佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

148

小谷真生子さん

テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』キャスター


先日、韓国から番組をお伝えして

佐々木

番組のインタビューだったり取材だったりで特に印象に残っているものってどんなものがありますか?

小谷

いっぱいあります。昨年末、韓国から番組をお伝えしましたが、そのときは韓国の、いわゆる経団連、経済団体の専務の方が生出演して下さいました。サムスンやLG電子が日本の家電メーカーを追い抜いて世界トップになったことを受けて色々とお話をうかがいました。

韓国は、97~8年の金融危機ではIMFも介入しました。その際、韓国国民の多くが国を救うためと、家庭にある金(きん)を差し出しました。「あのときがあったからこそ今がある」と仰って。だから10年ほどでこれだけ盛り返した。もちろん韓国の場合はどの業種も同業他社が少ないから、国内で疲弊するような競争がないということもあります。日本の場合は国内での競争は同業他社が多いので大変です。その上、海外の同業他社とも闘うエネルギーを振り向けなければならないのは二重の苦労が常についてまわるようなものです。

佐々木

それから、韓国は経済界がワンジェネレーション若返ったことが大きいですよね。一気に若返って、さらに多くが、アイビー・リーガーで世界ネットワークを持っている。

小谷

会社のタクティックスのために、たとえばスタンフォードなど一流大学の教授がボードメンバーになっていたりするの。要するに企業経営に参画してもらっているんです。世界経済の動きをエキスパートに分析してもらい、その動向の中で一韓国企業としてどういう戦略で動くのがもっとも合理的で利益を得られるか、綿密に分析してからでないとアクションを起こさない。でもアクションは早い。日本でも、欧米の識者にアドバイスをもらうことはあっても、更なるコミットメントは日本の場合なぜかうまく根付かないと聞きました。
企業は、戦略をグローバルに展開する際に、ブレーンもグローバルな人材を入れた方がこれからはうまくいくのではないでしょうか。日本は意外にドメスティックだから。 それから、勢いのある韓国企業のCEOはオーナーでもある。オーナー経営者は遠慮する必要が無いので決断が早い。


  • 12 / 25


バックナンバー

過去の一覧

ページの先頭へ