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前向きで向上心の高い女性そして男性が集まる年に一度のイベント、「国際女性ビジネス会議」。その第16回が2011年7月23日(土)、東京・台場にて開催されました。
1996年に始まって以来、毎年、何百名ものビジネスパーソンが全国各地や海外から、一日10時間に及ぶプログラムに参加。平均満足度が98%以上というこの会議。今回は「ボーダーを越える発想・行動~つながる~」をテーマに、例年とは少し違った形態で行われました。
今年の会議が例年と異なるポイントは二つ。まず、夏のピーク時の節電を配慮し、開催時刻を8:00~14:00と朝型会議にしたこと。そしてもう一つは、被災地からの方および全国の女子高校・大学生の参加を支援する「マッチングスポンサー」というプログラムの導入です。
被災地の方々に物資を支援するだけでなく、機会を贈りたい、体験を共有したい。将来を担う女子学生たちにも、と考えてスタートしたこのプログラムには、スポンサーになられた方と招待された方、合計35組が参加されました。まさに会議のテーマ通り、ボーダーを越えてつながったマッチングと言えます。
15歳から70代まで、青森から沖縄まで。年齢も地域もさまざまな400名近くもの参加者が、各界の著名人や専門家が登壇する講演、最前線のテーマを議論する分科会、参加者同士のネットワーキングパーティと目白押しの6時間を完全制覇。ポジティブな刺激に満ちた学び、志を同じくする人や異なる価値観の人との出会いの数々……。きらきらと目を輝かせた女性たちが会場を闊歩する光景は、明るい未来を予感させました。
朝7:00開場、8:00開始で、遠方から参加される人は大丈夫だろうか? そんなスタッフの不安をよそに、会議ロビーには6:15から開場を待つ方が並びはじめました。ドアオープンと同時にたくさんの参加者が会場へ。席に着くと間もなく、参加者同士の名刺交換、自己紹介がはじまります。
8:00ちょうど、国際女性ビジネス会議実行委員長である佐々木かをりによる開会の挨拶。今年のテーマの意図やポイント、そして、「今回初の試み、マッチングスポンサープログラムは、東日本大震災で被災した/していないというボーダーを越えてつながることでもあります」と、マッチングスポンサーのみなさんに感謝を込めた拍手とともに幕を開きました。
最初の講演は、石黒不二代さん(ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼CEO)の英語でのスピーチ。次に、言語としては、「英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、日本語の順番」という荒井由希子さん(ILOジュネーブ本部 多国籍企業局シニア・スペシャリスト)が、生まれて初めての日本語でのスピーチ。お二人とも、グローバルな発想と行動、成功の秘訣などをご自身の海外でのビジネス経験をもとに熱く語ってくださいました。
続くスペシャルトークでは、石倉洋子さん(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)と黒川清さん(政策研究大学院大学教授)がご登壇。「ボーダーを越える発想」をめぐる黒川さんの辛口トークとお二人の絶妙な掛け合いが、会場を惹き付けます。
そして、10分間のスペシャルトークには、仙台市長の奥山恵美子さんが駆けつけてくださり、にこやかな笑顔で「復興を乗り切るために必要なのは人のつながり!」と力説。講演の最後は、さとなおこと佐藤尚之さん(コミュニケーション・ディレクター)が、プロのプレゼン術を駆使した明快なスピーチで、壁をこえるソーシャルネットワークのパワーと可能性を強く印象づけました。