イー・ウーマン（ewoman）

検査や治療法は？（abbyi・神奈川県・46）

10年くらい前、出張が続いていた時期に、インフルエンザのような症状で出張先の医院にかかったところ、インフルエンザの検査は陰性で、風邪薬を出されたのですが全く効かず、3日後に自宅近くの医院でもう1度見てもらったら、おそらくマイコプラズマだと言われました。別な風邪薬を出され、そこから3〜4日でようやく回復しました。インフルエンザやコロナのような検査や、特効薬は無いという認識なのですが、今も同じような状況なのでしょうか？

流行を知りませんでした（DiamondBar・東京都・55）

今流行っていることを知りませんでした。とはいえ、インフルエンザや風邪の予防のため、電車内など人の多いところではマスクをするようにしています。前回の円卓会議では、マイコプラズマ肺炎の検査での検出が難しいとありました。以前、私の友人がり患したときも、何か月も風邪の症状が続くということでいろいろな検査をして、やっとわかりました。検査や治療が進化したのかを知りたいです。

悪化前に診断可能か（おがわ・東京都・61）

インフルエンザや新型コロナは、検査キットで診断できると考えています。一方で、マイコプラズマ感染症について少し調べたところ、検査方法はあるものの、不確定要素が多いような印象を受けました。インフルエンザや新型コロナ同様、基本はマスク、手洗いなどによる予防とは思いますが、親が高齢なこともあり、罹患した際に肺炎などへの移行前に診断がつくのかが気になります。

大人の感染（ゆいゆい・埼玉県・58）

子どもが2歳の時に感染しました。なかなか診断がつかず、長引いて高熱でぐったりしていました。今回は大人もかかっているようですが、もともと大人でもかかる病気だったのでしょうか。また大人の症状はどんな感じか知りたいです。よろしくお願いいたします。

学びたいです（やっちゃん２４・大阪府・56）

職場の隣りの部署で、毎日2-3名が代わる代わる発熱、咳の症状で休んでいます。一様に風邪症状ということで、軽快したので出勤と聞いていますが、約10日間もこのような状態が続いているので、コロナかマイコプラズマではないのかなと不安です。病院に行ってしっかりと検査と対策を取るよう求めたいのですが、そこまで危機感を持っておらず、こちらの社員への感染防止をどうしようかと悩んでいるので、マイコプラズマについてしっかり学びたいです。

喉が弱く、気管支炎になりやすい（黒船・神奈川県・57）

私は、人混みに行くと高確率で喉痛になり、元気なときは良いですが、忙しいときに限ってひどい風邪をひいてしまう体質です。気管支炎にもなりやすく、咳が数ヶ月続くこともあり、日常生活にも支障が出てしまいます。そういったときに病院で検査してもらい、マイコプラズマやウイルスのチェックをして貰います。コロナ禍は、テレワークやオンライン会議だったので大丈夫でしたが、今夏、数年ぶりに気管支炎になりました。対面での会議などが増えてきた今、マイコプラズマはとても気になります。

実感がありません（ナカサワ・東京都・55）

ニュース等で話題になってますが、私の回りでは罹患した人（家族も含めて）がいないので実感がわきません。子どもがかかりやすい感染症というイメージがあります。

みなさま、初日から多くの投稿、ありがとうございました。
 

気になる、と回答された方が、93％です。やはり、ニュースで大きく報道されていたり、ご家族やご自身がマイコプラズマに罹患したり、その可能性を医療機関で説明された影響かと思います。

 
まず、皆さんからのいろいろなご質問にお答えしたいと思います。
abbyiさん、DiamondBarさんの心配される検査と治療についてです。
正確にマイコプラズマを同定する検査法はあります。マイコプラズマの遺伝子を増幅するＰＣＲ検査です。さらに、現在は、抗菌薬に効かない耐性菌などもＰＣＲ検査で同定できます。ただ、装置が高価であることと、running costも高いことから、どのクリニックで使われているわけではありません。
 
一般的に使用されている検査法は、迅速診断キットと呼ばれるものです。これは、新型コロナウイルスが流行したとき、皆さんも近隣のドラッグストアで購入してご自宅で検査した検査法です。マイコプラズマ病原体の遺伝子を増幅させない検査法なので検査の精度が低いです。10人マイコプラズマ感染症の方に検査をして、5人～8人で陽性と分かるレベルです。
そのため、私は、検査に頼らず、周囲の流行状況や臨床症状から判断して、診断しています。
 
