第17回国際女性ビジネス会議リポート

円卓会議レポート

【102】日本を動かす ~ 女性と経済

江端 貴子さん

衆議院議員(民主党) (予算委員会/委員、財務金融委員会/委員、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会/委員、科学技術・イノベーション推進特別委員会/委員)

野田 聖子さん

衆議院議員(自由民主党)

古川 元久 さん

国家戦略担当大臣 内閣府特命担当大臣(経済財政政策、科学技術政策) 宇宙開発担当大臣

山本 恵子 さん(ファシリテーター)

NHK名古屋放送局 報道部 記者
ピアのリポートを読む

国際女性ビジネス会議としては初めて、大臣を招いてのディスカッションとなった「日本を動かす ~女性と経済」。 登壇されたのは、江端貴子衆議院議員、野田聖子衆議院議員、そして今年5月に開かれた女性と経済がテーマの閣僚会議にて共同議長も務めている古川元久国家戦略担当大臣。ファシリテーターは、ワークライフバランスや女性活用をテーマに取材を続けているNHK名古屋放送局の記者、山本恵子さんです。

山本 恵子さん

自己紹介の後、さっそく山本さんがこの日のテーマを掲げていきます。 「女性活用によってGDPが16%上がるという調査結果もあるが、社会での女性活用は進んでいない。このギャップをどう埋めていくのか、必要な政策などを考えていきましょう」

古川 元久さん

「男性の意識改革を進めるのが一番大事」という古川さんに、野田さんが「でも、ずっと言い続けていて変わらないでしょう」と鋭く返します。「やはり数値目標と法律が必要。女性雇用について義務付けないと変わらない」との言葉には、会場から大きな拍手が。江端さんは企業に務めていた頃の経験から、「企業の中からも声をあげるべき」と語ります。

野田 聖子さん

後半はいよいよディスカッション。今現在、国の政策に関わっている方と直接対話ができるという貴重な場です。多くの方が手を上げ、次々と発言し、会場は白熱していきます。

江端 貴子さん

「今、数値目標がつくれない理由は?」「質よりも時間を重視する現在の働き方が問題。生産性の定義を変える必要がある」「私たち国民は、具体的にどうアシストしていけばいいのか」 大学生による「私たち女性も、自立するなどの意識改革が必要。両方から意識改革をしてこそ、初めて平等が成り立つ」という言葉には、会場全体が大きな感動と拍手に包まれました。

最後に「今日は学ばせていただきました」と笑顔を見せる古川さん。「戦略会議で議論しているのは、“Double Income With Kids”を標準家庭とする社会づくり。そのためにまずは自分の身の回りから取り組んでいきたい」 江端さんは「一人ひとりが自然体で楽しんで生きる社会のために、いろいろな選択肢を提示できる社会にしたい。法律はそのためのもの。何かひとつやればすべて解決ということはないが、これからも意見を交わしましょう」と、終了後の交流会にも期待を寄せました。

野田さんは「私は、障害者、高齢者、男女共同参画という3つの基本法をなくすのが夢。これらは差別があるためにつくられたものだからです。今日は声を上げていくためのいい場になったと思います。ともに頑張りましょう」と、みなさんにエールを送りました。

3人が笑顔で退場するまで、ずっと鳴り止まない拍手。終了後も、会場の外では登壇者の前に長い列ができ、多くの方が握手と言葉を熱く交し合っていました。

注)出演者の肩書きは開催当時のものです。

【ピアからのリポート】ピアとは?

