佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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金重凱之さん

株式会社国際危機管理機構
代表取締役社長

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そういう中で事業をどう継続させていくのか

金重

それから、重大事件ではなく、つまり意図的ではなくて、自社の管理敷地内で大きな事故が発生して、死亡者が出たというような事例。たとえば、回転扉で子どもさんが亡くなる、エレベータに挟まれて死亡する事故、遊園地でのジェットコースター死亡事故です。こういういう事故があると、イベントの中止、レピュテーションの低下、大きな損害賠償の支払いなど必ず事業に大きな影響が出てきます。もっと身近な話でいいますと、ビルの共用部分の廊下の清掃後にお年寄りの女性が転んで大けがをされるという事故が発生して管理責任を追及された事例もあります。ですから、どこでどういうふうな事故が起こるかということも、企業として常に想定しておかなければいけない、という話になります。

それから、自然災害。災害は、地震から台風、高潮、風水害から集中豪雨まで、いろんなことが起こり得ますから、そういうものにどう対処していくかということ、これは今回の「東日本大震災」を見てもお分かりのとおりです。

そして、もう一つ新しい分野は、広域感染症の問題です。新型インフルエンザとかSARSとか、こういうものに対して企業が無力な部分がありますから、どんな対策を取らなきゃいけないのか、という話になるんです。2年前に弱毒性の新型インフルエンザが発生しましたけれども、実は強毒性の新型インフルエンザが危ないわけですね。で、政府の想定ではこれが発生すると、4割の人が仕事に出てこられないだろう、ということですから、電気のメンテナンスをする人も、お巡りさんも、救急隊員も来られない人が出てくる。社会全体がそうなるんですね。そういう中で会社の事業をどう継続させていくのか、というのが大きな課題になってくるんです。これも危機管理の分野の一つなんです。

佐々木

金重さんは、顧問をされている企業で、そのような多様な視点から想定されることに対してのマニュアルを整備したり、組織内でのしっかりした命令系統を確認したり、ということを事前に準備するための指導されている、ということなのですね。もちろん突発的な案件にも応対されるのだと思いますが。

金重

そのとおりです。危機管理経営においては、まずは、事前対策が最も重要です。サミット警備ではありませんが、事前対策の良し悪しで、危機対処はずいぶん変わってきます。人間の健康に例えれば、予防が“最善の策”、病気になってからの治療は“次善の策”です。


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