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エキスプローラーズ・グランドスラム 世界最年少達成記録保持者
その理由も、父に「エベレストに登りたい」と相談したところ、「いいけど、資金面では一切サポートしない」と言われたので、もう自分で資金集めをするしかなかった。で、まずアルゼンチンに行って、登ったんです。そして帰ってきて、また、資金集めをしているうちに、事故にも遭って……。
え、それはどこで?
長野県の阿弥陀岳、阿弥陀という山で。18歳の時。2015年3月7日。もう頭から真っ逆さまに……。
頭から真っ逆さまにって、どういうこと? ズズズッと滑り落ちるのではなくて、崖から落ちたってこと?
下山中に、250メートル落ちたんです。本当に死ぬかもしれないと思ったんですけれども、落ちている最中に……。
落ちている最中って、何秒かの間に?
いや、結構長く感じるんですよ。落ちている最中に「死にたくない!」って叫んだら、無傷無骨折だったんです。
骨折もしないで傷もなしで!? 250メートルもどこに落ちたの? 雪の上?
沢の所に落ちて、何かにバウンスして、転げるように、最後、落ちてたんです。
3月7日じゃ、雪でしょ?
はい。雪です。雪山。でも、岩がたくさんゴツゴツしている所とかもあって、そこを通っていれば、もう、それこそミンチになっていたところが、そこは本当に運良く……。
傷もないって、すごい。
はい。
私、銃で撃たれてるんだけどさ(笑)。
知ってますよ。どこを撃たれたんですか? 今でも傷があるんですか?
あります。縫ったから。足です。弾の摘出手術をしたから。その時も、弾が足に入る時のことをスローモーションのように覚えているから、何となく想像できました。・・・でも私たち二人とも、まあまあ、相当、死にかけてるけど、強いですね。ただ、一緒にいた人は皆びっくりしたよね? なぜ落ちたの?
急いで降りると雪が荒れるじゃないですか。で、私はチームの最後尾にいたんです。歩いていたら、チームのリーダー振り返って、「そこは雪が脆いから気をつけろよ」って叫んだんです。そう言われた瞬間に、雪がボロッと崩れて、頭から真っ逆さまに……。
じゃあ、本当に雪道のようで、下がなかった。やわらかい、脆い……。
脆かったんです。それで無傷無骨折で下まで落ちたので、下で「おーい!」って叫んだんですけれども、聞こえた人はいたそうなんですが……。
皆もう、驚いていてそれどころじゃなかったでしょう。でもその事故が18歳で、その後、元気に戻って、「やっぱりエベレストに登ろう」と思ったわけですね。1年2カ月後の2016年5月に、日本人最年少でエベレスト登頂。すごい挑戦です。