佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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佐藤尚之さん

コミュニケーション・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

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まだ全然「上がある」って思って

佐藤

いや、僕なんかまだまだです。でも、なんというか、70歳とか80歳まではまだ成長期ですからこれからも微増的に成長しつづけてくとは思うけど、ただ、会社の中で言うと、失礼な意味じゃなくて、なんか勝手に皆が立ち止まった気がするんです。僕がじわじわ、ずっと微増してきたとすると、他の人がなんか立ち止まっちゃった感覚ですね。だからいつの間にか追いついて、もしかしたら追い越してた?みたいな。皆、最初、こんなにすごかったのに、「あれ? あいつ、最近どうしたんだろう?」みたいな感じになっていって、50歳になって周りをふっと見まわしたときに、結果的に「あれ? もしかしたらオレって成長したのかな」みたいな。偉そうに聞こえたらごめんなさい。

佐々木

そうすると佐藤さんは違うんだけど、普通、一般的には、皆を追い越しちゃったら悠々と会社の中でポジションに甘んじでいよう、という道もあると思うんだけど、そこで退社しようっていうのは?

佐藤

「キョリチカ」とかに参加してみて、まだ全然「上がある」って思ったのが大きいかな。こりゃどうするんだオレって。

佐々木

上が、ある?

佐藤

かをりさんもそうだし、平田オリザさんとか小山薫堂くんとか、皆すごいなあって。

佐々木

私はすごくないでしょう。かをりさんは一番バランス悪いって、この前言ってたじゃない。

佐藤

僕、そんなこと言った? あ、それはたぶん、一番”I statement”が強かったという意味!

佐々木

あ、ずいぶん上手にまとめていただいて。でも、「リアル鳩カフェ」の運営・進行は、終わった後に「本当に驚いた。佐々木かをり、恐るべし」言ってくれたのは、うれしかったです。

佐藤

そうそう。そりゃそうです。あの会議の運営・進行の経験値とノウハウは素晴らしかったです。それにかをりさんはキョリチカに最後に入って、それまではメンバー全体としてどっちかというとバランス系の人が多かったんですよね。”I”っていうよりは”WE”。そこに”I statement”のかをりさんが来て、ボーンと意見を言い出したので、ちょっとびっくりしたのはありますね。

佐々木

一生懸命取り繕っている。

佐藤

いやいや、当時に何を言ったかをだんだん思い出してきただけです。

佐々木

じゃあ、佐藤さんにとっては「キョリチカ」は退職の引き金を引いたんだ。

佐藤

引きましたね。あれも、政治の世界を知ったのも大きい。いや、マジで、全然、政治の世界には行きたくないんですよ。そういう意味ではなくて、でも、結構近いんだと思った。

佐々木

私も、コミュニケーションっていう面では、本当に政治にも企業にも、かかわりたいってずっと思っています。

佐藤

かかわりたいっていうか、もっと遠いと思ってたんだよなぁ。意外と近くて、あ、オレ、自分の職能いかしてかかわれる、貢献できる、って思った。

佐々木

私なりには、自分の存在意義、貢献と思っているんです。私が気がついちゃっている「これ」を、何も言わないで、実践しないで、黙っていては申し訳ないっていう気持ちになっちゃう。分かります?

佐藤

すごく分かります。

佐々木

すごいだろう、ということじゃないの。

佐藤

今分かっていることを、ちゃんと伝えて帰らないと、みたいな。

佐々木

政治も企業も、もし誰も気がついていないんだったら、ちょっと言いたいんです、手伝いたいんですっていう気持ちなんです、私は。

佐藤

でも、「鳩カフェ」のときなんかは、僕は、最初は単に、ソーシャルメディアをやることで距離を近づけることが目的だったんですけど、そこでかかわっているうちに、自分にできることって、他にもたくさんあるんだと思い始めたのが大きかったですね。


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