働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
一本の映画ができるかできないかっていうことの、映画監督としての個人的な思いや、このレオニーという人を世に出せるか、といったことよりも、そういう社会状況の中で、いつの間にか使命感のほうが大きくなっていった。その使命感が私をここまで支えたかな、という気がしますね。それは男性ではなかなかできないし、組織人にはなかなかできないんですよね。そういうことに自分の命を賭ける、といったら大袈裟だけど……。
志を実現するために、思いを形にすることに熱心になり続けるという。
そうですね。諦めないという。昔はオーナー社長さんがすごく志があって、一方でしっかりお金儲けをしつつ、また、それを日本という社会を育てるために投資をするみたいなことが、もうちょっとあったように思うけれど、今は上場企業が増えて、実際の経営者がそれだけの権限を握っていないですよね。
そうですよね。お金集めは相当苦労されたわけですよね。
相当苦労しましたね。
どうやって集めるんですか。
やっぱり最後は運でしょうね。13億だったんですけど。私の今言ったような思いを受け止めて、出資をしてくださった方々がいてくれて。札幌にモエレ沼公園というのがあるんです。映画のエンディングにもでてきましたよね。札幌の人々はモエレ沼公園を、「せっかくこんなに素晴らしい公園があるなんて、世界の人にもっと知ってもらいたい、世界にもっと見てもらいたい」という思いがあって、北海道銀行を初め、いわゆる北海道の企業のオーナーたちがファンドを作って、1億円集めてくださいました。それから、講演会で、私がいかに「レオニー」という映画を作りたくて資金集めをしているかっていうお話をしたときに、聞いて下さった方が、紹介してくださった方など。そういう夢のような、あり得ないことが起きて。お金集めで歩いて丸4年たったころに集まって、で、6年たってようやくクランクインできました。
シナリオライターとの出会いも随分、ご苦労されたようです。