佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

148

小谷真生子さん

テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』キャスター


番組をしていると常に感じます

佐々木

そういう番組を作ったらどうでしょう?

小谷

そういう番組って、難しいでしょう。

佐々木

たとえば政治家達と小谷さんの対談番組みたいにして、経済界の人達と話してきた小谷さんの知識と視点で、政治家に問いかけていくという番組、どうですか。すごく意味がありそう。

小谷

政治家が言うのは建前が多いでしょう。自分の票を常に確保していたいから。

佐々木

でも、頑張ろうとしている人達も、もちろん志があって政治家になる人もいます。ただ今の古い仕組みの中では、なかなか表に出られない。

小谷

あるいは、潰される。

佐々木

それで、今の政治や政界の中で力を発揮できるようにするためには、民間というか、経済界の体験も必要なのに、政界で力を得たときには、民間で培った勘や情報が失われちゃう。

小谷

だから結局、トップに立つ人間は、優秀なブレーンが周りにいないといけないですよ。それがあれば大分違うはず。

たとえて言えば、TPP一つとってみても、これに参加しなければ日本がどうなってしまうかをシミュレーションして、それを菅総理にあげるような人がいればいいんだけど、ブレーンとしてはいないのでは。「TPP参加については今から協議して6月までに」と仰るけれども、時間がかかりすぎるし、農業政策にメスを入れざるを得ない地域に自分達の大票田があったりすれば、できればメスを入れたくないわけでしょ? むしろ思い切ったほうが最終的に支持が自分達に集まるのに、そのことをきちんと分析して進言できるブレーンがいないようです。

佐々木

イー・ウーマンのサイトの働く人の円卓会議「日本のTPP参加、賛成ですか?」のディスカションをしたら、賛成が71%でした。

小谷

でしょう? むしろ、大英断で実行したほうが支持されますよ。でも、そのことに気がついていない。

佐々木

自分の持っている、見ているところを「マス」として考えるけれども、本当は別のところに「マス」にも匹敵する人々がいるっていうことを忘れているんですね。

小谷

どの世界でもそう。私も言える立場ではないけれど、当事者はどっぷりその環境につかっていると客観的に「マスに何が求められているのか」を分析する力が弱まってくる。だからこそ「サイレント・マジョレティ」つまり「賢くも声に出さないマス」が実は大事。政治家は大票田のマスと、サイレント・マジョレティのマスの双方の「声なき声」に耳を傾けなければならないのだと思う。そして、それらの声から、事の本質を読み取る力、才能が求められ、あとはどれだけ読み取れた本質に応えるかたちで政治の現場に落としこめるか、ではないでしょうか。

佐々木

番組でインタビューだったり取材だったりで印象に残っているものってありますか?


  • 11 / 25


バックナンバー

過去の一覧

ページの先頭へ