イー・ウーマン（ewoman）

様々な活動がある（おがわ・東京都・59）

米国について少し調べたところ、NASDAQの「上場企業への取締役会多様性統計の公開義務」、カルフォルニア州の「取締役に一定数の多様性メンバーを含める（女性数も指定）規制」などがありました。また、コロラド州では「女性商工会」が、女性取締役を増やす活動の中で、「取締役に女性が含まれる会社は株価パフォーマンスに優れている」、などのデータも紹介していました。いろいろなレベルで動きがあることがわかり、日本ではどうなのか、調べてみたくなりました。

なでしこ銘柄（真打ち・栃木県・53）

議長のお話にあった、女性役員の割合を上場の条件にしている証券取引市場は、なでしこ銘柄だろうか。今年度、選定内容が一新されたことは知らなかった。実態が条件に伴っている点に加え、企業が回答した女性活躍推進に関する調査(二種類)を基に選定される仕組みは、背景に女性取締役を始めとする企業の活用に対する意欲や展望が見受けられ、非常に意義のある方法だと私は思う。選ばれた企業は、投資家からの期待に応えるべく更に努力する、より良い相互関係が築いて行けると思う。

忖度なく、誤りを正せる立場（リンダ山本・海外・その他・61）

日本の問題が浮き彫りになった。私はこう思っていた。「新卒一括採用・年功序列で取締役 、経営者まで出世した人たちの集まりでは、過去の経営判断がおかしいと正すことはできない。お世話になった先輩の顔をつぶすことになるから。でも社外取締役ならしがらみがなく余計な忖度はない」と。しかし、サーチしたら、「日本では経営者が知人や関係者を社外取締役として選任するケースも多く、監査・監督しづらい、形式的な設置になっている」との記事があり、驚いた。これでは意味がないと思う。

事業の拡大で売上と収益力が向上（DiamondBar・東京都・53）

内閣府男女共同参画局の資料を見ました。日本の上場企業では女性役員は7.5％です。一方フランス、ノルウェーは女性比率が40％超で、イギリス、ドイツも35％を超えました。国としてのルールのないアメリカでも30％です。10月25日に発表された大日本印刷の人的資本への取り組みで、女性管理職比率が上がった結果、多様な社員の存在が既存事業の拡大につながり、売上や収益力向上に貢献したとの報告がありました。管理職だけでなく、取締役も同様の効果があると思います。

取締役のページを初めて見た（まうやん・東京都・51）

海外から購入しているものを多く利用して仕事をしているので、それぞれの会社の取締役を初めて見てきました！確かに女性が多く、1/3ぐらいが女性のイメージです。海外の企業はいつも革新的なイメージで、これらは取締役の役割であったことを改めて認識しました。また、中途採用の効果についての意見がとても分かりやすく、それなら私たちのいる医療現場でも現在活かされていると思います。女性ならでは視点は必ずあると思うので、日本国内でもますます活躍してほしいです。

新しいモデルの創造を（blueberry53・大阪府・66）

内閣府の資料を見ました。諸外国では、女性取締役に関してクオータ制度など積極的な取り組みがあるのがわかりました。日本も情報公開を進めさせるなど女性取締役の増加を促しているようですが、取り組みはこれからなのかもしれません。海外での実例まではわかりませんでしたが、女性社外取締役が、社内生え抜きの女性取締役などと強力に連携することができれば、より効果的な経営改善につながると思います。そのようなロールモデルが早期に生まれてくることを期待します。

すぐに見つかりました（シンゴパパ・静岡県・55）

ロンドン大学のカーズ教授の研究では「女性取締役が多い銀行は、不祥事が少ない」という結果が出ています。Post and Byronの研究では「取締役会における女性取締役の比率が高い企業は、会計上の利益（ROA、ROE、ROIC 等）とプラスの相関があった。Credit Suisseの調査では、「女性取締役が多いほど、ROEが高い」などなど、少し検索しただけでも事例はすぐに見つかりました。

