佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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佐藤尚之さん

コミュニケーション・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

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すべて僕の超不得意分野です

佐々木

そういうコミュニケーションって、自分がひらめいて、こういうふうにしようとしても、それをよく分かってくれるチームメートがいないと成り立たないでしょ?先ほどのインナーキャンペーンもそうだし、デザインも、たとえばこういう感じ、と思っても、デザインを書く人が必要なわけだし、そういうチームを集める力とか、束ねる、あるいは、その人達に伝えるっていうのは、何か気にかけていることはありますか?

佐藤

今、佐々木さんが仰ったことは、ほとんどすべて僕の超不得意分野です。「助けあいジャパン」でも、風穴を開けて、旗を掲げるのは得意なんです。そのあと、チームになった時点で、途方にくれて、「ボランティアが集まった組織ってどうやってマネジメントするんだろう。誰か、リーダーやって!」って思う。組織のリーダーには組織のリーダーに適任の人がいるはずなんです。得意な部分を分業すればいい。でも、「そりゃ言いだしっぺがやるんですよ」って言われてやっていますけど、基本的には不得意分野。

佐々木

だけど、できているんでしょ?

佐藤

皆、優秀な人が集まってくれたので、それこそ助けあいながら、なんとか回ってます。でも、人を束ねたり何だりは本当に不得意。だから迷惑ばかりかけてます。というか、得意だったら、もう少し電通にいますよ。組織で動くにはあの会社は最高ですから。でも、組織で動くの不得意なんです。一匹狼なんです。

佐々木

私、まさに同じタイプなような気がする。

佐藤

そうかもしれませんね。だから、特に会社という組織の中で一匹狼をやっていた頃は気難しい顔をしていたんでしょうね。「オレに寄ってくるな」みたいな。

佐々木

だけど、一匹狼じゃ、仕事ができないじゃない。

佐藤

だから、歳をとるにしたがって、やり方を覚えて、だんだんニコニコするようになったんじゃないかな。開いてきました。で、人に頼ることも少しずつ覚えてきている。50歳にしてようやくその過程です。人に、もっと頼って甘えることを今、勉強しているんです。ここが僕には一番難しいんですよ。

佐々木

私もすごく難しくて、私は甘えられない人で、どこまで頼るか。意外と、旗を揚げると、やろうとか、いいねと言ってきてくださるんだけど、どの辺のルールが、相手にとっての礼儀なのかが分からなくて、「それ、よろしくお願いね、何とかちゃん」って言っちゃったほうが向こうも喜ぶのか、それとも「よろしくね」って言ったら、「何? 佐々木さん、図々しい」って言われちゃうのか、全然分からなくて、だからいつも恐る恐る……。

佐藤

よーくわかります。で、そこが恐る恐るになっちゃう自分も嫌なので、人に頼まないで、自分でやっちゃうんです。

佐々木

そうすると、どうなるの?


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