イー・ウーマン（ewoman）

子どもが欲しくなったら？（まうやん・東京都・52）

まずはじめに、個人的には「NO」であり、全く問題ありません。では、なぜ「YES」なのか。私の職は生殖医療で、不妊治療を仕事としています。同性婚の方が法的に認められたとして、挙児希望の場合、どうされますか？　現在、年齢制限があるものの法律婚の方は保険で不妊治療を受けられます。でも、提供卵・提供精子に関しては法的整備がありません。現在は学会が規制をしているだけ。提供卵・精子での治療は何も決まっておらず、とても不透明です。だからまだ時期尚早ではないかと思うのです。

公的な手続きには必須（きたさん・長野県・45）

私の生活にはデメリットはありません。昨年父が急逝し、相続等の公的な手続きを経験する中で「戸籍上の家族」であることの必要性を実感しました。結婚して籍は移っていますが、戸籍には父娘であることが明記され、スムーズに手続きできています。お互いが生きている間は「事実上の家族」であることを意思表示できますが、亡くなってからは公的な証明書が無ければ「家族」であることを証明するのは難しいのが現状です。法制化はメリットの方が大きいと感じます。

全くありません。（レッズ・埼玉県・43）

法制化された場合でも、私にはデメリットは全くありません。また、LGBTQが日本の世の中に認知された現在において、憲法の規定からしても、法制化されて良いものと考えます。

正直わからない（chamebu・東京都・64）

デメリットがあるのかは正直考えたことがなくて、実は分かりませんというのが今いるところだと認識しました。多様性を応援したい気持ちから、ただYesと思っているだけ。同性婚の法制化に伴い、社会にどのような影響があるのか初めて意識したこの議論。でももし私になにかデメリットを感じたなら、それを私が乗り越え、同性婚の考え方を支持できる自分でありたいと思いました。貴重な機会をありがとうございます。

幸せに暮らせる人が増える（あっこねいさん・神奈川県・51）

本当はずっと昔から存在しているはずの人たちが、少しでも過ごしやすく、住みやすくいられるのであれば、同性婚ができて、幸せに暮らせる人が増えるのであれば、それはきっと大きなメリットにつながるのではないかと思うのです。

色々なかたちが認められる社会に（シンゴパパ・静岡県・57）

同性婚の法制化により、社会への認知が進み、色々な夫婦・カップルのかたち、家族のかたち、生きるかたちが認められる社会に近づくと思います。色々なかたち（＝多様性）が認められる社会は、それまで社会的に認められなくて苦しんでいた人や、今まで生き辛かった人たちが生きやすくなる社会につながると考えています。

メリットのほうが（地球交響曲・大阪府・47）

デメリット的には、同性婚に対しての意識が古いままだったり、宗教観が強い人には嫌悪感というのが残る面はあると思いますが、メリットとして同性であっても子を持つ事（実子でなくても養子等を）で少子化対策に寄与する面もあるでしょうし、安定した家族を作れる事で社会的な地盤を固められる人も割合的には少なくても広がる事になるので、良い影響の方が大きいかなと思います。

影響なし（DiamondBar・東京都・55）

宗教の戒律の厳しい国と違って、日本の場合は同性婚が宗教問題になる可能性は少なく、社会の規律を乱すとか誰かに迷惑をかけることはないように思う。未婚でも既婚でも同様に権利が保護されればいいのだが、結婚という法に基づいた契約は強固であり、家族の証明手段としての利便性も高い。今の法律に年齢の上限や年齢差に制限がないのと同様、性別の制限がなくてもいいと思う。

他人の人生を尊重して欲しい（Tosuku・東京都・64）

同性婚の法制化、どうして反対する人がいるのか分かりません。自分がもし異性愛者でも、他人の性指向に口出しをするのは、関係が無いのではないでしょうか。例えば自分の親族、友人に同性愛者がいたとしても、私は受け入れます。変わるように説得しようとしても、生まれつきなのだから変えられないだろう、と思うからです。今の生きづらさを解消して差し上げられたら、と思います。そうすればそのカップルは子どもを得たりして、日本の人口が増えるかもしれません。

投票の結果は「NO」が9割超えと、同性婚の法制化はご自身にデメリットをもたらさないと考える方が圧倒的多数となりました。
 
「NO」に投票された方のご意見として多かったものは、結婚を望む同性カップルを応援したい、当事者の生きづらさを解消したいという趣旨のものでした。Chamebuさんは、「もし私になにかデメリットを感じたなら、それを私が乗り越え、同性婚の考え方を支持できる自分でありたい」という、当事者への歩み寄りを感じる、真摯なご意見をくださいました。
 
きたさんはご自身のお父様を亡くされた経験に照らし、「相続等の公的な手続きを経験する中で『戸籍上の家族』であることの必要性を実感」されたとのことでした。この点はまさに、自治体のパートナーシップ制度では不十分であり、同性婚を法制度として認める必要がある理由の1つです。
 
法律上の婚姻により得られるメリットは多岐に及びますが、代表的なものは下記です。
l  配偶者と実子もしくは養子の共同親権を持つことができる
l  配偶者死亡の際に遺産が相続でき、遺族年金や公的年金の死亡一時金がもらえる
l  所得税の配偶者控除・配偶者特別控除が受けられる
l  医療保険の被扶養者になれる
l  離婚時の慰謝料請求ができ、財産分与請求や年金分割ができる
l  公営住宅に2人で入居できる
l  パートナーが外国人の場合、日本への帰化や在留資格の取得ができる
l  配偶者に対する医療行為に同意できる
 
この1点目について重要なご指摘をくださったのは、まうやんさんです。ご自身としては「NO」としながら、生殖医療の現場で不妊治療に携わるお立場から、法整備が不十分な段階で同性婚を法制化するのは、時期尚早ではないかとコメントをいただきました。
 
第三者から提供された卵子・精子を使った不妊治療のルールなどを定める「生殖補助医療法案」は、数年前から超党派の議員連盟で検討が進められています。ただし、2023年11月に公表された2回目のたたき台は、対象を法律婚の夫婦に限定しており、同性カップルや事実婚、独身の女性で精子提供を希望する場合は想定されていないという問題を含んでいます。これに対し、子を持つことを望む同性カップルを支援する当事者団体「こどまっぷ」は、精子提供の対象に出産を望むすべての人を含めるよう求め、1万筆以上の署名を議連に提出しています。
 
一方で、子育てをしている同性カップルがすでに存在していることも見逃してはいけない事実です。前の異性のパートナーとの子どもを現在の同性パートナーと養育するケースや、第三者からの精子提供を受けて子どもを持つケースなどがあります。現状では、パートナーと子どもがどれだけ信頼関係を育み、家族だとお互い認識していても、法律上の親子関係や親権がないため、保護者として認められないという事態が発生することがあります。同性婚が認められれば、パートナーも法律上の親かつ親権者になることができるので、当事者にとって大きなメリットとなるでしょう。
 
また、同性婚が法制化すると、配偶者のいる人にしか認められていない「特別養子縁組」を利用することも可能になり、子どもを持つための選択肢が増えることになります。
 
同性婚は重要な論点が多いため、限られた紙幅で説明できることには限界があるのですが、みなさんのお力を借りながら、引き続き議論を深めていきたいです。
 
同性婚の法制化。あなたにデメリットはありますか？
 
3日に向けて、「YES」の方は引き続きデメリットと思われることをお寄せください。逆に「NO」の方にはメリットを、個人的なレベル、そして社会的なレベルの両方で考えていただければと思います。


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• 2024.03.25
• 中川紗佑里 電通／電通ダイバーシティ・ラボ　DEIコンサルタント