佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野口聡一さん

宇宙飛行士


チームとは共通のゴールを持っていて、なおかつ、何らかの形でそれにユニークな寄与ができること

佐々木

宇宙船の中は、とにかくチームじゃないですか。ですから、選考過程でも訓練過程でも、お一人お一人の才能とか技量も、もちろんですけれども、その優秀な人たちがチームを組んで仕事をするというのが一番のポイントだと思うんです。そこで、この対談を読んでいる方にとっても応用できることとして、チームワークについてお話をしてほしいんです。チームって何か、チームメンバーとして、あるいは、チームリーダーとしてリーダーシップとは何か。野口さんが一番気をつけられていることは何ですか?

野口

まずチームということに関しては、とくに宇宙飛行士的な考えになっちゃうかもしれないけど、僕達にとって、チームというのは共通のゴールを持っていて、なおかつ、何らかの形でそれにユニークな寄与ができるっていうことですよね。

佐々木

それぞれの、個別の役割がある。ミッションがある、という。

野口

だから、「ベクトルが合っている」という言い方をよくしますよね。共通のゴールで、それぞれに必要な役割があるメンバーっていうのがチームかなと思いますね。で、その中に、役割として与えられる中に、もちろんリーダーシップもありますし、リーダーシップと同じぐらい大事なのがフォロワーシップであり、リーダーに対して、それを横からサポートすることであり、チェックすることであり、必要な手足となって動く、出動するための作業であり、そういう能力が必要なんじゃないかなと思うんですね。

佐々木

たとえば一つの課題があるときに、Aという考え方、Bという考え方、Cという考え方がある、と。これをチーム、たぶん今回のように宇宙に行っているチームだとすると、皆それぞれの考えや経験から、私はAじゃないか、いやBもあるんじゃないか、またディベートの観点からCもテーブルに載せようよ、という話になるかもしれないですよね。で、これを皆でディスカッションを上手くしながら、リーダーがじゃあCにしよう、あるいは全然関係なく、Dにしようと言うかもしれない。仰っている、リーダーシップというのは、まずそれをきちんと選び、精査して決めるということがリーダーシップですか? それから、フォロワーシップというのは、日本だと、間違いがちなのはフォロワーシップって、ただ何も言わないでフォローしていくけれど……

野口

それじゃあチームに居る意味が無いですね。発言、というか寄与しないとチームメンバーとはいえない。

佐々木

そうなんです。フォロワーシップというのは、やっぱりAじゃないか、Bじゃないかと提案したりする。でもDだよ、となったときにはYesと言って、Dできちんとやるということかな、と思うんですが。もう少し、そこのところを教えてください。


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