特効薬は、抗菌薬です。系統の異なる3種類の抗菌薬が治療薬として使用可能ですが、小児では安全性の問題から、通常マクロライド系抗菌薬が使用されます。しかし、このマクロライド系抗菌薬、汎用性が高いためいろいろな疾患に使用されてきた経緯があり、その影響でマクロライド系耐性マイコプラズマが多くなっています。そのため、マクロライド系抗菌薬が効かない？と考えた場合には、他の抗菌薬への変更が必要ですが、年齢によってどうしても使用できない抗菌薬もあります。小児科医は、治療に苦慮する場面も多いです。
 
 おがわさんからは、診断の時期について、質問がありました。マイコプラズマは、肺炎にならずとも、上気道炎、つまり風邪や気管支炎と診断されることもあります。また、肺炎を合併する場合は、発症後早期に既に肺炎になることが多いです。診断が遅れたことで、こじれて肺炎になった、と感じるかと思いますが・・・。
感染して数時間では、感度の高いＰＣＲ検査をしても、体内のマイコプラズマ量が少なく陽性にはならない可能性がありますが、発症して1日程度経過していれば、感度の高いＰＣＲ検査であれば、問題なく診断可能かと思います。
 
インフルエンザや、コロナでは、年齢に関係なく病原体は感染し発症しますが、マイコプラズマは、低年齢の乳幼児は、あまり発症しません。理由はわかっていません。現在も小児のマイコプラズマ感染症で入院してくる患者は、小学生・中学生がほとんどです。もちろん、成人では、高校生から高齢者まで幅広く患者が報告されています。
 
ゆいゆいさん、やっちゃん２４さんは、症状と対策について質問されていました。症状で最も多いのは咳嗽（がいそう）です。発症早期では、乾性咳嗽で、時間がたってくると湿性咳嗽になります。熱は微熱から高熱の方までいます。そのほか、咽頭痛、鼻閉など、さまざまです。さらに、意識障害やけいれんなど合併する脳炎や髄膜炎、蕁麻疹や紅斑などの皮膚症状の合併、肝機能障害や腎機能障害など臓器障害を合併する場合もあります。マイコプラズマは飛沫感染・接触感染なので、発症者がマスクをすることが最も効果的な感染拡大予防策ですが、その他、ドアノブや手すりなどの清拭、窓を開けたり空気清浄機を使用し室内換気を行うことで感染拡大を防ぐことが可能です。 

 マイコプラズマは、症状が軽快しても、数週間、咳が残存することがあります。解熱し、胸部レントゲン写真でも改善しているのに、なぜ？と質問されることが良くあります。おそらく、気道の過敏性が高くなってしまったことかと考えられますが、ハッキリとした理由はわかりません。そのため、黒船さんは風邪で咳が長引くことがあるようですが、マイコプラズマも厄介な感染症です。
 
今日、皆さんと議論したいのは、マスクなどの個人でできる感染拡大予防策についてです。
COVID-19が流行し始めた頃は、当然のように、どこに行ってもマスクをされていました。手指消毒も励行され、黙食も理解されました。体調が悪ければ、積極的に自宅待機も。

昨年、COVID-19が5類になり、国民の関心が薄れ始め、現在では、駅、ショッピングモールで、マスクをしている方が少ないです。呼吸器症状があっても、フードコートではお食事をされ、映画鑑賞されています。病院では、感染症拡大防止から、来院者全員にマスク着用をお願いしていますが、マスクを着用する必要はない、と主張されている患者をお見掛けします。
 
経済活動と感染拡大防止策は両立できると思いますが、多くの配慮が必要になると思います。会社で、家庭で、グループで、皆さんが気持ちよく行える対策は、どのようなものがありますか？どのようにお願いすればよいですか？

「マイコプラズマ感染症、過去最多。気になりますか？」にYES、NOでお答えの上、ご意見をお聞かせください。


★田村議長の過去の円卓会議より
・あなたは、風邪など体調不良が多い方ですか？
・コロナと共存。もうインフルエンザと同じ対応で良い？
・日本版CDC創設。期待しますか？

＜運営事務局より＞
投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。
・自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿は、「私は」を主語に変更させていただく場合もありますのでご了承ください。
・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。
・議長からの各日の投げかけ（赤字部分）に答えた内容で投稿してください。