働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
青森ではシードルの工房を作るんです。場所も海の見える本当に絶景の所に。市で「ねぶた会館」を作っているんですね。これもすごく立派なんですけど、その横の海沿いのならびに工房を建てて、シードルを作るんです。
すごくおしゃれ。
こういう場所に単なる商業施設を作っても、地元からは、そんなに喜ばれないじゃないですか。それよりも地元名産のりんごを使う。青森では、りんごの8割が生果で消費されているんです。残りの2割もほとんどがジュースとかジャムの加工で。だったらシードルに加工することによって、少しでも消費を増やせるし、傷ついたりんごも使えるじゃないですか。
それと、シードルを作ると、シードルの次にカルバドスまでできるんですね。カルバドスっていう名前は使えないんですけど、アップルブランデーにできるんです。蒸留しちゃうと、腐らず長期保存が可能な商品につながります。
ここは海ですか。
海です。もう絶景ですよ。外で食べられるようにします。カフェで。地元のマルシェも併設します。
いい仕事ですね。
無のところから、「こういうことをやったら面白い」ってなると、やっていても楽しいじゃないですか。部下たちは地元どっぷりですよ。
そうですね。イー・ウーマンは、女性たちの知恵や意見、消費者目線とか未来目線で企業や商品を作っていく、変えていくという仕事をしているんです。新商品を作ったり、コンセプトを考えたり。多分地方にたくさんあるだろう素材、品質はいいけれど、パッケージやコミュニケーションが良くなくて、伝わっていない、というモノを応援する提案とか。
そうなんです。埋もれているものも、いっぱいあると思うんですよね。
いいものを、ちょっとテイストを変えてあげるだけでね。
そうなんですよ。地元の人しか知らないものも結構あって……。サルナシってご存知ですか? 私、全然知らなかったんですけど、花巻に行ったときに、木にたわわになっていて、道の駅とかでザルいっぱいで200円ぐらいで売っていたんですね。で、「これ、どんな味がするんですか?」って言ったら、「キウイフルーツみたいな味がしますよ」って言われて、試しに買っていったんですよ。そうしたら、東京で、高級なスーパーとかで「ベビーキウイ」っていって売っているのがあるんですね。スポンジの上に8つぐらい載って400円ぐらいするんですけど、それとまったく一緒のものだったんですよ。すごく美味しくて、皮ごと食べられる、キウイの味なんです。
へえ。そういうものが、またどんどん商品になったり、お菓子になったり、飲み物になったりしていってもいくんですね。