佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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松井久子さん

映画監督・脚本家・プロデューサー

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制作委員会方式が多くて

佐々木

今は公開前。すごく、そういう意味ではドキドキですよね。

松井

そうです、ドキドキです!

佐々木

でも前評判もすごくよくて、非常に多くの人にレオニーのことを聞きます。いろんな方からメールも来ますし、新聞も拝見しました。MITの石井教授がここで講座をされたときにまで、レオニーが出てきましたよ。

松井

そうだったわ!u-streamで拝見しました、古川先生と。そうか、この場所でしたね、石井先生のセミナー!

佐々木

そうです。

松井

さっきから素敵な空間…なんか見たことがある…と思っていて…。石井先生との出会いは、もうめちゃくちゃラッキーなことでしたけど、いずれにしても、そういうラッキーさもあって、資金も集まって、私がたった1人で制作まで漕ぎつけたものなので、人に言われたからって、「じゃあ少しこう変えたほうが売れやすいのか」って、変えていくべきではないんだろうと思っているんです。

今の映画の作られ方って、制作作委員会方式が多いですよね。船頭が多くて、そのわりに誰も責任は負わない。監督は雇われる立場で、出資した会社の皆が、作品に対してそれぞれの論理で介入してきて、そうやっているうちに作品がどんどん壊れていく。私には「それって違う」と思えてならないのね。本来「これを作りたいんだ」っていう人の思いがそのまま作品の力になると思うんですよ。独りよがりな映画はダメだけど、『レオニー』は「映画の作られ方って、本来こういうものでしょ」という挑戦でした。それもちょっと無謀なチャレンジで、私とレオニーの一番似ているところは、そういう無謀なところ(笑)。

佐々木

それは、たぶん私も似ていると思う。僭越ですが。それで私、「レオニー」は2回拝見しました。で、観れば観るほどいい映画だなあと。大変、失礼な言い方かもしれませんが。

松井

それが私のプロフェッショナルじゃないところかもしれませんね。1回できちんと伝えたいんだけど、2~3回観た方が、佐々木さんと同じことを言われます。

佐々木

3回ですか? 分かりました。

松井

2~3回観て頂かないと(笑)。1回目は、冒頭の倒置法とか、ストーリーに追われてしまって、この映画を思う存分味わって頂けないかも。私がこだわった、日米双方の美術とか衣裳とか、光と影とか、そういうのも味わいながら観ていただくには、1回だけだと皆さん、「いい映画だけど、ふーん」って、なかなか言葉が出てこない。で、2~3回観た後は、いろいろ言ってくださるんですね。

佐々木

そうだったんですね。じゃあ、よかったです。2回拝見して、すごく映像の瑞々しさとか、レオニーの芯の強さと、それでいて、すごく寂しがり屋な感じのところと、でも子どもを、作品を仕上げていくように育てるあの思いっていうものと。ヨネもまた良くて。本当に2~3回観る映画なんだろうな、と思っていました。

松井

そうですね。そういうふうに観ていただけると嬉しい限りです。


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