佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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富永誠一さん

特定非営利活動法人 全国社外取締役ネットワーク 事務局長

講演依頼について問い合わせをする

40代ぐらいの社員にとって

佐々木

モチベーションが上がるとか、社員定着率がよくなるとか、そういうこともあるかと思うんですよね。

富永

しっかりとしたコーポレート・ガバナンスを確立していくことは、強い会社を作ることにもつながるので、関係あるかもしれないですね。

佐々木

私はイー・ウーマンで、また円卓会議も機会があったらやっていただきたいと思います。どうしてかというと、先ほど私は数値でと申し上げたのですが、それは過去のものさしだと思うんですよ。決算書に出る数値は、1つの単一的な、長い間の経済の1つのものさしでしかない。だけれども、社員がどれだけ生き生きと働いているか、この会社を支えたいという人がどれだけ周囲にいるかなど、いろいろほかの指標があってもいいかと。

富永

いい指摘ですね。

佐々木

そういうようなことがガバナンスとしてとても大きいと思うのです。とても利益がでていて決算書はいいけれど中身が分からないという会社も多いので、そういった企業が、「働く人の円卓会議」の議長となってご登場いただき、イー・ウーマンというハブ機能のあるウェブを通して、購買者であったり、消費者であったりと対話する、というのも企業のガバナンスを高めていく1つの要因になるのではないかと思うんですね。社外取締役についても同じだと。

富永

ガバナンスが進むことで、いろいろなWin-Winの関係が実現すると思っています。ガバナンスを突き詰めて考えていくと、本当に根が深くて、国民性までも入ってくる問題です。僕はガバナンスを切り口に勉強させていただいたり、情報発信したりする立場ですけれども、この対談を読んだ皆さんはこれをきっかけにコーポレート・ガバナンスに関心を持ってほしいと思います。

終身雇用制がいいのかどうかは別にしても、あと20年以上も会社で働こうと思っている30代や40代ぐらいの社員にとって、企業の屋台骨を支えるコーポレート・ガバナンスは大きな関心事であっていいはずです。いま担当している仕事を俯瞰的に見る、もっと大きな視点を持つという意味で、ガバナンスはよい切り口を提供してくれると考えています。

佐々木

社会人一人ひとりの倫理観が問われる時代になってきていると思うんです。これは働き手としてもそうだし、私はソーシャルメディアが出てくれば、出てくるほど、そうだと思うんです。実際にその人はどういう人間で、どれだけの倫理観を持って、発言をしたり、行動をするのかということが、ソーシャルメディアを通しても見えてくる。とても重要だと思っているんです。ガバナンスとは、そういった個人の集合体である企業の倫理観を示しているものですよね。

富永

今日は取締役会や社外取締役を中心とした、狭義のガバナンスの話をしてきましたが、ガバナンスを広くとらえると、個人の集合体である企業という組織を表現できるかもしれませんね。

佐々木

なので、すごくそこは熱心にいろいろな人の力で企業の、そこがハブになっているネットワークが活躍する時代なのかなと改めて思いました。


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