働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
「今日は英語でスピーチをしなくちゃいけないと思ったんです。原稿は、私より英語の得意な子どもにチェックしてもらいました。では、英語で話します!」気迫のオープニングスピーチは、ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼CEOである石黒不二代さん。
お話は、シリコンバレー型ビジネスとボストン型ビジネスの比較から始まりました。ハイテク企業7000社、ベンチャーキャピタルの30%が集中するシリコンバレー。FacebookやAppleなどに代表される特徴的なマネジメントスタイルは、オープンでフラットで、失敗は学習のための経験とみなされる。一方、ボストンの旧来の企業は、縦型・中央集権で、失敗は損失とされる。「日本はシリコンバレーに近づかなければならない。失敗こそ学習である」と力説する石黒さんの歯切れ良いトークに、会場中が全身を耳にして聴き入ります。そして、「起業はアートではなくサイエンスになった。今や誰もが起業することが出来る」という言葉に多くの参加者がうなずきました。
石黒さんは、日本の企業で働いていた当時、「日本は働く女性にやさしくない」と思い、スタンフォード大学に留学してMBAを取得。シリコンバレーでは、誰もが望めば18時に仕事を終わらせて子どもを迎えに行けるような、働く人にやさしい環境だと言います。その地でハイテクにフォーカスしたコンサルティング会社を設立し、2000年から現職、2008年には東証マザーズに上場した石黒さん。ご自身の経験に裏打ちされた、とっておきの「成功の秘訣」もご披露くださいました。「やりたいことをやりなさい。自分で選びなさい。失敗して良いのです。失敗は一番の学びのとき」と……。それはまるで魔法の言葉のように、日々それぞれの仕事場で奮闘している人々の表情を輝かせました。
さらに、ルールを守ること、120%のパフォーマンスを発揮すること、やりたいことがわからなければ棚おろしをするなどをはじめとし、たくさんの実践的で有益なアドバイスも。
締め括りは、「9才で母を亡くし、小学生から仕事につき、22才で仕事が破綻。23才で選挙に負け、27才で大恐慌。34才、38才、42才、46才でも落選し……」と、失敗とチャレンジの挙げ句に、51才でアメリカ大統領となったリンカーンの話。失敗を怖れずにチャレンジしようという力強いメッセージに、喝采が鳴り響きました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。