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でも、なんか60歳ぐらいまでにたくさん風穴あけて、それでオシマイでいい気がしてきた(笑)。
そうしたら余生は一緒に旅行でもしましょう。
あはは。いいですね。でも、余生って考え方が、よく分からないんです。考えたことがない。
自分で言いながら、そう思いました。失礼しました。
いえいえ。でも、オンとオフって、ないですよね? 僕はオンとオフがないので。
私、オンとオフって考えがまったく理解できないです。
でしょ?オフって何でしょうね?人生じゃないんですかね?オフってことは。
オフって、私、失礼だと思っているの。仕事がオンで土日がオフとか、家族がオフって、それはオフの人に失礼だと思っていて。
自分の人生に対しても失礼だと思う。
私も24時間365日オンだと思っているんだけど。ちょっとここで、佐藤さんの幼少からの話を伺いたいんですけど、いいですか?東京生まれ?
はい。三代江戸っ子。一人っ子だったので、一人っ子なりに甘やかされていましたよね、何不自由なく。そんなに坊ちゃんじゃありませんけど、別に不自由はなくて、物はあったせいか、集中力がなく、継続もせず、でしたね。だから親は今、僕がいろいろなことを集中して書いたり、ブログだって15年ぐらい継続しているじゃないですか。もう、口あんぐりですよ。「あの続かない子がなぜ?」って。本当に親は常に驚きの目で見ています。「何で、あのだらしのない子が、ちゃんと続いたりしているんだ?」って。まぁたいしたことはないんだけど、とにかく「意外だ」っていうふうに。
小学校のときに日記を書いても三日坊主だったり?
三日坊主。すべてが途中でした。でも本は読んでいました。本はコレクター的に集めていましたけどね。読んで増えていくのが好き。
小さい頃読んだ本では、何が?
小学生のときは歴史ものばっかり。源平盛衰記とか太平記とか。あ、リンドグレーンとかも読んだけど。中学になったら司馬遼太郎ですね。その辺りから、モーパッサンとかドストエフスキーとかサリンジャーとか海外のも読み始めて、雑食になって、文庫で出ているのは片っ端から読んでいました。
その蓄積があるから、今、書く、出すっていうのができるようになったのかもしれないね。
書くのはそんなに好きではなかったかな。実際に本とか書き出して、こんなに苦しいとは思わなかったんですけど、読むのは今でも好き。活字中毒は、昔ほどじゃないですけど、まぁ今でもよく読みます。
習い事とかは?
ピアノも続かなかったし、水泳も続かなかった。ピアノはソナチネでやめたのかな。水泳も25メートル泳げなかった。今は1キロ泳げますけどね。だから成人してからずいぶん……。
1キロ泳げれば、どんどん泳げますよ。私、水泳部だったんです。
あ、そうなんですか! 意外(笑)。ボクは昔は25メートルがギリギリでしたね。だから2~3年前に水泳を始めて、100メートル泳げたときの喜びたるや。「俺、100メートル泳げたよ!」ってわざわざ行きつけのバーに報告に行ってバカにされたんです。「100メートルぐらい誰でも泳げるでしょ」って。でも僕にとっては画期的でね。100メートルを超えたら500メートルはすぐでした。で、1キロ泳げるようになりました。
1キロ行ける人は、別に2キロも3キロも泳げる。
1キロ泳げたときなんか、もう記念日ですよ。ブログに誇らしげにバーンと書いて、「1キロ泳げた!」って。
私、3年ぐらい前に久し振りにプールに行ったら、クイックターンでノンストップで2キロ泳げました。このプールでクイックターンしているおばさんは私だけだろうと思って、結構いけると思って、嬉しかった。
すごい!クイックターンはまだできないですけど。というか、やったことないです。で、中学高校はラグビー部だったんですけど、それもわりと中途半端だったかな。
体が大きいからね。
でも、当時はでぶっちょで、ポニョポニョだったんですよ。「お前みたいにポニョポニョなのが、何でラグビー部に入ったんだ?」って先輩に言われるような感じだったんですよ。中学の頃は今と全然見た目が違う。だから中高の友達は、今、道ですれ違っても僕に気がつかない。僕、昔はふわふわヘアーだったですからね(笑)。いまではスキンヘッド系だし、髭も生やしているから、すれ違ってもまずわかりません。でも、なんというか、「何か佐藤、変なふうに変わった」って言われることがあります。想像と違うほうにいった、と。
想像だったら、どういうのなんだろう?真面目な、体育会系?
お調子者だったんですよね。でも、目立って人気者っていう意味ではなくて。
成績優秀でしょ?
全然。長続きしないで赤点をいっぱい採っていて、平均値でしたね。全然パッとしない。
じゃあ、何が、今のこういう「さとなお」を作り上げたんだろう?