イー・ウーマン（ewoman）

チャンスを断らない（おれんじ７８・神奈川県・41）

３児の産休・育休・時短勤務を経て、末子の就学目前に管理職になることを打診されました。つとまるかどうか不安もありましたが、直属上司の強いサポートもあり、ここで断らないことが後に続く人のためにもなると思って昇格し、幸いその後さらに昇進の機会もいただきました。全員が管理職を目指すべきだとは思いませんが、私自身は、チャンスをいただいたときには断らず、サポートの申出もありがたく受けることを旨としています。

自立すること（2kishir0・東京都・30）

この度の御代替りにおいて男性皇族しか列席できない状況に日本の女性の地位の縮図を見た気がしました。少子高齢化が迫る中で「これが日本だから」と思考停止してしまってはダメだと思います。同時に女性も男性の陰にいること頼ることに甘えてしまっているという現状に問題があると思うので、まずは男性に頼らずとも生き抜いていけるように、女性自身が精神的にも金銭的にも自立する努力が必要だと思います。

続けること（白くま0307・福岡県・46）

出来ることは、女性自身が頑張り、認められるまで続けること。ただ、矛盾しますが、私自身女性である事に限界を感じています。仕事で頑張れば、頑張るほど、成果を出せば出すほど、男性以上に打たれます。男性に生まれたかったと思うこともあります。それでも、女性が諦めず頑張ることをやめてはダメかなぁと思っています。

受け流しつつ行動あるのみ（ＩＰウーマン・東京都・50）

専門職に就いて20年以上。専門誌に「仕事も家庭も子育ても、と全て完璧を目指すのは無理。全部適当でもいいから全部やってみて」という内容の投稿をしたところ、大変好評だった。全てを抜かりなくなんて絶対にできない。だったら自分がやりたいと思ったことは、中途半端でも全部やってみる、といういい加減さが女性には必要だと私は思う。差別なんて、そんなこと言う人もいるんだ、くらいの感覚で受け流す。断固闘う、という方法もありだが、適当にあしらうことで相手に諦めさせる、というやり方もありだ。

日本における最大級の課題（黒船・神奈川県・52）

私自身、自分の職場や属する学会などにおいて、この問題に取り組んでいます。21世紀も20年が過ぎようという時代に、日本のジェンダー・ギャップ指数の低さは、大問題です。しかし、それに気がつかない現在の社会構造には、大きなゆがみが出てきています。持続可能で安全・安心で住みよい社会を築いていく為に、ジェンダー・バランスは必須の条件だと思います。後進を励まし育てること、そのお手本となるように心がけ、自分が楽しく活き活きと仕事が出来る環境作りに取り組んで居ます。

まずは自覚すること（Prune・海外・その他・42）

NHK「おかあさんといっしょ」＆「おとうさんといっしょ」、女性専用車両、女子大（男子大は現在なくなりましたか？）の存在や意義を見直すなど、まずは自分たちの「普通」を改めて認識する作業から始めたいです。同時に、宗教や伝統的価値観、こういった世界の統計データなどとの比較から離れたところでの議論も必要でしょう。私たちは何を守ろうとし、何が守れたのか。男女の垣根や差別がなくなると、どんな新たな生きづらさが生まれるかなども大切な観点かもしれません。

疑う、考える、口に出す（Elda・東京都・56）

私は男女それぞれの受けている差別に子どもの頃から強い違和感があり、赤やピンクの服を与えられると「どうして青や緑じゃないの？」と思い、「男の子は泣いてはいけない」と言われているのを見て「泣きたいこともあるのに」と思う子どもでした。何かを押し付けられたとき「これは性差別では？」と疑う、「もし男（女）だったら？」と考える、そのことを口に出す、ということをずっとやってきている、というかやらずにいられない、ということに気づきました。

まずは子どもに（ゆいゆい・埼玉県・53）

私自身は子どものころ、親から女の子だからと言われたことがなかった。なので若いころは女性をあまり意識せず、男性に負けない仕事をしていると思っていたが、それは与えられた女性への仕事を一生懸命やるということでしかなかった。子育てにおいて、娘が小さい頃は特に女の子だから、男の子だからというのは言わないようにしてきたが、思春期になり身体的に違いが出てきた。これからは、男女の違いがあっても、同じステージでそれぞれの力を発揮できることが当然だということを伝えていきたい。

