佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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秋池玲子さん

ボストンコンサルティンググループ パートナー&マネージング・ディレクター

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どう伝えるかの準備

佐々木

今日は、ずっとお話してきて、やっぱり日本に経営者を育てるためにも、まず主体的に生きるっていうことを、高校・大学ぐらいからやらないといけないなと思いました。議論の仕方もそうですし、フレームワークを明確にして、論点整理をして話す癖をつけるとか。

秋池

そうですよね。日本って、ディベートの練習ってしないじゃないですか。したほうがいいですよね。あとは、これもまた日本人のいいところとも言えるのだけれど、持てる時間の100パーセントを、もの作りっていうかコンテンツ作りにかけちゃって、それをどう人に見せるかとか、どう伝えるかっていうことの工夫には、ほとんど時間を使っていないですよね。

佐々木

アメリカで笑い話があるんです。ある女性社長が、すごく大きな商談を決めた、と。で、「やったー!」っていうことで、ミーティングに向けて、ピンク色のスーツにしようかしら、マニキュアはどうしよう、髪型はどうしようと言って、準備万端。かっこいい。当日朝を迎えて気付く。「いけない!プレゼンを用意していなかった!」って。これがアメリカ人。一方で、日本人は、すごく一生懸命プレゼン資料を作って準備をし、朝、気がついたら、顔を洗う時間もなく、着ていくスーツもなく、ボロボロ。資料だけがあったっていう話。特徴的ですね。

秋池

すごく優秀な人も含めて、その種のことがたぶんあらゆる場面で日本人に起こっていそうです。どう伝えるかの準備に、せめて10パーセントか20パーセントぐらいの時間を使う。

何も、すごく格好いいデザインでなくてもいいし、パワーポイントの動画などは作らなくてもいいけれど、「このときはこの言葉を使ったほうが印象的だ」とか「この表現を使うと誤解されるから、こう言ってみよう」とか。

佐々木

相手の視点からは、どうみせたほうがわかりやすいか。

秋池

そうですよね。それは皆、やったほうがいいと思います。忙しいから大変でしょうけれどね。

佐々木

受け取ってもらうことを視点に置いた訓練がされていないのかな。

秋池

何だか照れくさいというか、上辺を飾るのを慎むカルチャーかもしれません。


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