佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野口聡一さん

宇宙飛行士


あれはシナリオが結構面白くて

佐々木

そもそも訓練期間がとても長いわけですし、今日お話を伺うと、戻ってきても、今も毎日ずっとスキルを安定させるために訓練を続けていらっしゃるんですけれども、書籍を拝読して、私がお尋ねしたいと思ったのは、「1メートルのボールに入る」っていうのと、「回転椅子」。私、回転椅子は絶対にダメなんですが、体が小さいので1メートルのボールに入っても、きっと大丈夫だろうと思っていたんですけど。どういう面白い訓練というか、すごい訓練ですね。

野口

あれは宇宙飛行士選抜試験中のエピソードなんですけどね。

佐々木

あ、そうでした。あれは、宇宙飛行士になるための選考試験の一つでしたね。あれは1メートルの直径のボールに入るんですか?

野口

入るんです。

佐々木

私なら入れるけど、野口さん、180センチ……。

野口

いや、入れますよ。でも僕は結構きつかったですね。

佐々木

そうですよね。私は、たぶん……。

野口

中でたぶんグルグル回れると思います。

佐々木

でも野口さんは、きついんじゃないですか?

野口

きついですね。窮屈だったですよ。こうやって僕は膝を抱えて入ってました。

佐々木

何でできているボールなんですか?

野口

耐熱性の不燃布です。ちょっと分厚いテント生地みたいな感じ。あれはシナリオが結構面白いんですよ。スペースシャトルに乗って宇宙に行って、何らかの理由でスペースシャトルで帰ってこられない、機体が壊れちゃった、と。そうしたときに、もう1台のスペースシャトルが飛んで、壊れたほうのスペースシャトルの人員を救出するんだ、と。

二つのスペースシャトルの間に綱を張って、故障したスペースシャトルの方の乗員を一人ずつボールに入れて運ぶ、という設定なんです。スペースシャトルは普通7人乗りで、宇宙遊泳する宇宙服は二つしか積んでないから残りの5人は袋に入って待ってるわけ。

佐々木

その袋は5つあるんですね。

野口

5つある、という想定なわけです。あの袋に入れられて、何時間かかるか分からないけど、この中で待っていなさい、と。


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