イー・ウーマン（ewoman）

「大丈夫にする」という覚悟で（Serenity・海外・その他・48）

米国在住です。この議事堂の暴動は、カルト性をもつトランプの熱烈支持者は別として、一部のトランプ支持者に目を覚まさせる事件になりました。分断された国家、政府や事実に基づく情報に対する信頼感を回復させることは容易ではないですが、「底に落ちたアメリカ」を受け入れ「分断を癒す」必要があるという誰もが同意できる点を土台にし、連帯感を高め、「大丈夫か？」ではなくて「大丈夫にする」という覚悟で進んでいきたいと思います。

もし再選されていたら（Penguin・海外・その他・42）

アメリカを内側から見ていますと、選挙結果を含む「信じたくないものを虚偽と主張する勢」が目立ち、大丈夫なのかと思う瞬間は多々あります。ただ、蓋を開けてみればジョージア州の上院の決選投票も二議席とも民主党が勝ち、2016年の選挙後を思い起こせば、どん底から這い上がった感が伝わってきます。しかし、先週右派の暴徒が議会突入した事件は大きな衝撃となっていますし、新政権の発足にあたり、コロナ禍の状況も含め前途多難、先行き不透明感は十分に肌で感じています。

本来の民主的な国へ回帰を（chako21・京都府・42）

トランプ氏のような大統領は、アメリカ全史を顧みても極めて例外的な現象に思える。今日ポピュリズムが世界全体に浸透しつつあることは懸念材料といえるかもしれないが、個人的にはアメリカだけがとりわけ危険な状態にあるとは思わない。大国で世界への影響力が大きいという点でいえば、これまでロシアも度々世界の脅威となってきたように感じる。アメリカは本来ダイバーシティに寛容で民主的な理念を打ち出してきた国だ。再び民主的な精神が蘇り、健全な社会が取り戻されると信じたい。

トランプ支持しています（wrenn・千葉県・43）

トランプの自伝を2冊ほど読み、良心的で頭脳明晰だと思いました。本人がどこまで書いているか分かりませんが、面白かったです。今回の選挙でトランプ政権を応援している人たちの多くは、大手メディアの洗脳から自由な人たちだと感じます。トランプが危険だと思っている人の多くはコロナウィルスにも警戒していると思います。乱暴に聞こえるかもしれませんが、同じ仕組みだと私は思っています。大手メディアが取り上げないファクトはすぐに消されているので、情報収集は英語で早めが基本です。

日本こそ大丈夫？（Kylin・61）

すべての事柄を同じ土俵で評論は出来ないにせよ、米国民が社会情勢や政治に関心を持っている証だと思ってます。但し、その表現の仕方が極端で、“言論で決着が付かないと手が出る”のには疑問が残ります。振り返ってみれば、日本の青年・壮年層はあれほど政治を深く考えているでしょうか？“割り切り”“諦め”の雰囲気で、行動を起こしてないのでは？と思っています。

積もり積もった問題が噴出（tulip・海外・その他・48）

新大統領のお膝元の州で仕事をしています。アメリカは、人種（出生）、収入、学歴によって格差がある社会であり、各人によって生きている現実が違います。その現実から抜け出す事は至難の技です。そのような社会では、長年に渡って人々の間には怒りが溜まっており、機会があるごとにそれが噴出します。アメリカはもう50年以上大丈夫ではない状態にあり、最近はそれが表面化しているのだと思います。

違和感だらけ（2kishir0・東京都・31）

トランプ氏を悪と捉えるメディアの操作にも違和感を感じています。SNSの永久凍結などあまりにも過激すぎます。私はトランプ氏の功績は評価できるものも多いと思います。分断を進めているのはトランプ氏だけが原因でもないはずです。様々な思惑のもとでいろいろな人が動いていると思います。

アメリカの心配＝日本の心配（こはく・東京都・48）

国際社会での日本の存在感や影響力は日に日に弱くなっているのですが、米国が国際社会に与える影響はとても大きいので、米国の社会不安、情勢不安、治安の乱れは、すべて日本にも降ってくると思っています。「トランプ氏が再選したらすぐに渡米するけれどバイデン氏なら急がない」と日本の首相が公言したことも、米国には伝わっているはず。日本が心配です。自分に何ができるのかわからないですが、何か行動を起こしたいです。

多数の妄信者（地球交響曲・大阪府・43）

今回はかろうじて更なる混乱が起きるのは避けられたかに見えます。しかし、法的に性善説の上で政治権力を維持出来る体制で、権力を持つ大統領の言葉が全てだと妄信してしまう国民が多数派になれば、根本的に権力者によるSNSなどの利用ルールも改善しない事には、今後も危うい状況が続くだろうと思います。コロナの影響がない中で同様の事があれば、テロリストが入国して相乗り活動しないとも限らないですから。

正直、末期的だと思っています（まうやん・東京都・49）

今回のアメリカ大統領選は、ネットやYouTubeを見ていると、本当に何が正しいのかわからなくなってきます。トランプさんが虚言癖があるとおっしゃっていますが、それも本当なのでしょうか？ただ、韓国も前大統領が逮捕され刑が決まったところだったと思いますし、まるでアメリカもその一途をたどっているかのよう。プーチン大統領に至っては今後逮捕されない決まりを作っていましたよね。いつから世界はこんな殺伐としたものになったのでしょうか。

