イー・ウーマン（ewoman）

国債札割れの危機（DiamondBar・東京都・54）

上限なく発行できるといいつつ、買う人がいなくては必要な財源を確保できません。「国債の札割れ（入札が目標金額に達しない）」です。いつまで日本の金融機関が買い支えられるのか、上限がないわけではないと思います。仕事で関わっているベトナムでは、GDPの伸びがODAの削減につながり、国債の発行額をGDPの50%以内に抑えるなどGDPを意識した運営をしてます。アジアは通貨危機の経験からシビアなのかもしれませんが、日本がこのままでいいとは思えません。

勉強の場（n.dan　・広島県・49）

日本の借金依存の財政は、心配です。先送りしている気がします。未来に向けて予測も、現状をもっと認識することも必要だと感じています。子ども達もお金についての勉強を、小さい頃からするようになっています。大人にもみんなで考えられる場があればと思います。

猛烈なインフレの覚悟が必要か（まうやん・東京都・52）

借金、国債の発行止む無し、と思ってきましたが、確かに今は過去とは違う。これから人口も減り、働き手が減る時代が到来します。私たちは漠然と将来への不安を抱えている世の中です。それは個人でもあり国家でもある。今後、物価が上昇し給与も上昇すれば好転するのでしょうか。アメリカを見本にして動いてもダメですが、第二次大戦後のような猛烈なインフレが襲ってくることをも覚悟しなければならない気がしてきました。

もう昭和ではない（真打ち・栃木県・53）

人口減少に伴い、潤沢な税収が見込めなくなる状況は目に見えている。政府の考え方や、日銀との体制を根本から見直す時期は、とうに過ぎていると私は思う。アメリカのデフォルト騒動は、対岸の火事ではない。日本も従来のやり方など通用しなくなっているという米国からの強いメッセージと捉え、大いに学ぶ必要があるだろう。慣例の踏襲は、知恵や思考力を遠ざけ、危機感を奪う。変化や冒険を避けたがる国民性が、自国の国力を下げて来たとすればこんな情けない話はないと、私は思う。

バランスの取れた判断を（blueberry53・大阪府・66）

国の借金は、企業が業務拡大のために借入金をするのと同じく将来のために必要な現在の国の投資として見ることができれば健全だと思います。少子化対策なども人口を維持することで国の成長が期待できるのなら意味はあります。ただ、福祉、防衛費など現在の社会を維持する費用の増加は必要であっても負担の先送りになり、将来、高インフレと社会保障の削減などに直面すると思います。それを防ぐため経済を成長軌道に乗せられるかどうか、政治と国民のバランスの取れた判断が大切と思います。

ハイパーインフレで帳消しに？（シンゴパパ・静岡県・56）

株価は上がっても、円の価値は上がらない。外貨で株が買われても、日本の経済力が評価されていないから。人口減少、経済停滞、円安から見えてくる未来は、貧しい日本。円の価値は下がり、国内物価は上昇、インフレを招き、円の資産価値はますます下がる。ハイパーインフレで今までの借金を帳消しにする。政策のミスを認めず、責任の所在も曖昧なまま、思考停止に陥る。借金依存を脱出するために、国はそこを目指しているようにも思えるのは穿ちすぎでしょうか。

国民の覚悟とは（パフィンドーナッツ・埼玉県・54）

このままでの財政では持続可能とは思えません。国政で何が大切かということを国民は考える必要があると、私は思います。全てのことを叶えることは不可能なので、優先順位をつけて予算配分することについての覚悟は必要だと思います。

今までの経済政策を見直す必要が（にしひがし・茨城県・51）

中国が独自の経済政策で飛躍的に発展し、それに対応していくうちにアメリカも財政難になってしまったと思います。日本も、国の財政の在り方自体、世界の列強に対応できるだけの力をつけられるよう、予算を組む必要があると思います。

米国でデフォルトが心配された「政府の借金」、日本でも大問題です。どの投稿にも「将来への不安」が滲んでいました。
 
「借金依存の財政は、心配です。先送りしている気がします」（n.danさん）、
「いつまで日本の金融機関が買い支えられるのか(中略)日本がこのままでいいとは思えません」（DiamondBarさん）
 
