佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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鎌田由美子さん

東日本旅客鉄道株式会社/事業創造本部 地域活性化部門 部長

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女性が欲しがるものは男性も欲しい

佐々木

それでエキュートは大成功。「大宮でできなかったことを品川でやった」って、例えば具体的には何があるんですか?

鎌田

それが、トイレ。たとえば今までトイレの清掃って水で流して掃除していたんです。大宮のときは和と洋の比率も結構議論になったんですよ。和を絶対になくしちゃダメだっていうのがあって、最後まで残したんですけど、今、和便器って家庭にないじゃないですか。高齢者が増えてくると、座るのも厳しいんですね。

佐々木

洋服も床についちゃうしね。

鎌田

そうなんです。そして、和のほうが便器の外に漏れる……。何だか、すごく汚い話をしていますけど、洋の方が外に漏れるのも少ないし、そうすると水を流して掃除する必要もないんですね。だから、乾式といって、水を使わない清掃ができるんです。水を使うと、漏らしたものを水で流して満遍なく広げて、その臭いが目地に入るんですね。そこから臭いが出ちゃうんですよ。だから乾式にする方が臭わないんです。

佐々木

そうか。駅のトイレってどうして臭うのかと思ってました。

鎌田

こびりついちゃうんですよ。

佐々木

そうなんですね。水洗いした床のせいだったんですね。それでまた乾くまで床が濡れていたら利用するのは嫌だし。

鎌田

品川は、最初から全部、洋便器にしたんです。

佐々木

そうですか。それもクレームはないですか?

鎌田

クレームはないです。「和便器が何でないんだ?」っていうお客さんは、誰もいないです。

佐々木

へえ。そういう、いろんな改良の中のエピソードで、ホワイトデーが一番売り上げ高かったっていうのを聞いて、すごく面白いと思って。コンビニも男性顧客が多いわけだけど、エキュートもやっぱり男性客が多かったのね。

鎌田

そうですね。駅って大体6〜7割ぐらいが男性のお客様なんです。だから今まで、立ち食いそばとか、そういった男性向けのものが中心になったんですけれども、たぶん女性が欲しがるものは男性も欲しいと思っていたんですね。

それに、本当は男性もケーキとか惣菜なんか買いにデパ地下に行きたいんだけど、夜閉まっていて行けない人がいっぱいいる。そこも変えられると思ったんです。それ以上にホワイトデーは、ああいう場がなかったんですよね。やっぱり奥さんに頼んでしまう、と。今でこそ結構デパートに男性がよく行くようになりましたけど、私たちが若い頃って、奥さんが夫に頼まれてデパートで買ってくる。でも女性社員の評判って、すごく男性は気にするんですよね。自分で買わなきゃとなると評判がいいものを渡したい、と。で、エキュートで売っているものだったら、一定レベル以上の評価はもらえるっていう、たぶんお店に安心感を感じて頂けていると思うんです。

佐々木

通勤途中で買えるわけだしね。

鎌田

皆、男性が並んでいるから、並んでも恥ずかしくないし。まさにコンビニ的ですよね。


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