メヌエットさん
古川大臣から「男性の意識改革が求められているが、男性は何を解ったら良いのか?」とプロポーズがあり、野田議員、江端議員、山田司会者、会場からの質問と熱いやり取りが続いた。 大学生から女性の意識改革についての発言が起こったとき、会場は感動と共に拍手に包まれた。私は、皆さんの活発なやり取りを聞きながら、女性はどんなに優秀でも、男性に支えられて出産し育児がしたい、というメンタリティからは自由になれないんだろうかと考えていた。現時点での私の理想のカップルは、オリンピックに出場される藤原新選手夫妻だ。改めて、この会議で求められていた未来のカップル像の1つのタイプではないかと思った。 気付いたら終了時間となり、盛大な拍手と壇上の方たちの力強い握手に見入るばかりだった。

美百合さん
終始柔らかい雰囲気の古川大臣、パワー漲る発言の野田議員、穏やかな口調の江端議員に、若さあふれる山本記者の進行で、活気に満ちた会場となりました。各テーマについて議員の方達がそれぞれの思いと現状を語っていくと会場全体が引き込まれ、後半はたくさんの要望や質問があがりました。それに真剣に、丁寧に答えていかれる様子に私自身も感銘を受け、「私に何ができるのだろう」「私が進む道をどう考えるべきなんだろう」と考えるよいきっかけともなりました。 党が違っても、考え方や表現が違っても進むべき方向は同じという想いが伝わってきて、それは人種・男女・年齢を越えて、すべてにおいて共通の想い・願いであり、決して難しいことではないと感じました。

まおにゃん さん
このセッションの魅力は何と言っても、今現在、国の政策に関わっている大臣、国会議員の方がスピーカーであるという点です。国に直接意見が言えるまたとない機会と考えました。 女性の活用を進めるためには目標の数値化、男女共の意識改革が必要であること、政治の世界は一般企業以上に旧態然とした社会であることがわかりました。目標を数値化した所で実行は難しいとのこと。ここで、議論は出口のない迷路に迷い込んだ感がありましたが、現在のIT社会では自分の意見を容易に発信できるという突破口がありました。国を変えるのは国会議員だけではなく、私たち一人一人が声を上げることが大事であると感じました。 会場は椅子を追加するほどの盛況で、終了時には拍手がなりやみませんでした。

にっしーさん
今女性が直面している働きにくさを政治がどう変えていくのか、2人の女性政治家と古川大臣を迎えての円卓会議に、心からわくわくしました。 どんなに面白かったと思われる会議でも、最後に女性がたくさん質問や意見を発表する姿を見るのは残念ながら稀ですが、この会議は違いました。質問、意見、個人的な体験などたくさんの声が寄せられ、会場の盛り上がりに大いに刺激を受けました。 今度の選挙の前には、候補者の「家族や働き方に対する考え方」を質問してから投票に行かなければと日頃の行動を振り返るよい機会になりました。この問題を考えるこれだけの有能な人達がいて、日本が今後変わって行かないはずがないという期待を感じさせられました。

れみぃさん
第一部では、この円卓会議の参加者が一番多いとのこと。壇上にはテレビでもよく見かける政治家の先生方が座っており、会場全体の熱気も感じられる。与党、野党それぞれの現状を伺うと、政治の社会もまだまだ男社会だという。 数値目標をつくる。下駄を履かせる。それを達成できる・できないで、ペナルティや税制優遇を実施。ぜひ実現してほしいと思う。そして、現場の私たちのがんばりも必要だ。質疑応答でも出てきた、「女性も意識を変える」ことも重要。自分のためだけでなく、後輩のためにもがんばる。 いつか男性同様に女性が社会にいることが普通になり、こんな議論がなくなるようになればいいなぁと思い、会場を後にした。

ゆみ子さん
今回良かったのは、「政治家は私達国民に何を望んでいるのか」という質問がでたことです。逆転の発想で私はすごく実りある質問だと感じ、その質問者の方のような視点を持ちたいと強く思いました。私たち女性はこうした場に集まると大人数ですが、たぶん会社に戻ったり、社会の公的な場にでるとマイノリティなのではないかなあと感じます。でも今回政治家とワーキングウーマン達が問題を共有できたこと、そしてディスカッションの機会を持てたことは私達にとっても1つの経験として自信につながる気がしました。その自信は言葉に説得力を持たせ、他の人の心を動かす可能性を高めたと私は思います。同じ時間を共有してくださった皆様、ありがとうございました。


ページの先頭へ