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もしコーポレート・ガバナンスとは何ですかと質問を受けると、富永さんは何と答えますか?
これはいろいろな定義がありますが、僕なりに定義すると、「企業が持続的かつ適正に利益を上げる仕組み」というぐらいの簡単なものでいいと思っています。普段、僕らがコーポレート・ガバナンスと言っているのは、どちらかと言うと、取締役会に焦点を置いています。年に一度の株主総会は別にすれば、企業の意思最高決定機関は取締役会なので、そこ抜きにコーポレート・ガバナンスを語れないけれども、違った定義があってもいいと思います。
取締役会をどう運営するのかは、重要ですね。取締役会で何を扱うか。どういう議案を出すか、どういうふうに報告をするか。報告に関して、どこまでディスカッションをするのか。取締役会の運営はすごくガバナンスで重要なことですが、一方で、もしかして、取締役の教育といったら変ですけれど、社外であっても、社内であっても、そもそも取締役という人はどういう心構えで取締役をするのが良くて、どんな人間であったらいいかということも、もしかしたらとても重要なことなのかなと。そこが先ほどのネットワークのところの1つ目のところの情報交換やインフラに直結するんですが。
なぜならイー・ウーマンには企業からいろいろな研修のお問い合わせをいただくのですが、最近は役員向けの研修のご相談が増えてきました。役員の視点の多様性、さまざまな力の向上が役員会の運営同様に必要かなと思います。
おっしゃるとおり、取締役のレベルアップは重要です。これはガバナンスだけじゃないですよね。経営力はもちろん、人間力を含め、すべてのもののレベルアップをすることが求められます。それが回り回って、日本経済の繁栄につながるのだと考えた方がいいと思います。その1つがコーポレート・ガバナンスであることは間違いありません。