佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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金重凱之さん

株式会社国際危機管理機構
代表取締役社長

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立派なコンプライアンスプログラムを作っていても、不祥事は発生するんです

佐々木

今はちょうど震災の後なので、地震などの危機管理は企業にとっても一般の人々にとっても関心があると思いますが、逆に、地震に隠れてしまって忘れているけど、これは重要じゃないか、という点は何ですか。

金重

一企業が損失を被るような事案と、社会全体が大規模な被害を受けるような事案と両方あります。地震は大規模な損害を社会全体が受けるという一つの事例なんですけれども、それ以外にも、先程来話が出ている、新型インフルエンザや国際テロがそうですね。

それに、これもテロの一形態ですけど、サイバーテロ、ITに絡んでのテロの問題もあります。ところで、IT関係について言えば、“リアルの世界”で発生している犯罪の取り締まりのために必要な人数と同じぐらいの人数が、サイバー空間の“バーチャルの世界”にも必要だと私は思っています。今、皆さん方がものすごく困っていることがいくつもあって、たとえばネット上の誹謗中傷はひどいですね。しかし、今、警察はその処理のための人数が十分に割けないような状況ではないでしょうか。

それから、一企業が被害を受けるという事案としては、企業というのは生き物ですから、経済情勢の変化など社外の影響を受けます。同じように、そこで仕事をしている人たちも、外界から影響を受けるんです。重大事件、重大事故はそうした中から発生するのです。ですから、企業は常にいろんなリスクを内包していると思います。「うちの会社は安心です」と言える会社がどれほどあるか、ということになりますね。仮に、「大丈夫です」という企業があっても、「今日は安心でしょうけど、1年後、5年後も、そうですか」と言われれば答えられないのではないでしょうか。

内部体制はきちんとなっていても、いつ外部からの攻撃もあるかもしれない、という意味では、常にいろんなリスク・危機を想定しておかなければいけないんです。いろいろ立派なコンプライアンスプログラムを作っていても、それでも不祥事は発生するんです。

佐々木

金重さんの仕事の相手、企業側は社長室ですか。

金重

はい、まずは経営トップですね。社長室もそうです。それから経営企画部門、そして総務部門や人事部門です。会社によってはコンプライアンス室とかコンプライアンス委員会とか危機管理委員会を作ったりしていますから、そういう組織の社外メンバーとして入るということもあります。


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