佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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小谷真生子さん

テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』キャスター


きちんとした気持ちでメディアに携わらないと

佐々木

最初は何から勉強したんですか?

小谷

始めは兜町に行くなどして、金融からでした。NHKでも、マーケットの番組を担当させていただきました。その日の東証での取引が終わったら「今日の終値はこうでした」と
伝える番組。ですから、兜町に通って、株価の動きなどの背景について証券会社の人に話を聞いたりするところから始めました。

マクロ経済については、コメンテーターの先生方など識者にお電話をして「これは、どういうことでしょうか?」って。当時はインターネットがなかったので、新聞や通信社の情報を毎日フォローアップして、自分でノートを作って、の繰り返しでした。

佐々木

今の、「お電話をして」という発言を聞いてもそうだし、いつも番組を見ていても思うのは、小谷さんの人柄ですごく番組が強くなっている、ということなんです。「人柄」っていうのが相応しい表現でしょうか。経済界の人とちゃんとつながっていて、あるいはコメンテーターの人ともちゃんと信頼関係があって、そこに主体性もあるし信頼があるっていう感じがすごくする。

小谷

します? 本当? 嬉しい。

佐々木

もちろんです。ゲストの経営者の方々も、それこそ番組に出ていることを少し忘れているように小谷さんとしゃべっている。そこが番組にとっても財産だし、たぶん小谷さんにとっても財産というか強みだな、と思って。引きつけたり、信頼されたりっていうのは、元々の持って生まれた魅力もあるんだと思うけれども、もちろん多々努力がある。

小谷

きちんとした気持ちでメディアに携わらないと、結果として、意図しなくとも人を傷つけたり、おとしめてしまったり、ということが往々にして起きてしまうと思います。WBSを始めた当初、エクスクルーシブな情報を取りにいく場合に、相手との信頼関係があるからこそ信頼してしゃべってくれている。ということは、情報の内容以外のいきさつは外には言えない。

となると、会社の電話を使えないわけです。会社の電話は全部履歴が残るから。自腹を切って、自分の電話で話を聞く。絶対にいきさつが分からないように。

でも、決して他の人を追い落とすための情報ではなくて、その情報で悲しむ人がいない、ということが重要。世の中が、人々の生活が、より良くなることに繋がる情報を、先行してWBSで流してもよろしいですか、という了解を得て出す。メディアというのは本来そういう形であるべきだと思っています。WBS初期の頃に一生懸命そういうことをしていたのと、あとは、余分に得た情報の数々は絶対にもらさないというか、それは墓場まで持っていく。別に他の人に言う必要はないわけだし。そうするのは、まず鉄則中の鉄則だから。それをもってして支持していただけるんであれば、それはとても嬉しいですよね。かをりさんも、そうでしょう?


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