佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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小谷真生子さん

テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』キャスター


取材してきた内容について敬意をはらう

佐々木

それにしても、どうやって勉強しているんですか。毎日、番組もあるし、取材もあるし。本で勉強することが多いですか? あまりネットは使わない……ですよね?

小谷

いえ、日経新聞などはスマートフォンで見ていますよ。本は3冊ほど併読しています。経済誌も読みます。あとは、電話やメールでコミュニケーションしますね。

佐々木

確かに専門家と直接話をすることができれば、一番わかる。一番新しい情報も入りますし、ね。WBS(ワールドビジネスサテライト)の番組スタッはフ、何人いるんですか。

小谷

だいたい35人位。

佐々木

そのスタッフを一つにまとめて番組を動かしていくっていうのは、すごい技量だと思うんです。もちろん、プロデューサのお力だろうし、優秀なディレクターの方々のお力だと思うけれど、キャスターの小谷さんの存在感や愛情も、もちろん大きな力になっていると思うんです。

私も1度だけ、番組に出演させていただいたことがありますけれど、あの時も、小谷さんの仕切り方っていうか、番組の作り方、ゲストへの対応の仕方、リーダーシップ、見事でした。番組スタッフとの関係で、気をつけていること、意識していることってなんですか?

小谷

スタッフが労力を惜しまず取材してきた内容について敬意をはらう、ということでしょうか。膨大に取材したものの中から編集してほんの一角を番組を通じて放送するわけですから。総力戦です。スタッフあっての番組であって、番組は一人では作れません。ですから、自分自身の見解はオンエアでは極力言わない、必要ない、と思っています。

佐々木

番組を動かしていくうえで、苦労も、工夫もあったでしょう?

小谷

仕込みは大変です。ゲストをお招きしてお話をうかがう際も、ゲストの仰りたいことと視聴者の聞きたいことがずれていることがよくあります。スタジオに入ってからも構成については悩んでいることがよくあります。全体の流れを大事にしながら、別の視点をさがす、ひきだすことが大切です。職人に徹することを信条にしています。また、番組のVTRから離れた問題意識の提示なども大切です。他にも役割としては色々ありますが、この仕事を続けていて、なかなか「これでよし」と自分の仕事ぶりに満足できたことはありません。

佐々木

番組はチーム力。いいチームを作るコツは?

小谷

チームを牽引するのはプロデューサーのお仕事です。私の仕事は取材から戻ってきたスタッフが持ち帰ってきた素材をどう別の視点から見るか、ということでしょうか。そのブレンドがうまくいけば、チームワークとしてうまく回る、ということにつながるのではないでしょうか。


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