二者択一の難しさ（DiamondBar・東京都・52）

民主党か共和党か、いやトランプか反トランプか。二者択一であることで、投票する国民も2つに分断されやすく、投票結果によって勝者と敗者に分かれてしまい、反目しがちになるように思う。敗者をどう救い上げるかといった対応を勝者側が考えない限り真の民主主義が実現しないように思う。

先は暗い（ま・東京都・55）

とりあえずバイデン氏が当選したのは良かったが、就任式にもテロ計画があるし、この先トランプ支持の右派が何をするか分からない。新型コロナ感染がいつ終息するかも分からないし、今後の政策運営は非常に難しいと私は思う。

アメリカは大丈夫、だと思いますか？という質問に、たくさんの投稿をありがとうございます。途中経過では、ノーが７割、イエスが３割といったところですね。
 
米国では20日の新大統領の就任式に向けて全州の議事堂が武装グループの標的になっているとの報道もあり、「ま」さんが指摘されるように「この先トランプ支持の右派が何をするか分からない」状態です。まうやんさんは、韓国も前大統領に対する実刑判決が確定したのに続き「まるでアメリカもその一途をたどっているかのよう」と評しています。大丈夫どころか、末期ですね。
 
こはくさんは「米国が国際社会に与える影響はとても大きいので、米国の社会不安、情勢不安、治安の乱れは、すべて日本にも降ってくる」と心配します。バイデンさんがコロナ対策を含め、内政問題に忙殺されることになると、東アジアにおける米国のプレゼンスに空白が生じますから、安全保障では、中国や北朝鮮の動きが活発化することを恐れます。
 
今回の混乱のもとは、トランプ大統領が選挙結果を認めず、不正がなければ自分が大勝ちしていた、とSNSで言い続けたことです。一般のメディアは、大統領の主張には根拠が乏しいことをあわせて報じますが、いまやメディア不信は世界現象で、信用できるのは大統領の言葉だけ、という人も多いのでしょう。地球交響曲さんは「権力を持つ大統領の言葉が全てだと妄信してしまう国民が多数派になれば、権力者によるSNSなどの利用ルールも改善しない事には、今後も危うい状況が続く」と見ています。
 
Wrennさんは「今回の選挙でトランプ政権を応援している人たちの多くは、大手メディアの洗脳から自由な人たちだと感じます」と言います。大手メディアの「洗脳」から逃れる手段のひとつはSNSでしたが、今回の騒動では、フェイスブックやツイッターなどのSNSも大手メディアの仲間入りで、トランプ氏の発言を削除することも政治的だとみられています。2kishir0さんも「（トランプ大統領の）SNSの永久凍結などあまりにも過激すぎます」という見方です。政治だけでなくメディア状況も大丈夫とは言えない、ということでしょう。
 
Tulipさんは、米国は格差社会という現実があり、「人々の間には怒りが溜まっており、機会があるごとにそれが噴出する」と分析しています。格差を突破するところにアメリカンドリームはあったはずなのですが、それも夢物語になってしまったのかもしれません。Kylinさんは、米国が選挙で燃えるのは「米国民が社会情勢や政治に関心を持っている証しだ」とする一方で、「日本の青年・壮年層はあれほど政治を深く考えているでしょうか？」と言います。日本では格差への怒りのマグマがまだ溜まっていないのか、もう「諦め」の段階に来ているのか…。
 
揺れた振り子は戻る、という見方もあります。Penguinさんは、ジョージア州の上院の決選投票で、もともと共和党だった２議席とも民主党が勝ったことで、「2016年の選挙後を思い起こせば、どん底から這い上がった感が伝わってきます」と言います。バイデン氏の当選を認定した米議会の審議で、異議を申し立てるはずのジョージア州の共和党上院議員は、暴徒の議会乱入を受けて、異議を取り下げました。Serenityさんの指摘するように、暴動は「一部のトランプ支持者に目を覚まさせる事件」になったと思います。
 
これからの米国をどうするのか、Serenityさんは、「分断を癒すという誰もが同意できる点を土台にし、連帯感を高めていく」と語っています。DiamondBarさんは「敗者をどう救い上げるかといった対応を勝者側が考えない限り真の民主主義が実現しない」と言います。道は険しいと思いますが、chako21さんが言うように、米国は「本来ダイバーシティ（多様性）に寛容で民主的な理念を打ち出してきた国」です。「再び民主的な精神が蘇り、健全な社会が取り戻されると信じたい」という思いを共有したいと思います。
 
さて、アメリカは大丈夫か、という論議を深めるうえで、米国社会の分断、世界での米国の孤立を改善するために、バイデン新大統領に、どんな言葉や行動、そして政策を期待したらいいでしょうか、考えてみましょう。ご意見をお待ちします。

＊イー・ウーマン編集担当より
投稿のルール「I statement」（「〜べき」は使わないなど）を守り、「国民は」「普通は」などではなく、「私」を主語として、自分の考えを投稿してください。
掲載する投稿には、編集にて「私は」を入れさせていただく場合もありますのでご了承ください。


★高成田議長の過去の円卓会議より
・バイデン氏勝利、日米関係に変化ありますか？
・米大統領選、注目していますか？
・米中貿易協議、注目していますか？

• 2021.01.18
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員