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会議番号:3768 開催期間 2025年02月07日- 03月28日
最終日となりました。初めての円卓会議で緊張をしておりましたが、みなさまのお言葉に力づけられ、ここまで進めることができました。心より感謝いたします。 お仕事の現場で、あるいは生活を共にする中で、そして被災地で。jerseyさん、黒船さん、Kylinさん、ご経験をお聞かせくださり、ありがとうございます。3.11を前に、大船渡市の山火事のニュースに胸を痛め、被害が少ないことを祈りながらこれを書いています。 災害時、心のケアをする専門家チームとして「日本DMORT」という組織があり、ホームページで地震や豪雨災害など、ケースによってそれぞれのマニュアルが公開されています。 おがわさんがおっしゃるように、「悲しみを抱えている時の反応は、人、時期によって変わり」ます。これらのマニュアルは、大きな災害が起こるたびに知見が積み重ねられ、常に改訂されています。私はいつも、悲嘆の現れ方は人によってさまざまであることを念頭に置きながら、勉強をさせていただいております。 つねに念頭に置いている、ということで思い出したのは「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念です。帚木蓬生さんの著作でご存知の方もいらっしゃると思います。帚木さんの本では「答えの出ない事態に耐える力」というサブタイトルがついています。 これは、イギリスの詩人、ジョン・キーツが書き記した言葉を、同じくイギリスの精神分析医のビオンが提唱したもので、「(患者との間で起こる現象や言葉に対して)事実や理由を性急に求めず、不可思議さや疑念、神秘をそのまま持ち続ける態度」を示しています。人間の脳にはわかろうとする性質があって、ネガティブ・ケイパビリティを持つことは難しいのですが、あえて、わからないまま宙ぶらりんな状態で受け入れ、耐えることが必要なのではないかと帚木さんは投げかけています。 まさに、「心を同調させるように相手を受け入れ続けることは忍耐が必要になる」とblueberry53さんが書いてくださったことに通じますね。 私はときどき、「わからない」ことを浴びに(笑)、現代アートやコンテンポラリーダンスを観に行き、わからないぞ…でもそれがいいぞ…と思っています。 シンゴパパさんのご質問。特に災害や犯罪被害に遭った直後の急性期には、傾聴はしないほうがよいと私は考えています。その方が本当に必要と感じたときに「聴き出す」ことはせず、もし話がしたいのであれば、耳を傾けるという姿勢でよいのだと思います。 ゆりえってぃさんの「ちょうど良い接し方」。本当に難しいですね。私でしたら、お相手に、なぜそのように思うのでしょうね? と伺ってみると思います(踏み込みすぎず、責めているように聴こえないようにやさしく)。今、こうして括弧付きの文章を書いていますが、この括弧作戦(!?)、案外有効なのではないかと思っています。括弧に入るのは上のような「ト書き」だったり、迷う心だったり、こうしてみようかな、という別の考え方だったり。これ、自分との対話なのです。こうしてあれこれ思いを巡らせながら、同じ場所に立ち続けてお話を聴く姿勢が大切だと感じています。 1日目にも書きましたが、傾聴する力はありますかとみなさまにお聞きしながら、私自身はいつも「自問自答」しています。傾聴は「微力の力」だということを自覚しつつ、自分を見つめ、磨き、アップデートしていきたいと思っています。 1ヵ月間、対話ができましたこと、大変嬉しかったです。豊かな時間をありがとうございました。★関連テーマ・生きづらさを感じた時、対処する方法ありますか?・あなたは「自己肯定感」高いですか?
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