ご指摘のとおりですが、政治はこの問題にきちんと向き合っているでしょうか。
 
この先どんなことが起こるのか。みなさん心配するのは「インフレ」です。
「猛烈なインフレが襲ってくることをも覚悟しなければならない気がしてきました」（まうやんさん）、
「将来、高インフレと社会保障の削減などに直面すると思います」（blueberry53さん）。
 
ずっとデフレだった日本は、インフレを知らない世代が大多数を占めるようになってきました。
世界に目を向けると、先進国はインフレ対策が正面の課題となり、金利引き上げへと動いています。経済は地つづきなのに、日本だけが「金融緩和」をつづけているのは、なぜでしょう。
 
たまり溜まった政府の借金が関係しています。金利が上がれば、借金の利払いが増え、耐えられない。「ほぼゼロ金利」で資金が調達できることで維持してきた日本の財政が行き詰まる、などです。日銀総裁が植田和夫さんに代わって「金融の正常化」が動き出すかと思われましたが、植田さんも「黒田前総裁の路線を引き継ぐ」と言っています。
 
「政府の考え方や、日銀との体制を根本から見直す時期は、とうに過ぎていると私は思う」（真打ちさん）という言葉は、いまの日本を言い当てているようにも思います。
 
安倍元首相の路線を変えるかと思った岸田首相も「アベノミクス継承」になりました。リーダーが変わっても、政策は変えられない。借金に頼り切った政治は、簡単に動かせない、ということかもしれません。
 
「ハイパーインフレで今までの借金を帳消しにする。政策のミスを認めず、責任の所在も曖昧なまま、思考停止に陥る。借金依存を脱出するために、国はそこを目指しているようにも思えるのは穿ちすぎでしょうか」（シンゴパパさん）
 
この言葉にドキリとしました。陰謀めいた策略をめぐらす政治家がいるとは思えませんが、「そうなるしかないかな」と諦めがまじった「破局待望」は、政界や官界に少なくありません。
 
明治維新（１８６８年）と第二次大戦の敗戦（１９４5年）。共通するのは大混乱を経て社会は再生した、ということです。通貨が切り替わり、財産も「ご破産」でした。社会の大掃除は周期的にやってくる、とも言われますが、今の世の中で、これをやったらどうなるのか。
 
海外に財産を移せるスーパーリッチな人と、持っているのは労働力だけというタフな人は「耐性」があるでしょう。でも、ささやかな貯蓄が頼りの中間層は、壊滅的な打撃が避けられません。
 
5年で４３兆円という異次元の防衛費増額が始まります。３兆円の少子化対策でさえ「財源がない」で壁にぶつかっています。ミサイルだけで８兆円だそうです。総額４３兆円を「身を切る改革」で捻出することはまず不可能です。増税か国債か、という選択に、いずれなります。
 
政治的に増税はできない。現実的にやむなし、として国債増発へ動く、そんな政治がたどり着く先には、国債と通貨の「自爆」が待ち構えています。政府の借金は一挙に消え、庶民の財産も同時に消える。大増税と同じ効果です。暴落は突然やってくる。政治ができないことを、市場が暴力的にやる。それが市場経済だ、世界じゃ珍しいことではない・・・・。
 
陰謀めいた話のように聞こえますが、政府中枢に近いエコノミストなどから、「茶飲み話」で出始めています。薄々気づいてはいるけど、意図的ではない破局への道。そんな政治でいいのでしょうか。
 
今週は、アメリカの「デフォルト問題」から、我々の置かれている状況を考えてみました。普段あまり話題にされないけど、実は深刻です。そんなこと聞かされても・・・と思う人も少なくないと思いますが、決して他人事でない問題です。1週間、辛抱強く付き合って頂きありがとうございました。


★山田議長の過去の円卓会議より
・2023年度国家予算。注目している点、ありますか？
・あなたの賃金。この5年で上がりましたか？
・経済制裁は、平和的手段だと思いますか？

• 2023.06.02
• 山田厚史 ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員