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会議番号:3646 開催期間 2021年06月25日- 07月02日
最終回も、たくさんのコメント、質問をありがとうございます。 テレビや新聞では、さまざまな新型コロナワクチン情報が溢れ、これらを自分自身で判断して取捨選択し、最終的に決定する難しさ・・・。接種するか、しないか、限られている時間の中で行う判断は難しいです。 今回も、みなさまのコメントに答えていきたいと思います。 ◆抗ウイルス薬の開発について きくぞうさんや、Nekosaurusさんからは、抗ウイルス薬の研究開発の質問がありました。ワクチン開発とともに、新規抗ウイルス薬の開発は、世界各国が凌ぎを削っています。例えば、現在、文部科学省から交付される科学研究費は、新型コロナウイルス関係の研究に大きく割かれています。(具体的な数字が示せずすみません。)新型コロナウイルス感染による病態解明や、ワクチン開発、そして、新たな治療法の開発と治療薬の創薬などです。米国やドイツ、中国など、私が知る限りでは、多くの国が、新型コロナウイルスの研究に力を入れています。 それでも、抗ウイルス薬の開発はとても難しいです。一つの薬剤の開発には、早くて数年から、一般的には数十年、数百億円の規模での開発費が必要です。ウイルスはヒトの細胞を使って増殖するので、抗ウイルス薬を開発する際にはヒトに副作用がでないようにしつつ、ウイルスの遺伝子やタンパク質だけを標的に捉えなければなりません。 新規抗ウイルス薬の開発として、①ゼロからの抗ウイルス薬の研究開発とともに、②他の疾患で使用されている既存薬を応答的に使用した臨床研究が行われています。Ex-president Trumpが感染した際に治療薬として用いられた抗マラリア薬は記憶に新しいと思います。現在までに、気管支喘息治療薬や、リウマチ関節薬、播種性血管内凝固症治療薬、など、さまざまな既存の薬剤が新型コロナウイルス感染者の治療に使われてきましたが、いまいちパッとしません。 余程の快進撃がない限り、今後数年間は、ゼロから開発された新規抗ウイルス薬の製剤化はありません。可能性が高いのは、他の疾患で使用されている既存の薬剤を、新型コロナ感染に応用した治療薬です。現在、最も可能性が高いものは、感染者の異常に活性化した免疫を抑制するステロイドや免疫抑制剤です。 ゼロからの新規抗ウイルス薬の開発を待ちつつ、他の治療薬で使用されている既存薬の応用による治療薬という両面から、期待していきたいです。 仮に、すでに新型コロナウイルス薬が開発されているのなら、それを隠す必要はないと思います。おそらく、新規抗ウイルス薬が開発できれば、世界からの賞賛と名誉、また、経済的な恩恵も大きいと思います。少なくても、新薬を公表しない理由はない、と思います。 ※前回も説明しましたが、mRNAワクチンの開発は、超短期間で成功しました。ModernaやPfizerは、すでにmRNAワクチン開発の研究基盤があり、そのplatformを利用し短期間で製品化されました。何度もいいますが、1年で、製品化したことは驚くべき業績であり、その背景には、既存のplatformと共に、高い技術力と資金力、そして国家のプライドがありました。日本とは桁違いです。 ◆子どもへのワクチン接種について 政府のワクチン納入状況の説明からは、若年層へのワクチン接種は、いつごろ開始になるのか不透明です。Modernaは、厚生労働省に接種対象年齢を12歳から可能とする、として薬事の一部承認変更申請を行いました。承認されると、多くの小児がワクチン接種対象者になります。同時に、n.danさんが、懸念しているように、若年層の副作用の出現にも注視する必要があります。 ◆副作用による自己免疫疾患について おにのこさんは、副作用として自己免疫疾患の心配をあげています。1976年、米軍基地にて、豚インフルエンザウイルスがヒトに感染しました。新型インフルエンザの流行を懸念した米国政府は、緊急承認した新規開発の新型インフルエンザワクチン接種を米国民に行ったところ、想定以上のギランバレー症候群※※が発症しました。インフルエンザワクチンが、宿主の免疫を活性化したため起きた副反応でした。もちろん、接種開始時には、ギランバレー症候群が起こることなど、誰も予想しませんでした。 AstraZenecaのウイルスベクターワクチンは、血小板機能を活性化しますが、他の副作用報告は、ありません。ただし、前回もコメントしましたが、今後、どのような健康被害が起きるのかはわかりません。引き続き、FDAやPMDAに、健康被害の追跡調査をしっかり行っていただく必要があります。 ※※ウイルス感染や、ワクチン接種などにより自己免疫が活性化し神経機能が障害され、麻痺や呼吸不全を起こす自己免疫疾患 ◆自分で情報を判断し、取捨選択する 今回の新型コロナワクチン関係について、新聞やマスコミに多くの情報が溢れています。りんこ色さんやるんちんさんがコメントされているように、自分で情報を判断し、取捨選択することは、とても重要なことです。その中で、DiamondBarさんなどのように、理解を深めていただけるととてもうれしく思います。ありがとうございます。 黒船さんがコメントするように、今回のmRNA新型コロナワクチンは、世界を救うmile-stoneです。これがなければ、世界の健康保健や経済が、2021年にどのようになっていたか想像できません。1918年に発生したスペイン風邪の致命率が全世界で2%前後でしたが、パンデミック発生後、約2年で感染爆発は収束していきました。2009年の新型インフルエンザのパンデミックも、2年後には収束しました。インフルエンザは、ヒトへの感染能力を高めて季節性に移行すると、ヒトへの病原性は低下すると考えられています。ところが、新型コロナウイルスは、下火どころか、遺伝子変異を獲得してヒトへの感染能力とともに病原性も上げていると考えられています。もし、ワクチン開発が進まず、マスク、手洗いだけで、立ち向かうとなると相当な困難があったと思います。 今回の円卓会議は、1か月行っていただきました。1週間ですと、さまざまなコメントをいただく時間が少ない可能性と、私が、新型コロナウイルス感染者対応で議長を中座せざるを得ない可能性があったためです。 はじめての1か月開催でしたが、多くの意見をいただき、私も、みなさんがどういったことで疑問に思っているのか、不安なのか、とても良くわかりました。ありがとうございました。 ワクチンが自国生産でないと、国内の接種量が確保できない懸念がありましたが、7月5日頃から、やはり心配は現実的になってきました。さらに、これから1か月間は、オリンピック開催によるさらなる感染者と重症者の推移は注視しなければなりません。 次から次へと懸案はありますが、みなさんは、今回議論した内容を御理解いただき、ワクチン接種に関する考えをまとめて下さい。 今年の冬は、インフルエンザとの同時流行?など、心配なことは、まだまだあります。また、みなさんと議論できることを楽しみにしております。★田村議長の過去の円卓会議より・コロナとインフルエンザ。対策、できていますか?(2020年11月)・新型コロナウィルス感染症。自分の健康、心配ですか?(2020年3月)・中国の新型肺炎。気になりますか?(2020年1月)
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