・栃木県・49）

利用にあたっては、料金以上にルール(規約)が気になる。元来、友人や知人との交流は無形・無償であり、悩みの相談に〇時間傾聴したからと言って、料金が発生することはない。後日、この前のお礼と称し、相手の分も負担する・誕生祝いを贈る等、別の機会に感謝の気持ちを表現する事が一般的なのではないか。レンタルフレンド事業で需要と供給のバランスを保つには、友情や愛情の有無がカギで、そこは従来の友人関係との大きな違いでもあると、私は思う。

真の意見を貰えるか否か（まうやん・東京都・48）

なるほど、レンタルフレンドにはリアルフレンドに言えないことを相談したりする際にも利用するのですね。その際、聴いてもらうだけでなくアドバイスも貰えたりするのでしょうか？リアルな場合は親身になって話を聞いてくれるでしょうし、叱咤激励色々あると思うのです。レンタルだと自分の都合の良い答えや意見しかもらえない、もしくは聴いてもらうだけの状態なのではないでしょうか？怒られたくない嫌われたくないから発生するのがレンタルフレンドなのかと推察します。

ちょっと興味はありますが（ぺこりん・神奈川県・53）

友人との関係性が壊れてしまうかもと二の足を踏んだり、後悔することもあります。そんな時にレンタルフレンドなのかもしれないって思いました。ただ「フレンド」という言葉に引っ掛かりを感じます。友人とは対等でありたいという願いがあります。金銭の介在で対等ではないような。私自身が「これをして欲しいので、この金額で条件でお願いします」という割り切りができれば活用できると思います。

専門家より安い？（だいわ・東京都・52）

私は必要だと感じないので利用しないと思います。ただ、愚痴を言いたい時、知らない人の方が言い易い場合もありますし、専門的なアドバイスを求めたい時に役に立つかもしれません。私は何か困った時、知りたい時にできるだけ専門家に聞きたいと思います。正確な情報を確実に効率的に得られると思うからです。しかし、レンタルフレンドならもっと気楽に安価に自分の必要なもの、欲しいものにたどり着くかもしれません。必要な人はいると思います。

　レンタルフレンドを調査していくと、私たちにとって友達とは何かを突きつけられている気がします。
 
　今の学生は、友達の数と聞くと、200人、300人という答えが返ってきます。そうです、実際に会ったことがなくても、SNSでつながっていて、お互いの体験をシェアして、時々相談にも乗ってくれるという意味では友達なのです。実際に、ネット上の出会いから始まってネット上で親しくなり、結婚に至ったという人にインタビューしたこともあります。
 
　映画に詳しい人なら「ユー・ガット・メール」を思い起こすかもしれません。blueberry53さんが言うように「本音で付き合える関係でなければ楽しみもない」と言えますが、映画のように、現実にリアルな同棲相手よりも、メール上でのやりとりの方が本音でつきあえることもあります。今では、レンタルフレンドだからこそ、本音で話せるかもしれないのです。
 
　なぜなら、リアルな友人なら、ぺこりんさんの言葉にもあるように「何か嫌なことをして、この関係を壊したらまずい」という心理が働くからです。そして、SNSが普及している現在、この「友人に嫌われないための気遣い」が過剰なほど広がっている気がします。まうやんさんがいうように「（叱咤激励など）真の意見を貰えるか否か」という基準だと、多くの友達という存在がこれから外れてしまうかもしれません。
 
　ネット上の友人、ましてや、レンタルした「一時的でお金でつながった関係」など、友人でないと思うかもしれません。でも、役に立ちそうだからという功利的な動機で友達でいる人もいるでしょう。abbyiさんのいう「思い出」を共有したけれど、何十年も会わずにいる友人もいるわけです。
 
　どんな時でも味方になってくれ、いつでも嫌なことでも頼めばやってくれ、常に自分のことを考えてくれるのが本当の友人なら、さすがにレンタルフレンドにそれを求めることはできませんね。しかし、きまこさんがいうように一時的に何かを頼むということであれば、友達に頼んでも、レンタルフレンドに頼んでも、大差はないかもしれません。
 
　欧米人に聞くと、そんな商売あり得ないと言う人が多いです。お金を払わなくても誘えばよい。嫌になったら友達やめればいいだけだと考えています。ちなみに、欧米人はキャバクラなども理解できないと言います。女性と話したければ誘えばよいだけと言います。お金を払う関係に抵抗があるのです。
 
　しかし、日本は、友達や彼氏、彼女に気を遣う文化です。気を遣わずに頼んだり、楽しめる相手がほしいという人が多いので、レンタルフレンドが商売としてなりたつのでしょう。
 
　あなたも、気を遣うくらいならレンタルフレンドに頼みたいと思うときがあるかもしれないですね。
　では、最後に改めて問います。レンタルフレンド、利用してみたいですか？


★山田議長の過去の円卓会議より
・結婚に恋愛感情は不可欠ですか？
・自治体の婚活支援、賛成ですか？
・日本男性の草食化は、よいことだと思いますか？

• 2019.06.12
• 山田昌弘 中央大学 文学部 教授