一緒に考える1週間、有難うございました。良い勉強ができましたね。
まうやんさん、いいですね。まず、自分が勤める会社、取引先、気になる会社の「役員一覧」ページを見ることから始めるといいですね。そして、それを習慣にすることが大切です。私は、不祥事を起こして謝罪会見をする会社があると一番先に「役員一覧」を見に行きます。女性が少ない会社が多いという印象です。シンゴパパさんが書いてくださったロンドン大学のカーズ教授の研究でも、その結果が発表されていますね。
 
「少し検索しただけでも事例はすぐに見つかりました」とシンゴパパさんが調査結果を複数書いてくださったように、ダイバーシティ経営が企業成長につながるデータはどんどんと公開されています。おがわさんも、NASDAQの「上場企業への取締役会多様性統計の公開義務」、カルフォルニア州の「取締役に一定数の多様性メンバーを含める（女性数も指定）規制」など見つけてくださいましたね。とても有名なデータで、このような情報を知ってグローバル企業は経営を改善してきているのです。
 
おがわさんはコロラド州の事例を挙げてくださいました。DiamondBarさんは大日本印刷の売上や収益力向上に貢献した報告も挙げてくださいました。マッキンゼーもDiversity winsという報告で、女性が多い企業や多国籍メンバーのいる企業の利益率が高いことを発表しています。
 
リンダ山本さんがご指摘の通り、これまで形式的な設置の企業が多くあったのです。今でも地方都市含めてまだまだの企業もありますが、全ては社長の意識一つ。社長の意識一つで企業の取締役会の様子がずいぶん違うことでしょう。この数年でどんどんと様変わりしています。そもそも、経営のプラスに直結するのですから、本気で取り組まないわけにはいかないはず。投資家も、取締役会に多様性がないと投資をしなくなった。これを機関投資家だけでなく、個人投資家も指標にすると良いでしょう。株を買っている方は、投資する際に、女性取締役が（監査役ではなく）何人いるのかを見て、30%以上の会社に投資するなどするようにして欲しい。そうすれば日本企業も、変わります。
 
私たちイー・ウーマンでは THE BOARDという組織を作り女性役員を育成したりつなげることをすると同時に、企業に向けては女性取締役の紹介をしています。「いい人がいない」「女性の候補者がいない」という言い訳を作らせないためです。また、ダイバーシティインデックスも、ダイバーシティが単なる女性の数を増やすためではなく、企業価値向上になり、経営にプラスになることを示すために開発しました。
 
DiamondBarさんは、内閣府男女共同参画局の資料を見てくださったのですね。多くが私たち、イー・ウーマンが調査提出したデータです。また私自身も内閣府の冊子「共同参画」 令和4年6月号の巻頭言に「クオータ制導入が、日本を救う」という記事を書きました。
 
そこにも書きましたが、「自然に任せていたら200年かかる」と取締役の4割を女性にするクオータ制を法制化したのがノルウェー。約20年前の2002年のことです。しかし日本はまだなんとプライム市場に上場している企業の3割が、女性取締役ゼロとのこと。私たち一人ひとりの投資や、就職などが、企業を動かすこともできます。まずは、役員を見る。データを検索するなど、始めてください。
 
良い1週間でしたね。女性取締役が加わることは、企業経営を動かし決定する取締役会に、複数の視点が加わることを意味します。今までと違う角度から問題を捉え、社内の常識に疑問を持ち、女性の人生体験からの質問を投げかけ、企業が健全に経営されるように貢献するのです。興味がある個人は、役員ページを見て、多様性のある会社に投資しましょう。就職しましょう。また興味がある企業は、是非お問合せください。一緒に企業価値を上げていきましょう。ダイバーシティ経営は、経済も社会も豊かにします。1週間有難うございました。

◆佐々木議長の過去の円卓会議より

・「ダイバーシティ経営」の成果、実感したことありますか？

・ジェンダーギャップ指数116位。日本を変える方法、ありますか？

・あなたの職場、「ダイバーシティ」が進んでいますか？

• 2022.10.28
• 佐々木かをり 株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長