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会議番号:3621 開催期間 2020年12月04日- 12月11日
はじめまして。法務省保護局の押切(おしきり)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 今回は、犯罪や非行をした人の立ち直り支援にダイバーシティを!というテーマで皆さんとディスカッションしたいと思います。 皆さんは犯罪をテーマにしたドラマをご覧になることはありますか? テレビや映画では、犯罪といえば真犯人が究明されたり、裁判で判決がなされたりして終わることが多いのではないかと思います。しかし、現実には、犯罪や非行をした人のほとんどが、何らかの処分を受けた後、再び地域社会での生活を続けるのであり、そこにも長いドラマがあります。 その中で再犯をさせないように、犯罪や非行をした人の立ち直りを支援するのが、更生保護という制度です。更生保護の中核となるのが、保護観察の制度で、実際には、保護観察所という法務省の機関に配置された保護観察官と、民間ボランティアである保護司が協働して、この保護観察にあたります。 例えば、家庭裁判所で保護観察の決定を受けた少年や、刑務所を仮釈放となった人は、地域社会で保護観察を受けることとなり、定期的に保護観察官または保護司と面接して、その指導や支援を受けることとなります。 令和2年1月1日現在、保護司は、全国に46,763人いらっしゃり、平均年齢は65.1歳、4分の1ほどが女性です。職業等は、会社員、商業・サービス業や農林漁業従事者、宗教家、退職者、主婦など、本当に様々です。給与は支給されず、要した経費(実費)の全部または一部が支給されることとなっています。犯罪や非行をした人の立ち直り支援に、長年にわたり、多くの民間ボランティアが関わってこられたということは、世界でも類を見ないものです。 ただ、この保護司の適任者の確保が大きな課題になってきています。保護司の数は、この10年で約2千人減少し、令和2年1月1日には、約40年ぶりに4万7千人を下回りました。また、60歳以上の方が約8割で,今後10年間で約半数が退任時期を迎えます。課題解決に向けて様々な取組をしていますが、減少に歯止めがかからない状況です。 保護司のほかにも、更生保護に協力する民間ボランティアに更生保護女性会という団体があります。女性としての立場から、施設への慰問、子育て支援、ミニ集会など、地域に根差した多彩な活動をしてくださっています。しかし、この更生保護女性会員の数も、全国で約14万8千人(令和2年4月1日現在)と、年々減少してきています。 再犯のない安全・安心な地域社会づくりのために、私は、これからも国と民間とが協働して、犯罪や非行をした人の立ち直りを支援することが重要と考え、日々の仕事にあたっています。皆さんは、「立ち直り支援。多様な人に参加してもらう良い案ありますか?」 普段はあまり考えたことのないテーマかも知れません。活発なご議論をどうぞよろしくお願いいたします。 (以上のコメントの文責は、私個人にありますことを申し添えます。)
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