第15回国際女性ビジネス会議リポート

分科会リポート

政治を変えるのは誰だ

(江端貴子 / 福島みずほ / 松田公太 / 藤田正美※)※ファシリテーターピアのリポートを読む

国際女性ビジネス会議の約2週間前に実施された参院選の熱気もそのままに、分科会「政治を変えるのは誰だ」の会場前にはドアオープンを待つ大勢の参加者が列を作りました。社民党党首で参議院議員の福島みずほさん、民主党の衆議院議員の江端貴子さん、先日の選挙でみんなの党から出馬して当選したばかりの松田公太さんを講師に迎え、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹のフリージャーナリストでイー・ウーマンで「働く人の円卓会議」の議長も務める藤田正美さんをファシリテーターに、熱気あふれるディスカッションがスタートしました。


福島みずほさん

ベテラン議員の福島さんは、先日の選挙活動で「しっとりとした声」になったと話して会場をリラックスさせると、弁護士でもあるご自身の経験から、最近、米軍沖縄基地問題で大臣を罷免されたことまで、真摯に語りました。罷免に関しての疑問についても、「約束を守る信条は党首としてより、個人的な気持ちが大きい」と迷いのない口調で話されていました。


江端貴子さん

大企業の役員経験もある江端さんは、働く母親になってから政治への関心が高まり、実母の介護を通して、行政の問題に直面したことが、政治を志す動機となったといいます。ご自身が衆議院議員として初当選した昨年の「革命前夜」のような選挙戦を振り返りながら、変革は難しいが約束を守るために頑張っていく、と前向きに語りました。


松田公太さん

起業の世界からの転身として注目を浴びた松田さんは、当選して間もない新鮮な気持ちを語りました。「日本に元気がない」ことが気になっていると強調。議員を目指した動機は、「将来はボランティアを中心とした生活をする」というご自身の人生プランを少し早めて「魅力ある日本をつくりたい」と思ったからだそうです。会場からの「なぜ『みんなの党』なのか」という質問に対しても、率直に答えます。


藤田正美さん

「政局論議のみで有権者の反応をうかがっている政治ではないか」という参加者の質問に対し、「永田町業界紙のような内容ばかりで」と笑いを誘う福島さん。参加者として会場にいた日本経済新聞社編集委員の関口和一さんが、ファシリテーターの藤田さんからマスコミ代表としての意見を“逆質問”され、マスコミの責任について語る場面もあり会場は一層盛り上がります。

また、「有権者はメディアの何に注目すべきか」、「長期的視野に欠けた政治ではないか」、「国会のマナーの悪さについてどう思うか」、「仕事柄、格差社会を目の当たりにするが、(当選した今)何をしてくださるのか」、「見る時間が限られている人が見やすい政治情報について」、「厳しい政界の中、政治家を続けていけるのはなぜ?」等々、参加者の方からの質問はエネルギッシュで、政治への関心の高さを感じられるものばかり。どの質問に対しても、講師陣からは明るくはっきりとした回答が返ります。働く母親の方からの陳情のような質問には、客席に参加していた林文子横浜市長がしきりにうなずく姿も見られました。

ディスカッションは「有権者が成熟するため」の議論にまで至り、壇上からのさまざまな提案を今後の「アクション」として心に、手帳に、記した参加者も少なくなかったのではないでしょうか。

いよいよ終わり、というときにドラマがありました。最後の意見として、一人の年配の女性が「政治を変えるのは、日本国民の一人ひとり。誰が悪いと責任転嫁せず群集心理に流されず、いい情報をつかんで客観的に判断して投票することが私たちの勤め」と述べたのです。働く女性の大先輩からの意見は会場の大喝采を得て、当分科会はお開きとなりました。後で藤田さんがご自身の長い経験の中でも、このようなドラマチックなディスカッションは初めてだったと感動するほど、充実した分科会でした。

注)出演者の肩書きは開催当時のものです。

【ピアからのリポート】ピアとは?

■政治を変えるのは、「私自身」だ!!(makkyo925)

子どもを持ちながら仕事をし、保育園の保護者会会長を務める中で、ようやく政治に興味が出てきた今日この頃。でも、メディアを通じてみる政治の世界は、あまりに敷居高く、縁遠い世界でした。ですが、“敷居高い!”と固定観念を持っていたのは私であり、政治を変えられるかどうかは、「私自身が政治とどう関わりたいか」という想いと、それを表す行動なんだ、と気づきました。今後、身近に感じられる議員さんたちに対し、現場を知ってもらうための行動を起こしていきたい、とワクワクしています。


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