働く女性が増えてきているのに彼女たちの視点でのモノ作りは少ない。だから、ダイバーシティを活かした多様な視点で企業や政府に提案する組織をつくろう!と誕生したのがイー・ウーマンです。
一般的には、商品開発やサービス開発の調査をする際、企業は、自分たちの考えていることが受け入れられるのかどうか確認をとるためのデータ集めとして調査を活用します。確認調査、です。自分たちの考えの補強材料としての調査ですから、その調査対象選びへのこだわりより人数が重要となってきます。たくさんの人の声は集まりますが、実はフルタイムで忙しく毎日働いている人のほとんどが、そのような調査に参加していないことに気付かなくてはなりません。
イー・ウーマンで行う調査は、全く違い、アイディア調査です。働き、生活している人たちの視点で、新しい考え方、アイディアを提案する、というもの。フルタイムで働いている女性(男性も)が集まるイー・ウーマンだからこそできる、商品やサービスの評価や開発、政策提言などをしています。仕事と生活、二つの視点をもつ人たちがモノ作りに参加したら、多様な視点で提案できるのではないか、という着想です。
今回の「トスサラ®」プロジェクトは、そんな働く女性たちの視点を加えたい!という味の素の強い情熱から始まりました。
国民に愛され、庶民派イメージの味の素が通常想定しているお客様は、家族4人。専業主婦家庭。とにかく「良いものを1円でも安く」。味の素の高い技術力を活かし、機能重視の商品開発をしてきました。だからこそ、ヒット商品がたくさん生まれてきました。
しかし今回ご担当者がこだわったのは、新しいライフスタイル。
仕事をしている女性たちはどんなものが欲しいのだろうか。彼女たちの欲しがるものも作りたい。
そんな疑問と希望から、お問い合わせをいただき、一緒に取り組んできました。
ただ単純に「よい機能」を入れるのでもなく、「きっとみんなは」これが好きなんじゃないか、でもなく、働く女性たちの声を丁寧に聴き、味の素で働く開発担当の女性たちも男性たちも「自分が欲しいものは何か」「これは、本当に私も買うのか」と常に「自分ごと」としてとらえて考えることを、積み重ねてきました。
「みんなは」「女性たちって」などと口にだした途端に、他人ごとになる。あれも、これもと良いとこ取りしようとすると商品のアイデンティティ、とんがりがなくなる。
だから、無機的なモノづくりから、有機的なモノづくりへと、開発プロジェクトを誘導してきました。
誰がどんなふうに食べるだろうか。その時はどんな気分なのだろうかと、買う時、作る時、食べる時の気持ちを想像しながら、ワクワクした商品をつくろうとしてきました。毎日の生活をちょっぴりアップさせる「非日常」な演出ができないか。
外部であるイー・ウーマンがいたことは、きっと商品開発に役立ったろうと思います。味の素社内の食品開発のプロや、自分たちの技術や事情を知りすぎた専門家たちが考えるのではなく、多様な視点でアイディアを加えていったことが、よい化学反応を起こし、新しい商品を誕生させました。もうひとつは、担当される方々のストレッチ。新しいアイディアに触れても、多くの担当者は、社内に戻ってそのアイディアを「いつもの」プロセスにかけていくと、だんだん「いつもの」考えで評価され始め、「いつもの」ような意見を聞かされ、「いつもの」ようなものになっていきます。でも、味の素のご担当者の皆さんは、外部の私たちとブレスト会議やミーティング等を重ねることで、常に、思考のストレッチができ、「そうそう。本当はこれが作りたかった」と確信していく機会をたくさん持てたのではないかと思います。
サラダを食べたい、というニーズは、本当は何を欲しがっているのか。野菜を食べるということ以外に、何を求めているのか。ぜひ、サラダを食べる楽しさや、嬉しさ、おしゃれ感を加えてみたい。そんな気持ちを大切にしたから、三角のかわいいパッケージの粉ドレが誕生したのです。
保存も、持ち運びも、使い方も簡単で、そして、味が豊富で楽しい。きっと週末や、ご褒美ディナー、ホームパーティ、アウトドア、あるいは友達の家に呼ばれた時の手土産に使えると思います。我が家では、もう必需品になりました。ぜひ、「トスサラ®」でサラダを召し上がってみてください。きっと、嬉しい気持ちになりますよ!
上智大学外国語学部卒業。ユニカルインターナショナル、イー・ウーマン2社の社長を務める。現在、上場企業などの社外取締役、社外監査役、経営委員のほか、内閣府「規制改革会議」、文部科学省「中央教育審議会」初等中等教育部会、他の委員等も務める。テレビ朝日「ニュースステーション」リポーター、TBSテレビ「CBSドキュメント」キャスター、TBSテレビ「ブロードキャスター」コメンテーターを歴任。2児の母。
働く女性の声を発信するサイト 「イー・ウーマン」 を2000年より運営し、「自分で考え、自分で選び、自分で行動する」をキーワードに集まった人たちと「働く人の円卓会議」 という公開ディスカッションや企業向けコンサルティングを提供。その他、自分を予約する手帳「アクションプランナー」の販売や「表参道カレッジ」の企画・運営、日本最大規模の働く女性が集まる会議「国際女性ビジネス会議」や講演アレンジや社外役員の斡旋を行う「女性スピーカーズギルド」運営など、「ダイバーシティ」をテーマに、さまざまな活動を行っている。
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