地道な意識改革（おがわ・東京都・57）

政治、行政レベルの制度作りと同時に、それらを実行するにあたっては個人の「活動」もとても大切だと思います。会社や家庭の日々の生活の中で感じている性差についてその場で指摘したり話し合ったりして性差の存在自体に気づくことができれば、なぜ制度作りが必要なのかの理解に近づけるのではないかと思います。

そもそもの性差を知る（地球交響曲・大阪府・42）

子どもでも大人になってもなかなか解消されたという話を聞かないものではありますが、最近は医学などでも客観的な差を出したりも出来る様にもなって来ているので、個人差はあっても基本的な性差を知った上で、その影響が大きくないものには差を設ける必要はないし、もし差があるものでもそういう側面があるというのを理解した上で共生協働出来ると思っています。ちゃんとどういう違いがあるのかを知る努力が大事。

正直、何をすればいいのやら……（いまいくん・埼玉県・56）

インテリア関係の仕事なので職場に女性が多く、直属の部下も女性です。消極的で申し訳ありませんが、どこまでが区別でどこからが差別になるのか日々悩んでおります。例えば女子社員にだけ手土産にスイーツを買ってきたら、それは差別？女子社員がたくさん資料が入った重たい鞄を持っていて、それを持ってあげたら、それも差別？と言うわけで、この場で色々な意見をお聞きしたいと思います。

　たくさんのご投稿をいただき、ありがとうございました。日本の性差別をなくすために、ご自身ができることがある、と考える方が8割近くいるようです。
 
　3人のお子さんを育てながらお仕事をしているおれんじ78さんは、管理職昇進のご経験を書いて下さいました。「ここで断らないことが後に続く人のためにもなる」というご自身の決断に加え、直属上司の強いサポートがあったそうです。重要なのは個人の意思に加え、周囲の支援であることが分かります。
 
　「これが日本だから」と思考停止してはいけない、と考えるのが2kishir0さん。日本は国際比較したジェンダー平等の度合いが低いことが多いのですが、それを当たり前と受け止めず、できることを変えていこう、という気概を感じます。
 
　環境は厳しいけれど、女性自身が出来ることがある、というご意見は他にも多くいただきました。女性だから、男性だから、と性別を理由に何かを押し付けられそうになった時は、それが性差別ではないか、と疑い、口に出すことの重要性を書いて下さった方もいます。
 
　また、データをもとに議論をすることにより、性差が生まれつき固まっているものではないことを伝えることができるのでは、というご提案もありました。
 
　一方で、性差別について個人ができることについて、分からない、戸惑いを感じている、という方もいます。実際、職場に女性が多く、部下も女性という、いまいくんさんからは「どこまでが区別でどこからが差別か日々悩んでいる」というご意見をいただきました。例としては、女性だけにスイーツのお土産を買ってくることや、女性が重い資料を持っている時に、代わってあげることは差別なのかどうか、考えてしまうそうです。
 
　せっかくですから、次回はこのご意見をもとに議論を深めていきたいと思います。
 
　「日本の性差別をなくす。あなたができること、ありますか？」にYES、NOでお答えの上、みなさんが仕事の場で見聞きした中で「これは性差別だ」と感じたこと、もしくは「これは男女の生物的な差に基づく正当な区別だ」と感じたことについて、ご意見をお寄せ下さい。そのように考える理由も併せてお書きいただけると、理解が深まると思います。
 
　次回も多くのご投稿をお待ちしております。


★治部れんげさんも登壇！
2019年7月7日（日）開催
第24回 国際女性ビジネス会議
W20 and Beyond
*English only.

★治部議長の過去の円卓会議より
・幼児教育無償化、賛成ですか？
・日本政府の待機児童対策、上手くいっていますか？
・あなたの仕事、数年前よりフレキシブルになっていますか？

• 2019.06.10
• 治部れんげ 経済誌記者