佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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エロック・ハリマーさん

川崎市外国人市民代表者会議第8期委員長

講演依頼について問い合わせをする

「国と国の関係を良くするために、こういう仕事がある」と教えてもらった

佐々木

そうか。外交官に憧れたっていうのは、どうしてですか?

エロック

たぶんそれも、夜9時の「世界のニュース」。

佐々木

すごい影響を与えているよね、「世界のニュース」は。

エロック

たぶん、それだと思うんです。よくご飯を食べながら、今日の話とかをするんですね。たとえば母が新聞を読んで、「この問題はまだ終わっていないね」とか、たとえば中東の問題とか。そうすると、いきなり誰かが、いつも聞くんですよね、「どう思う?」とか。そこから結構話がありました。

佐々木

うちもそうだったな。世界のニュースじゃないけど、父に「今のニュースをどう思うか」とか「今日のこの新聞の出来事は何だ」とか。

エロック

一緒。そんな感じです。

佐々木

私は嫌だったけどね。父がテレビでニュースをつけると、「うわぁ、また来るぞ」っていう感じで。

エロック

私は好きでした。

佐々木

うちの場合はあまり健全な状態でのディスカッションではなくて、父が段々酔っ払ってきて、ニュースを見て怒り狂った後に子どもたちに聞いてきたから、私はそれがとても嫌だったのね。ベロンベロンになりながら「何だ、日本は!」みたいな感じで。私が今もお酒が苦手なのは、たぶん父がああやってお酒を飲んだからだと思うんだけど。

エロック

なるほど。

佐々木

でも、エロックさんは外交官の夢を持った。

エロック

ある日、どこの国の問題か忘れたんですけど、それを見て私は「インドネシアは、これに対して、こうであるべき」と言ったんですね。そうしたら「それはいい考えかも」と父か母が言ってくれた。その時、「私の考えは、いいんだ」と思って、「そういうときって、どうすればいいの?自分の考えを誰に言えばいいの?」って、子どもながらに言ったらしいです。それで、そのときに、「国と国の関係を良くするために、こういう仕事がある」と教えてもらったんです。

佐々木

そうですよね。子どもの頃、私は外交官っていう仕事を知らなかった。お父様やお母様が、そういう仕事があると教えてくれたんだ。それがあの「インドネシアの大統領になります」宣言につながったわけね。


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