佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

148

小谷真生子さん

テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』キャスター


初めの頃は、経済って難しいだろうな、と

小谷

テレビって、自分の体調、精神状態、あるいは性格も含めて、全部さらけ出さざるを得ない。分かってしまう。それに今は視聴者の皆さんのほうが目が肥えておられるから、取り繕ったりしても、わかってしまいます。
テレビは普段の生活には無い緊張感があります。「素」のままの自分で、テレビに出るとなると照れが出ちゃうんですね。だから、照れができるだけ出ないようにだけはしています。

普段は、そんなにアウトゴーイングなほうではないし。そういうのは全部かをりさんが知っているから、言いにくいんだけれど。

佐々木

特に一般のニュース番組と違ってWBSの場合は、実業界というかビジネス界の、毎日リアルに働いている人達に絡むニュースじゃないですか。だから小谷さんが、生身の、そのままの人として、ちゃんとメッセージを伝えているっていうのが魅力なんじゃないか、と。他の人にはできない理由もそれだと思うの。

小谷

私も一番初めの頃は、経済って難しいだろうな、と。で、確かに、竹中先生の御著書を拝読しても、数式がいっぱい出てきて難しい。本当に専門的に経済を勉強しようと思えば、もう限りなく難しい世界に入っていくわけですよ。でも実際に番組を始めて、初期の頃に分かったのは、同じ経済の中でも皆それぞれ分野がある。マクロもあればミクロもあるし、金融もあれば、そうでないものもある。だから、答えがあるようでいて、ないんですね。

その中で自分の役割は何かっていうと、それを自分自身が噛み砕いて分かるように持っていかないといけない。その作業の工程が、もしかすると視聴者の皆さんには共感を得ていただけるのかな、と思ったことが始まりですよね。経済を動かしている人達も、生身の人間ですから。結構、人って難しい話でも、とっつきやすいところから入っていくと……。

佐々木

開いてくれる?

小谷

ものすごく。自分の可能性、脳を活性化させる部分が、ぱっと開ける。すると、「なるほど。今まで私も知らなかった世界だけれど、意外とおもしろいな」っていうふうになるのではないか、と感じます。だからその人の人間性から入っていったり、あまり堅苦しくないところから入っていったほうが、意外と経済が身近になるんじゃないかな、というふうに思ったんです。今もそれはあまり変わらないかしらね。


  • 2 / 25


バックナンバー

過去の一覧

ページの先頭へ