イー・ウーマン（ewoman）

定着するまで強制する（Piwo・38）

私は日本での変化は恐竜の進化スピード並みだと感じています。推奨しても啓蒙しても達成できないのであれば、強制すればいいと思います。例えば女性の管理職比率50%は企業の努力目標などでなく、設置義務にする。産休復帰率ももっと高く定め、そのための人事制度や福利厚生の充実を図ることを企業に求める。大企業にはペナルティを科してもいい。ここまで政府が打ち出せたとき、やっと達成すると思います。逆に言えば、ここまでやらないと変わらないと思います。

思考の転換が必要（2kishir0・東京都・32）

総合職並みの仕事をしているのに「女性は一般職」という過去の悪習を引きずったままの弊社。昨年上司に厚労省発表のデータ等を元に進言し、給与水準を世間一般の総合職並みに引き上げることに成功しました。ですが、未だ社内の役職基準は女性は男性に劣るのが現状で、上司の理解もそこまでは得られておりません。経験が足りないからそこまでの仕事は任せられないと言いますが、なればこそ経験を与える環境を作っていくのも会社の役目だと思っています。

働く母親の真の葛藤（Lily27・東京都・39）

東京の大手企業で管理職をしながらの子育ては、時間のやりくり以上に子どもの教育の質が下がることに対する不安との闘いである。幼稚園は難しい、小学校の下校時刻が早過ぎる、中学受験は母親のサポートが前提…。母親が仕事で輝こうとすればするほど、特に中学入学までの子どもの教育機会の選択肢が狭まるように感じてしまう。優秀な女性ほどこの葛藤でキャリアを断念しているのが現実ではないか。幼保一元化、小学校の下校時刻の繰り下げや放課後教育の充実、中学受験の選抜方法の変革を提案したい。

意識の変革のために（にゃす・埼玉県・47）

ジェンダーギャップ指数を変えるには、意識の変革が必須だと考えます。しかし、その前に仕組みを変えることが重要です。例えばスーパーのレジ袋有料化のように、賛成反対はあるにしても、仕組みとして動き出してしまえばエコバックを持ち歩くのが当たり前になったように、多様な人材を採用するという制度を仕組みとしてしまうことで、そこから意識が変わっていくのだと考えます。

管理職教育の講師を社外から（cheetan・千葉県・52）

私の勤め先は課が182と部が72あるのですが、女性課長は4名、女性部長は1名で、部長以上の役職には女性が皆無です。課長になって1年が経ちましたが、その間、課の人材育成計画や人事との交渉術、予算の獲得法、役員会への掛け合い方など課長としてのスキルは男性上司に学ぶしかなく、教えられる内容に違和感を覚えてきました。個人的に他社の女性取締役にメンタリングを受ける機会があり、非常に有益であったので、会社の中に制度として採り入れられればと考えています。

まずは官から始める！（シンゴパパ・静岡県・54）

東海地方の地方都市でメーカー管理職として働いています。日本は官が変われば民も変わる、週休二日制がいい例です。まずは、男女の候補者を同じ数にする事から守ってもらう。閣僚の女性比率を40％以上（まずは20％）に上げさせる。官僚も管理職の女性比率を40％以上とクオータ制にしてもらう。その上で民間企業の役員や管理職比率を40％以上にしてもらう。強制力を持って変えないと、この国のは変わらないと思います。

法で納付金と助成金を設ける（JIMA・神奈川県・45）

社会を変革するには法整備が早いでしょう。管理職や役員の女性の割合を指定し、障害者雇用促進法と同様に納付金と助成金を設けることが有効と考えます。コロナ禍で在宅勤務が一気に広まったように、結果はあとからついてくると思います。これを機に、メーカーに多い、女性の役職者は独身か子なしという文化も変わると嬉しいです。多様な観点から物事を見られ、社会全体がいい方向に向かうはず。

女子ならではのイベントが（南海・沖縄県・57）

会社では、若い女性社員が多くそろそろ昇進を！と考えた矢先に妊娠が分かる事があります。妊娠を理由に会社が昇進を「なし」にする事はないのですが、本人が「負担が大きい」と諦めてしまう事がほとんどです。育休や時短勤務、仕組みを整えれば整えるほど女性はキャリアから遠のいていく。そんなジレンマも感じます。それでも、ロールモデルが一人二人と増えていく事で、自分から昇進を望む声を挙げる女性社員も出てきています。今は傍で励まし続ける先輩女性が増えつつある事が希望です。

いよいよ女性が変わるタイミング（メヌエット・兵庫県・62）

今までジェンダーの課題では、環境を変えるという方向に視点が行きがちでしたが、私は、いよいよ女性が変わるタイミングが来たと思います。意思決定する女性に対して女性グループからの抵抗や拒否も無いとは言えません。やはり、このデータ通り、女性の発想や創造性を必要としている課題が、政治や経済に多いと私は感じています。1人の成人として、社会的責任を女性全員が受入れるタイミングが来ていると自覚することが大切だと思います。

心を込めて働く（まおにゃん・茨城県・58）

いろいろ考えたのですが、正直、簡単に変えられる魔法の杖はないかなと思いました。まわりを見ると残業代は出ないのに朝早く来て仕事ている方や、パートの方なのにみんなが働きやすいように心配りしている方など、お給料以上の働きをしていると思える方に女性が多いです。もし、日本を変える方法があるとしたら、お給料が安くても、地位が低くても、腐らずに心を込めて仕事をしていれば、きっと良いことがあると、後に続く人たちに言ってあげることでしょうか？

