佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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南谷真鈴さん

エキスプローラーズ・グランドスラム 世界最年少達成記録保持者


あのエベレストに、今、登ろう

南谷

香港の山々は、もうほとんど制覇して……。

佐々木

そうか。それは、日常で登っていたの?「週末あそこに登ろう」みたいな感じで? 友達と?

南谷

そうですね。よく登っていました。あと、エディンバラ公国際アワードを通じてやっていました。そんな時に、17歳で両親が離婚することが決まって、私は当時アメリカの大学に行きたいと思っていたんですけれども、もうそれどころではなくなり、「一旦、日本の高校3年生から戻れ」と父に言われ、戻って来たんです。帰国して、寮で、学生会館みたいな所で一人暮らしをしながら、ある時、夜ご飯を作っていたら、「私は何をしているんだろう?」と思って。

高校3年生で、新しくまた日本の学校に戻ってきている。13歳の時にあんなに悩んだ、「アイデンティティーは何だろう?」とか、自分の生きている意味だとか、「人は何で……?」とか、そういった疑問が全部無駄だったのかな、みたいなことを考え始めて、「そうだ。13歳の時にアンナプルナベースキャンプのトレッキングをした時に見たあのエベレストに、今、登ろう」と思ったんです。

佐々木

思い出したんだ。

南谷

今、エベレストに登ったら、確実に何か見えるものが出てくるだろうし、今のどん底は今までで一番辛い。これから受験勉強もあるし、母のこともあったし、離婚もしてしまったし、一人暮らしだし、前も後ろも真っ暗で、何が起きているのか分からない中で。だから、プロジェクトを作ったんです。

とにかくプロジェクトを作って、失うものは何もないので、学校の授業が終わったら、すぐにパソコンや携帯を取り出して、(時には)1日に何百社にもメールして、「お願いです。サポートしてください」って。もう、information@会社名 みたいなアドレスに、どんどんコピペで送って……。(笑)

佐々木

「私は南谷真鈴です。エベレストに登りたいからサポートしてください」みたいなメール?

南谷

「プレゼンをしに行きたいので、ちょっとお時間があれば教えていただけますか?」と。

佐々木

何のプレゼンって書いたの? 山登りのプレゼン?

南谷

はい。「エベレストに登りに行こうと思っています」って。で、そこで、新聞社にも何社か当たって、読売新聞と東京新聞だったと思うんですけど、夕刊に私の記事を載せてくださったんです。女子高生が19歳でエベレストに登ろうと思っているって。そうしたら、それを読んだ心優しいおばさまが寄付をしてくださって、そのおかげで、高校3年生の期末テストが終わった直後にアルゼンチンへ行き、南米大陸最高峰の山、アコンカグアに登ることができたんです。

佐々木

すごい! おばさんは、お幾ら寄付してくださったんですか?

南谷

何で、そこを聞くんですか?(笑)ご想像にお任せいたします。

佐々木

そして、エベレストではなく、まずアルゼンチンに登った。


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