皆さんに非常に具体的かつ必要な提案をしていただき、感謝しています。読み応えがありました。それにしても、2kishir0さんの「上司に厚労省発表のデータ等を元に進言し、給与水準を世間一般の総合職並みに引き上げることに成功しました」は、素晴らしい。データを提供した2kishir0さんも、それを受け入れて変革をした人事の方々も素晴らしい。こうした動きが重要です。そういった、一つひとつが、格差をなくすことにつながります。
 
今週のテーマ、120位という男女の格差を、日本全体ではどう取り組めば解消できるのか。
 
「推奨しても啓蒙しても達成できないのであれば、強制すればいい」というPiwoさん、JIMAさん。私も賛成です。私は、例えば15年間程度の時限法として、早急に法整備することが重要だと思っています。というのも、1986年4月から男女雇用機会均等法が施行されているので、もしも人々の努力で解決されるなら、35年もたった今は、自然と男性と女性の雇用機会・賃金・役職が同じになっているはずです。あるいは、大学卒業時は、「文理計、文系、理系いずれの推計においても男子学生よりも女子学生の方が成績が有意に高いことが示された」（安田宏樹氏：2015)という報告がありますから、社会でも、女性の方が地位が高いのが「自然」ということになります。しかし、世界120位という男女格差があり、圧倒的に男性が多いとなると、これは、かなり不自然な社会の仕組みや慣習が作り出していることであることが想像できます。人々が作ってきた制度や慣習であるなら、修正すれば良い。いただいた投稿にも具体的な案が出てきました。
 
◆経済分野：
1: 女性の管理職比率50%は企業の努力目標などでなく、設置義務に（Piwoさん）
2: 多様な人材を採用するという制度を（にゃすさん）
3: 管理職の女性比率を40％以上とクオータ制に（シンゴパパさん）
4：産休復帰率ももっと高く定め、そのための人事制度や福利厚生の充実を図ることを企業に求める（Piwoさん）
5：大企業にはペナルティ（Piwoさん）
6：経験を与える環境を作っていく（2kishir0さん）
7: メンタリングの重要性（cheetanさん）
 
そして女性の意識の問題として
8: 中学受験の選抜方法の変革を提案（Lily27さん）
9: 諦めてしまう女性の意識改革（南海さん）
10: 女性が女性を受け入れる（メヌエットさん）
 
◆政治分野：
1:「政治分野における男女共同参画推進法」の厳守（シンゴパパさん）
2: 閣僚の女性比率を40％以上（まずは20％）に（シンゴパパさん）
3: 官僚も管理職の女性比率を40％以上とクオータ制に（シンゴパパさん）
 
 
女性の意識の問題は、新しい仕事に必要なスキルや条件が10あるとすると、6個が揃っていれば、男性の多くは「有り難うございます。頑張ります」とその役職をとって挑んでいくのに、女性は、8個あっても2個ないと「十分なスキルがないので、できません」と諦めてしまうと言われています。このような「意識」や環境を整えることは大変重要ですが、今はまず、その前の土台を大きく変えて、環境変化を起こすことが必要でしょう。にゃすさんの指摘されるレジ袋のように、ルールを決めることで全国民の行動を変える策はないか。
 
2020年の報告書で、日本の男女格差は、経済は117位・政治は147位で、健康/医療（65位）と教育（92位）ですので、残りの2日間の「働く人の円卓会議」では、それを2つに分けて考えてみたいと思います。まず次回「会議3日目」に向けての今日から明日は、徹底的に「経済」と「政治」分野での日本国の男女格差を縮める方法についてアイディアを募集します。そして、「健康/医療」と「教育」については、水曜日11:00amから投稿を募集し、金曜日11:00amにサイトアップしたいと思います。
 
経済と政治の男女格差をどうやって縮めるか。今回いただいた投稿も含め、具体的に、どの法律のどんなところを変えたら良いのか。どんなペナルティが効果的だと思うか。あなたが一つ法律を作って良いと言われたら、どんな法律を、どんな罰則付きで作りますか。具体的に考えてみてください。もしかすると、政府や企業の男性トップの人たちは、気持ちがあっても具体的な良い案がないのかもしれません。提案しましょう。
 
「働く人の円卓会議」の投稿ルールは、I statementです。また、イエス、ノーの投票は1週間に１票ですが、途中でイエス・ノーを変更することができます。
経済と政治の男女格差をどうやって縮めるかの具体的なアイディア、お待ちしています。




★佐々木議長の過去の円卓会議より
・ダイバーシティインデックス、興味ありますか？
・日本の男女格差、世界111位に落下。日本は大丈夫？（2016年10月実施）
・名字が変わると不便なこと、ありますか？


★関連テーマのアーカイブより
 ・日本の性差別をなくす。あなたができること、ありますか？（治部れんげ議長）
・男性の育児休業義務化、賛成ですか？（野村浩子議長）
・ハラスメントを禁じるための法整備、必要ですか？（白河桃子議長）

• 2021.04.19
• 佐々木かをり 株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長